T-6テキサン改造 九七艦攻 (アメリカ/日本)
プロフィール機
空母 赤城 搭載機
映画「トラ・トラ・トラ!」(1970年)の撮影用に、アメリカやイギリスの練習機であるT-6テキサン/ハーバードをベースに、 同じくアメリカの練習機であるBT-13バリアントの尾翼を合体させて作った九七艦攻です。 機体の改造ポイントは、機首と胴体後部の延長、機首カウリング大型化、キャノピー作り替え、 主翼の中央部前縁の直線化、翼端を丸く整形、主翼と胴体をつなぐフィレット大型化、 BT-13バリアントの垂直/水平尾翼を合体、主脚カバー作り替え、航空魚雷の投下装置等、 もはやベースとなるT-6テキサンの原型をとどめないほど、徹底的に改造されております。
九七艦攻は、映画「トラ・トラ・トラ!」の一番の主役ともいえる存在です。 その題名の由来となった「ワレ奇襲ニ成功セリ」の暗号を発信した、 ハワイ真珠湾攻撃隊の指揮官 淵田中佐の搭乗機であり、 迫真の低空雷撃シーンから映画のクライマックスを迎えます。 また、当初は不可能と考えられていた、水深の浅い真珠湾在泊のアメリカ艦隊に対する航空魚雷攻撃を、 いかにして可能にしたか、この映画全体を通じて描かれており、九七艦攻が何度も登場します。 アメリカでは9機の九七艦攻をはじめ、12機の零戦や9機の九九艦爆など計30機の飛行可能なレプリカが作られ、 その多くが今もアメリカの航空ショーで活躍しています。 日本でも撮影用に、九七艦攻のみ飛行可能な5機が作られましたが、撮影後に廃棄されたようです。
このプロフィール機では主翼とフィレット、主脚は、T6テキサン改造 零戦21型のパーツをそのまま使い、 胴体、水平/垂直尾翼、ディスプレイスタンドとしての航空魚雷を新たに作り直しました。 水平尾翼の面積は、二宮氏の著作「日本で生まれ育った高性能化飛行機」の計算式より、 T6テキサンのプロフィール機とほぼ同じ水平尾翼容積比 Kh=0.82、 同じく最適な重心位置を求めるグラフより、主翼前縁からの重心位置 CG%=63%となるように調整しました。 機首と胴体後部を延長し、水平尾翼を少しだけ拡大しても、九七艦攻の機体の重心は、 ベースとなったT6テキサンのプロフィール機と同じ位置におさまりました。 もともと実機でも、そうなるように改造されているのでしょう。 プロフィール機で作り比べて、先人の工夫を追体験できたことが面白かったです。
空母 赤城 搭載機
PDFファイル:Texan_Type97TB.pdf
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このプロフィール機についての補足説明:
また、このページの飛行甲板は「 紙模型工房 」さんの「大日本帝国海軍航空母艦・飛行甲板 1/144スケール」を拡大して使わせて頂きました。
(完成 2025年9月14日)