考古学のおやつ

手打ちの味

萬維網考古夜話 第28話 1/Jun/1999

今週の発見」ならまだしも,萬維網考古夜話で手打ちなんてタイトルだと,変に期待させたりして(笑)。


いきなりメールの引用から。「韓国考古学文献目録」に関するご質問です。

文献目録はどのように作成して、それをどのように加工してウェブページ上に載せているのでしょうか。

これに対する私の回答は次の通りでした。

重要な点は、何かのデータベースをhtml化しているわけではない、ということです。むしろ逆で、新たな文献を入手すると、まず「韓国考古学文献目録」に登録しています。
つまり、異様に単純な作業で成り立っているのです。
もっと言うと、Webに載せている目録以前には、目録自体作ったことがありませんでした(バラしていいのかな(^^;?)。ですから、出来合いのものを再加工するという作業はしていません。
変なデータベースソフト(別にaccessとまでは言いませんが)に入れておくより、「なんとなくコンマ区切り」にしておく方が、はるかに使えます。実際、自分が一番利用してます(そのために作ったのですから当然ですが)。

具体的に言いますと,新たな文献を入手すると,まず,コンマ区切りで打ち込みます。

,西谷正,1999,「古代東アジアの中の羅州」,『羅州地域古代社会の性格』,羅州,羅州市,239-253

こんな感じです。頭がコンマで始まっているのは,データベースソフトとかに読み込んだとき,左端に空白セルができるようにするためです。何のために空白セルを作るか?それは「何か必要が生じたときのため」でして,具体的な使い方は考えてません(……というのはウソで,最初の考えでは,ここは「論文」「単行本」などの分類を入れるために開けてました;分類を再考するときのことを考えて,また,別の使い方をするかも知れないので,わざと具体的な言葉を入れずコンマだけにしています)。

で,これをhtmlにするときに,画面上で1行(論理行)ごとに改行させるために<BR>を入れると,画面上はいいのですが,htmlからデータベースにコピーすると<BR>だけの間抜けなセルがいっぱいできてしまいますし,ブラウザの画面からコピーしようにも,画面の右端で折り返したところが「改行」になってしまいます。そこで,リストの上下を<PRE></PRE>で挟んでます。そのため長い行でも途中で折り返さず,「韓国考古学文献目録」は「考古学のおやつ」で唯一横スクロールバーが出るページになってます(やたらウィンドウを狭くすれば,ほかのページでも出ますけどね)。

やはり、そばとhtmlは手打ちに限りますね。

再び,最初の人からのメール。ここから先は直接の返事は出していないので,Web上での回答となります。

今後データが増大していった時に、現在の表示方式で限界がきませんか。ある程度量が増えると、検索などができるようなオプションなどをつけたくなるような気もするのですが。

限界は来るでしょうね。できればWeb上で検索できると便利なんでしょうが(……と言いつつ,実感としては,そこまでする気は希薄だったりします(^^;),とりあえず検索できるようにする準備はありません。そこまで考えてないんですねー。Netscape Navigatorの「ページ内検索」は時々使っています。今のところ,これだけで充分満足してますが,どうしても自分で特殊な検索がしたくなったら,そのとき考えます(いつものノリですね)。

それとも、公開されたデータを閲覧者が適当に複写して、自分の都合のいいように加工することを期待する方がいいのでしょうか。

閲覧者がどう使おうと,こちらは止める手だてはないので,好きにしていただくしかありません。このぐらいいい加減な方が自由な感じでいいんじゃないでしょうか(変な言い訳)。閲覧者に使用法を指定したって,結局作った自分が真っ先に不便を感じるでしょうし(これは実感)。

>やはり、そばとhtmlは手打ちに限りますね。
「考古学のおやつ」は全部手打ちなんですか?それは知らなかった。

この件については,さるよい日記:4/11でこそっと触れています。そのときにも書いているように,今は乏しい参考書を全部人に貸してしまったので,頭の中に覚えているごく限られたタグだけを使ってhtmlを書いています。

私の考え方として、覚えられないような難しいタグを使ったって、使いこなすのにかけた労力ほどの効果はなさそうだ、と思ってます(とことんやれば違うんでしょうけど)。

このときの言葉の通りです。それに,ややこしいタグだと,ブラウザごとに表示が違ったりして,後が大変ですよね。

なんか,htmlを作成してくれるソフトがあるらしくて,時々「何をお使いですか?」なんて人から聞かれますが,そんなものは全く使ってませんし,必要性も感じたこともありません(結構性能いいのもあるそうですけど)。新しいソフトの使い方を覚えるより,htmlそのものを覚える方が早いと思うんですけどね。

Web Pageを作るにはものすごく投資しなきゃいけないと思ってる人も多いようですが,さて,私はどのぐらい投資したでしょうか。パソコンはインターネットに繋ぐ前から使ってるし,モデムを買ってから自分のページを持つまで1年近くかかってるので,これも除くと,純粋にWeb Pageを運営するために投じた資金は2万円以下です。有料のソフトウェアはPaint Shop Pro(最近全然使ってないな(^^;)だけ,あとは数冊の参考書(ほとんど役に立たなかったけど)です。あ,デジタルカメラがあったっけ。でも,Web Pageのためだけに使ってるわけじゃないし,これを足してもやっと8万円ちょっとかな?1年分で8万円(しかも今後これ以上投資する予定がない)とは,なんて安い趣味でしょう。

(2/Jun/1999補足)この部分,事実に反してました。現在,サーバ上の領域は5MB確保しています(これは無料)が,そのうちほぼ4MBを消費してまして,今の調子では,過去の記事を大幅に削除でもしない限り,容量不足になります。容量を増やすか,あるいは新たなプロヴァイダに契約するには,それなりの出費が必要となります。ですから,「これ以上投資する予定がない」はずがありません。ただし,これを計算に入れても,やはり安上がりな趣味であることは変わりありません。

実際,小学生だってWeb Page持ってるでしょ。大の大人がパソコンメーカーとかに唆されてボーナス心待ちにして挑むようなものじゃ……って,そこまで言うと,怒る人もいるかな?

ちなみに,4年前のマシンなので,CPUはPentiumの90MHzで,通信は19,200bpsが最高(PHSより遅い!)ですが,快適ですよ(^^。

私が出先で野帳を「モバイル」と呼んで愛用していることを聞いて,ある人が私を「新しいのか古いのかわからない人」と言ってましたが,新しさとか,どーとかなんて意味を持たないような,そういう趣味だと思うんですけど,違うかなー。

最初の話に戻します。「韓国考古学文献目録」は,単に自分が欲しいものを作って,せっかくだから人から見えるところに置いといて,もし人の役に立ったら,それもまたいいかな?という気持ちでやってます(この気持ちが基本だと思うんですけど)。

当初から,「日本出土の陶質土器地名表」も載せたいと思ってたんですが,こちらはなかなか実現しませんねー。やっぱり先にExcelに入れちゃったのが失敗だったかなぁ。手打ちじゃないと,なんか気分が乗らないなー(なんでだよ)。


ネタが切れそうなときは,サイト運営の手の内を明かしてネタにするのが通例です(こんなことまでバラさなくたって(^^;)。
今回の手内の味はいかがでしたか?


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