エスニック

宝くじ

  「宝くじなんて分の悪いギャンブルと同じだ」と言い続けていた私ですが、ここ数年「年末ジャンボ」だけは買うようになりました。なんだか「夢を買う」ということが幾らか判りかけてきたからのような気がします。

 初めて宝くじを買ったのは7年ほど前。冒頭の理由から買う気も無かった宝くじですが、「大量に買ったらどの程度確率が上がるのか」ということが気になりだしまして、友人達からあわせて24万円集め計800枚買いました。

 さすがに800枚あると迫力があります。積み上げた宝くじを前に友人らと1億円(当時の最高額)当たったらどう使うかで随分盛り上がりました。

 枚数が枚数だけに高額当選番号と僅差のものもありましたが、結局確率通りの2割バックで終わりました。

 800枚でもこの程度かと思いその後買うことはなかったのですが、近所の売り場でふと買う気が起こったのが数年前。まあ1万円くらいならと30枚買ったのですが、当選発表まで「3億円当たったらどうしよう」ということばかり考えていました。思い返すに、800枚買った時も最高額が当たったことしか考えていなかったような気がします。

 現実的には100万円や1千万円という中途半端な場合もあり、事実可能性としてはそちらの方がずっとあるにもかかわらず「当たるなら3億円」というシュミレーションを立てるのは、「3億円が当たる可能性」を買ったからに他なりません。この感覚が「夢を買う」ということなのでしょう。

 これは「もし異性に生まれ変わったら何がしたいですか」という質問の回答と似ている気がします。回答としては「男になったら一人旅がしてみたい」とか「女になったら子供を産んでみたい」という無難な回答もありますが、「女になったら男に全部奢らせたい」「男になったら堂々とナンパしてみたい」などのコッテリした回答が多数派です。ま、私の周囲だけのことかも知れませんが。

 さらに、生まれ変わっても決して美女にはならんだろう、という男でも平然と「男を手玉にとって遊んでやる」と言ってのけたりします。

 余程怨みでもあるのでしょう。

 話がずれましたが、ともかくこの宝くじ、本当に高額が当たると人生が狂うというケースもちらほらあるようで、いわゆる「金に使われてしまうタイプ」の方には決して「宝」にはなってくれないようです。

 では、自分なら幾らくらいまでなら動揺せずにいられるでしょうか。やはり億単位になると態度に出ないわけにはいかないでしょうね。

 また、幾らなら周囲にカミングアウトするかどうかも問題です。パッと気分よく使ってしまえる少額か、周囲に振る舞っても余裕なほどの高額ならいいでしょうが、気前よく振る舞ったら自分で使いたい分が無くなってしまうような中途半端な額だと正直言って考えてしまいます。

さてさて、今年はどこに「嬉しい悲鳴」が降るのでしょうか。  (00/12/20記)


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