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この角度だとヒンジ部分の塗り残しが見えちゃいますね | 前脚庫から後方のオレンジは要タッチアップ | |
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エンジン見せのギミックは嬉しいです | やはりアクロ機よりも迷彩柄の方が粗は目立ちませんね |
<コメント>
何度か書いていますが、模型趣味へ初心者を誘う際の大きなハードルが塗装です。ガンプラは原料着色とシールで基本的に塗装は不要として敷居を下げ、初心者に対応してきました。
が、これはバンダイが模型化を前提にMSの形状・塗装を設定出来るという大きなアドバンテージがあるが故の事。既に存在する実物を対象としたスケール模型では真似は難しいです。
それでもアオシマの楽プラやフジミの艦NEXT等の試みは行われていますが、空物では真似はほぼ無理。結果、塗装済みキットという形式が何度か試されましたが、続かずに消えて行きました。
そのような中で唯一頑張っているのがF-toys。食玩という形ですが、vsシリーズを始めとする1/144や、その下のスケールで着実にラインナップを増やして来ました。古参モデラーの中には馬鹿にする
向きも居られますが、航空機模型の入門キットとしての重要な役割を果たしていると思います。そのF-toysが満を持してという感じで始めたこの1/72フルアクションシリーズ。可動する精密モデルという
意気込みは良かったんですが、可動と精密の両立は「二兎を追う者一兎をも得ず」の諺に嵌ってしまった様で、初心者に作って貰うのは少々無理じゃない?というキットになってしまいました。4年前に
Vol.7として発売されたこのF-86を最後に音沙汰無しとなったのは残念です。
<キットについて>
1/72フルアクションシリーズの最新作にして初のジェット機キット。形状的には十分F-86らしい雰囲気を持っています。最初にブルーインパルス仕様としたのも初心者にもわかり易い機体だから
というのは分かるんですが、正直フルアクションシリーズのフォーマットとは相性が悪いです。迷彩塗装であれば多少のズレは気にならないのですが、アクロ機では塗装ラインが少しずれただけでも
目立ちますし、特にブルーの塗装についてパーツごとに色味が違ってしまっているのもかなり目立ちます。その為、胴体に関しては前後胴体を仮止めし、別パーツのガンベイドアとエアブレーキは
接着してしまった上でマスキング→再塗装を行いました。又主翼のヒンジは翼本体と同色(上面白下面シルバー)で塗られてしまっているので、そのままではエルロンやフラップの上下面色に合わず、
相当に目立つので、動翼の上下面色に合わせてタッチアップしました。
主翼は前のスラット後ろのエルロン/フラップが可動となっているので端末に固定ダボが無く、翼中央のダボのみで止める構造。必然的に前後端とも口が開いてパーツが外れてしまいます。
最悪可動はしなくても良いと割り切って、流し込みタイプの接着剤で主翼前後を接着する必要があります。垂直尾翼も同様。ダボの数に騙されて嵌め込んだだけにすると、パックリ口を開きます。
(デカールを貼った後にパックリ開かれて、デカールを別の機番のに貼り直す羽目になりました)
前脚主脚には弾性素材のオレオ振れ止めがパーツとなっています。(伸縮の再現を狙ったのかな?) これを指示通り嵌めるのは達人でもない限り無理。素直にオミットしました。
デカールは薄いが硬い代物で、曲面やモールドへの追従性は宜しくありません。特にドロップタンク先端近くの「Blue Impulse」は完全に浮きますので、タミヤのマークフィット・ウルトラハードで
馴染ませました。ちなみにマークフィットの効きは良好で、一晩置いたらモールドにしっかり密着してくれました。そのモールドですが、かなり浅い為にスミ入れは上手く流れてくれません。
元々アクロ機で磨かれて汚れは無いので極一部にライトグレイのスミを入れるに留めました。トップコートは水性プレミアムトップコート光沢で。湿度に敏感で白濁はしないけど艶が明確に落ちるのが
使い辛いので、在庫を使い切る一環でタップリ吹いてやったら、少々光沢が出過ぎてしまいました。
F-toysのvsシリーズ等は基本無可動な分組み易く、程々の精密さで塗装バリエーションが多く、価格も比較的安いので初心者にも入門用として進められるシリーズだと思います。1/72シリーズも
もう少し無理な細部パーツを減らして組み易くして貰えたら、初心者にも入門用として勧めやすくなると思うのですが。少なくとも、空冷エンジンのエンジン支持架と排気管を別パーツにして
エンジンに組み付けるなんていうのは、それなりに年季の入ったモデラーでも何度もはやりたくは無いですね。
(実作業時間:10時間)
今回の教訓:勿体無いから使ってしまおうは、やり過ぎにつながる
18.MAY.25