★ 素案の作成 アジェンダの作成、素案段階では「行動メニュー」を充実しました。 21人の委員が手分けして2人から4人のチームを8つ作り、 県職員と議論しながら行動メニューを作りました。鏑木は 「みどり・つち」の主査、「環境マネジメント」のメンバーでした。 「みどり・つち」は県職員を交えた打ち合わせを2回、 自然保護協会の会長との意識合わせを1回行なって行動メニューを 作りました。 さて、前回、素案で一番苦労したのはCO2削減目標だとのお話をしました。 その次に苦労したのはビジョンです。以下の2つの意見に中々合意が とれなかったのです。 (1)ビジョンは限りなくわかりやすくすべきだ。そうしないと人を  惹き付けることができない。よって行動につながらない。 (2)ビジョンは多少難しくなっても、アクションとの連携もふまえ、  長期的な社会の「あり様」をきっちり示すべきだ。そのために  ビジョンを作っているのだ。 アジェンダの精神から言えば、(2)を重視すべきなのは当然です。しかし、 いざ議論になると中々合意ができません。「アジェンダとは何か?」 を 腹に落ちたレベルで委員が共有していなかったためと考えています。 市民参加では「知識付与」がとても重要ですが、それを単に「知識を与える」 という考えでやると、議論が深くなるとその知識はふっとんでしまいます。 「学習」のプロセスがないといけません。そういう意味では「知識付与」でなく 「知識獲得」が望ましいのです。ただし、これは大変な手間がかかります。 基礎編の手法の説明でも書きましたが、コンセンサス会議では ジャーナリスなどトの概要プレゼンのあと、参加者が「何を質問すべきか?」 を議論することにより知識を獲得していきます。 シナリオワークショップでは、参加者が、専門家が作った4つのシナリオを 建設的に批判をすることにより知識を獲得していきます。 自らの能動的な動きなしに、知識は獲得できないものなのです。 基礎編 : http://www.ops.dti.ne.jp/~kabu/machi.html ちなみに、ビジョンに、環境と直接関係が薄い社会計画的なものをどう 盛り込むかも、なかなか合意がとりにくいものでした。 「参画」「男女平等」・・といった概念です。もちろんアジェンダの 範囲ですが、持続可能社会との関係が見えるように書くのはとても 困難な作業でした。