今日は、アジェンダ21についてです。 アジェンダ21とは、1992年6月にリオデジャネイロで開催された 「環境と開発に関する国連会議(UNCED)」で採択された、地球環境を 持続可能なものにするための全世界の行動計画のことです。リオに集まった 179か国の同意を得、この困難な課題に地球規模で協力し取組むため の青写真です。アジェンダ21では明確に「持続可能な開発は主として政府に 責任がある」とし、全世界の政府に、それぞれの「アジェンダ21」を作る義務 を課しています。 アジェンダ21の詳細な解説をする余裕はありませんが、この行動計画が私た ちに 「どんなことをしろ」と言っているのかちょっとだけ見てみましょう。 エネルギーについてです。 ・現存の動力システムをよりエネルギー効率の良いものに刷新し、太陽、風力、  水力、バイオマス、地熱、海洋、動物、人力など、新たな再利用可能なエネ  ルギー源を開発する。 ・より効率的で汚染の少ないかたちで、人々がエネルギーを利用し開発するの  を奨励する。 ・環境を破壊しないかたちでエネルギーが効率的に生産、分配されるように、  地域のエネルギー計画を調整する。 ・エネルギー、環境と経済政策を持続的なあり方に統一するための、環境アセ  スメントやその他の意思決定の方法を推進する。 ・消費者のためのエネルギー効率の表示プログラムを作る。 ・・・などなどです。イメージがわきますでしょうか?  さらに大事なのは、アジェンダ21は各国政府のみでなく、各国のすべての自 治体にその地域のためのローカルなアジェンダを作成することを義務付けてい ます。 ただ作るのでなく、地域の参加によって作ること、と定めています。ローカル アジェンダは環境の保護以上に地域の発展により深くかかわるものなのです。 発展なしに、地域の環境を守るエネルギーは出せないのです。これが、アジェ ンダ21が街づくりに大変重要であると主張する理由です。 この「ローカルアジェンダ」は日本の自治体には曲解して導入されました。 市民に「ごみをひろおう」とか「電気を節約しよう」というようなこまめな 対策を呼びかけるようなものが多いのです。それはアジェンダ21の真髄であ る「地域発展」からはかなり距離があります。 たとえば、北欧のある都市では、大きな発電所を作ることをやめ、地域の建物 すべてに断熱のための改造を施すことにより、雇用を生み出しました。さらに 、この仕事をする人と住民の交流が生まれ、地域コミュニティが強化されまし た。こういうことが、地域発展に寄与するということなのです。大事なことは このような計画を市民主体で作っていくことです。考えられる施策を列挙し、 優先順位をつけて実施する・・そのプロセスのすべてに市民が参加するのがア ジェンダ21なのです。 次回、もうすこしくわしく見ていくことにします。 以下、もう少し詳しく知りたい人のための参考WEBです。 「Agenda 21」IGC(Institute for Global Communications)のHP http://www.igc.apc.org/habitat/agenda21/index.html 「ローカルアジェンダ21」策定状況調査結果について(環境省) http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=1255 ローカルアジェンダ21策定状況及びその内容等に関する調査報告書 http://www.shonan-inet.or.jp/~gef20/gef/news/LA.html ヨハネスブルグサミット http://eco.goo.ne.jp/wssd/basic/UN_J_Summit.html 「双方向の講座にしたい」と言いながら、メールアドレスを載せていませんで した。 ご意見・ご感想・ご質問は kabu@ops.dti.ne.jp までお願いします。 お気軽にどうぞ。