かながわ新アジェンダの項目別記載内容(概要:案)                                  0.原則  私たちは、自然循環に従って生きていく。  それは、自然環境を破壊しないことはもちろん、化石燃料など地殻から掘り出した物質や、 人間が作り出した殆どの化学物質など、自然が分解できない財を使わないこと、 使うとしても極めて注意深く使うことを意味している。  自然循環にそって生きていくために、私たちは学び、話し合い、そして行動する。 1.消費 ・可能な限り、天然資源と自然エネルギーを消費する。 ・そのために、天然資源でつくられた製品を認証し、ラベリングをしてお互いに知らせる。 ・環境使用料や環境税、デポジットのようなマーケット・シグナルの利用を検討する。 2.エネルギー ・再生可能エネルギーへの切り替えを強く促進する。 ・企業は非効率的なエネルギーの使い方を目標をたてて見直す。  (特に運輸部門、オフィス部門) ・建築において、断熱等の措置を推進する。新規建造物には太陽電池の設置なども含めた 義務化も検討する。 ・消費者のためのエネルギー効率の表示プログラムを作る。 3.大気(=自動車・交通対策) ・ディーゼル車をバイオ燃料に順次切り替える。(ナタネ、タンポポ) ・公共交通利用の推進等、利便性をそこなわない自動車の利用削減を強力に推進する。 ・燃料電池車の時代になったときの交通システムを自動車メーカー等の企業と研究し、 燃料電池車の普及を促進するように交通インフラの整備を普及より若干先行させる。 4.水 ・廃棄物の流出から淡水を保護するための施策を持つ。 ・水源地域、流域地域での、地域コミュニティによる水の保護を推進する。必要であれば 財源的措置をとる。 ・公共下水汚泥からのバイオマスエネルギー回収を徹底する。 ・農業集落等、公共下水道以外の排水について、地域循環型の資源循環を推進する。 5.海洋 ・「汚染者負担」の原則を厳密に適用する。 6.土地利用 ・土地利用について、その意思決定への市民参加を保証する。 ・耕地に適した土地の転用を制限する条例を施行する。 ・牧畜や、段々畑など、土地管理における伝統的、土着的で、適切な土地利用の  経験を学び、そのような利用方法への切り替えを支援する。 7.農業と森林 ・生物多様性を利用・維持または増加させる農業、アグロフォレストリーを実践する。 ・地域コミュニティにより、火災、病虫害、不法伐採、鉱業、汚染物質から森林を守る。  必要であれば財源的措置をとる。 ・地域の食材を地域で消費するための施策を実施する。 ・地域の木材や他の林産物を使用し、森林をベースの加工業を拡大する。 ・薬草、染料、繊維、ゴム、樹脂、飼料、竹のような林産品の使用を促進する。 ・地域通貨の有効活用を検討する。 ・森林、農業廃棄物から再生可能エネルギーと原材料を供給する。 8.化学物質 ・自然分解しない化学物質を、計画的に削減すること。 ・有害な化学物質の偶発的な排出、および通常の年間排出量等につき、地域住民の 「知る権利」を認め情報公開する。国のPRTRに関わらず、企業等の個別排出量 などの情報に、リスクを有する人がアクセスできるようにする。 9.有害廃棄物の管理 ・産業界と行政は、有害廃棄物を最小限に留めるための施策を持つ。 ・有害な重金属や化学物質は、完全にリサイクルする。  たとえば水銀については、蛍光灯や電気メータの回収を徹底する。 ・有害廃棄物による汚染について生産者責任を徹底する。 10.その他 ・3Rを推進させるために、行政・NPO・市民などすべての主体が力をあわせる。 ・自然循環に合致しない経済活動への補助金を順次削減、廃止する。 ・環境教育について、充実したプログラムを持ち、実施する。 ・いわゆる「ポイ捨て」や不法投棄については、高額の罰金を課す(ドイツ型)