review : 弐瓶勉

・『BLAME!』

H.R.Giger 風の、幾何学的ながら生命感のある建物と無機質で生命感に乏しいキャラクターが独特の印象を与える。特に建物の描写は、建築を学んでいたという作者のプロフィールも納得の迫力がある。マンガの「絵」に見とれる様な経験は滅多にないが、このマンガを初めて読んだ時、主人公の視点になって建物を見渡している様な感覚をおぼえて驚いた事がある。


淡々としているが過不足の無いセリフや、意外にウェットな感覚の人物(生物?)描写も上手く、絵だけが浮き上がる事なく「マンガ」としてちゃんとストーリーを進めている点も好み。主人公の霧亥は(名前のせいもあるが)、昔のTVアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の主人公キリコを彷彿とさせる。


(2003.09.27)
10巻購入、遂に完結。謎解きしてくれると期待していた訳ではないが、ここまであっさりとは。まあじっくり読み返す楽しみが残っているという事で。10月発売予定の画集も購入予定、楽しみ。

・画集『BLAME! and so on』

2001年の『BLAME!』カレンダー(講談社)が凄く好きなのでこの画集も期待していたのだが、絵が小さくてやや期待はずれ。カレンダーがいくらだったかは忘れたが、この画集よりは価値がある。