review : 江ノ本瞳

・『スリーピングビューティークリニック』

本編だけでは単なる夢オチマンガだが、「Dancing Beauty Wedding」と「あるはずのない終章」(完全版に収録)が絶妙に補完しているおかげでポジティブな読後感。シリアスSFの『セシリアドアーズ』や『シェハキム・ゲート』の方が本来趣味に合うはずだが、この2つは以前の作品より直接的な訴えかけ(の様なもの)が増した分、切れ味を失った気がする。やはり代表作はこれか『Every Tom, Dick & Harry』 だろう。

・『Every Tom, Dick & Harry』

これがいいと言う人が多いのは分るが、人が死ななければ千華は“社会復帰”出来なかったのか、と思うとちょっと嫌な後味。渚や長瀬、宇野、誰を主人公にしてもちゃんと話になりそうなところを、千華を主人公にしたのがいかにもこの作者らしい。

・『三色菫的少年達』

コメディ系では一番好き。