とりたててずば抜けて優れた所はないが、逆に大きな欠点も無い誠実な作り。この手の学園物恒例の前半のギャグや後半のシリアスなシナリオの流れはベタでそれほど上手いと思わないが、奇をてらわない文体と適度なテンポ、及び安心感のあるシステムのおかげで、読んでいる最中に不満を感じる程ではない。ヒロイン5人のうち3人のシナリオが一応リンクしているが、控え目な分矛盾もなく上手い繋がり具合。この点はどのレビューサイトでも評価されている様だが、残りの独立系(?)シナリオ2本、特に王道の汐音シナリオに対する評価はまちまち。個人的には及第点と思うが。
システムは読み返し機能が無い以外はほぼ完璧。音楽も明るい曲はさておき、切ない感じの曲(「meek」「懐古紀行」等)はいい出来。各シナリオハッピーエンドの終了画面のCG等、細かい気配りも行き届いており、突出した点はないが総合的にみてそれなりの評点をつけたくなる作品。