コンサート感想(2004年)

平成16年 2月29日(日)

場所:
東京・千駄ヶ谷/3F・音楽室
出演:
山内房子(ソプラノ)
神坂真理子(ピアノ)
桑形亜樹子(チェンバロ)
曲目:
ヘンデル/オペラ・オラトリオ序曲及びアリア集
ニコラ・ポルポラ/オペラアリア
感想:
平成14年10月にA・スカルラッティ/二重唱カンタータ集を聴いた、山内さん、桑形さんの久しぶりのコンサート。前回同様、軽い芝居風の曲紹介(?)あり。演奏は良かったが、やはりバロックにピアノはミスマッチ。特に印象に残った曲は、ヘンデルのオペラ「ジュリアス・シーザー」から“Che sento? oh Dio!”で、イギリスだけとはいえ未だに演奏され続けるのも分かる気がした。

平成16年 3月14日(日)

場所:
東京・三鷹/武蔵野市民文化会館
出演:
スコラ・カントールム
曲目:
ラッスス /Vide homo
シャイン /Zion spricht: Der herr hat mich verlassen
シャイン /Die mit Tranen sahen
トムキンズ/Woe is me
ラムジー /How are the mighty fallen
シェーンベルク/三つの民謡
シェーンベルク/「千年が三回過ぎた」作品50A
パレストリーナ/教皇マルチェルスのミサ
感想:
曲としてはパレストリーナが印象的。平易・保守的と言われるのももっともとはいえ、世俗曲から音の面白さのみ拾った様な前半5曲と、退屈さの代名詞の様なシェーンベルクに比べれば別格。この合唱団は年1回しか演奏しない様で、次回公演は来年2月との事。その時まで東京にいられればいいが。

平成16年 4月10日(土)

場所:
東京・原宿/NHKホール
出演:
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
NHK交響楽団
曲目:
ベートーヴェン/フィデリオ序曲、ピアノ協奏曲第4番、交響曲第3番「英雄」
感想:
スクロヴァチェフスキ&N響のオール・ベートーヴェン・プログラム月間第1弾。ほぼ想像通りの出来で、個人的には「英雄」を目一杯堪能させてくれたのが嬉しい。2楽章は誰が演ってもそこそこ聴けるが、1楽章の素晴らしさはやはりスクロヴァチェフスキならでは。昨年のブルックナーの5番といい、本当に素晴らしい曲だと思わせてくれる演奏だった。

平成16年 4月16日(金)

場所:
東京・原宿/NHKホール
出演:
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
NHK交響楽団
曲目:
ベートーヴェン/コラリオン序曲、交響曲第4、7番
感想:
第2弾。普段仕事が終わる時間より相当早いとはいえ平日の仕事帰りはきつく、睡魔との戦いの2時間。1曲目は大して好きな曲ではないのでいいとして、両交響曲の後半が辛かった。交響曲はどちらも第1楽章が素晴らしい出来。曲自体としても他の楽章よりいいと思うが、これぞスクロヴァチェフスキならでは、という演奏。4番のファンとしては、7番に比べ明らかに4番の演奏のボルテージが低かった(指揮者・オーケストラとも)のは納得いかないが、7番の後に4番を演奏するわけにもいかないのだろう。来週のサントリーホールは、ヴァイオリン協奏曲や「運命」はどうでもよくて、「エグモント序曲」に大いに期待したい。

平成16年 4月21日(水)

場所:
東京・赤坂/サントリーホール
出演:
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
NHK交響楽団
曲目:
ベートーヴェン/エグモント序曲、ヴァイオリン協奏曲、交響曲第5番
感想:
第3弾。予想通り、良くも悪くもスクロヴァチェフスキらしい演奏。案の定、ヴァイオリン協奏曲や「運命」は今一つで、エグモント序曲もそこそこ。曲との相性ということか。

平成16年 4月29日(木・祝)

場所:
東京・目黒/聖アンセルモ・カトリック教会
出演:
ヴォーカル・アンサンブル・カペラ
曲目:
デュファイ、ジョスカン・デ・プレ他/15世紀の晩課の音楽

平成16年 5月30日(日)

場所:
横浜/みなとみらいホール
出演:
ガリー・ベルティーニ(指揮)
東京都交響楽団
曲目:
マーラー/交響曲第9番

平成16年 6月 6日(日)

場所:
東京・千駄ヶ谷/3F・音楽室
出演:
木島千夏(ソプラノ)
佐藤亜紀子(リュート)
曲目:
ダウランド他/リュートソング集

平成16年 6月26日(土)

場所:
埼玉・川口/リリア音楽ホール
出演:
山田康弘(指揮)
バッハ協会管弦楽団
バッハ協会合唱団
武田裕子(ソプラノ)
山下牧子(アルト)
小関奈々(アルト)
川瀬幹比虎(テノール)
森野光生(バス)
曲目:
バッハ/ブランデンブルク協奏曲第5番
 〃 /カンタータBWV121
 〃 /カンタータBWV133
 〃 /カンタータBWV151
 〃 /モテットBWV225
感想:
相変わらず山下さんが最高。探せば欠点はいくつかあるだろうが、ここ数年聴いた中で最も満足させてくれる歌い手で、安定感は抜群。小関さんには悪いが、(121、133に続いて)BVW151も山下さんに歌って欲しかった、と思った人は多かっただろう。

平成16年 9月17日(金)

場所:
東京・赤坂/サントリーホール
出演:
マリン・オルソップ(指揮)
コリン・カリー(パーカッション)
東京フィルハーモニー交響楽団
曲目:
ヴォーン・ウィリアムズ/タリスの主題による幻想曲
J・マクミラン    /打楽器協奏曲「来れ!エマニュエル」
ブラームス      /交響曲第4番
感想:
企画側の目玉はパーカッショニストだが、自分の目的はヴォーン・ウィリアムズ。実演を聴くのは2回目だが、前回(平成14年1月/大阪フィル)よりはるかにまともな演奏。クライマックスの表現がややべったりしていた気もするが、とりあえず満足。パーカッション以降は睡魔との戦いだった。

平成16年 9月28日(火)

場所:
東京・赤坂/サントリーホール
出演:
ジャン・レイサム=ケーニック(指揮)
クレメンス・ハーゲン(チェロ)
東京都交響楽団
曲目:
ヴォーン・ウィリアムズ/タリスの主題による幻想曲
エルガー       /チェロ協奏曲
クルト・ヴァイル   /小さな三文音楽
ミヨー        /バレエ音楽「屋根の上の牡牛」
感想:
個人的目玉のヴォーン・ウィリアムズは、前々回(平成14年1月/大阪フィル)同様、9人の別働隊のピッチの狂いが気にはなったが、全体としてはそこそこまとまっていて、先々週の東京フィルと甲乙つけ難い出来。ハーゲンのエルガーは特筆すべきところはないがさすがにそつない出来で、プログラム前半2曲は満足。後半2曲は個人的にはどうでもいいが、指揮者が妙に楽しげだったのが印象的。

平成16年11月 8日(月)

場所:
東京・上野/東京文化会館
出演:
ジェイムズ・デプリースト(指揮)
四方恭子(ヴァイオリン独奏)
東京都交響楽団
曲目:
ベルク /ヴァイオリン協奏曲
マーラー/交響曲第1番
感想:
指揮者が車椅子のため、演奏も晩年のチェリビダッケ風と思えてしまうのは気のせいか。ベルクはインテンポで面白い曲とは思えないが、普通の曲として弾かれても面白くない、と思うのは個人的な思い入れのせいかも知れない。とにかく眠くなる演奏だった。

平成16年11月22日(月)

場所:
東京・赤坂/サントリーホール(小ホール)
出演:
シリウス・カルテット
曲目:
ハイドン     /弦楽四重奏曲『皇帝』
ショスタコーヴィチ/弦楽四重奏曲第8番
ブラームス    /弦楽四重奏曲第2番
感想:
ハイドンとブラームスが退屈だった、というのが演奏自体の感想。演奏自体はともあれショスタコーヴィチは名曲だとあらためて思った、といのがコンサートの感想。ヴィオラの音量がやや弱いのが気になったが、これはCDのボロディン・カルテットと比べるからかも。

平成16年12月23日(木・祝)

場所:
東京・池袋/東京芸術劇場
出演:
小林研一郎(指揮)
日本フィルハーモニー交響楽団
曲目:
ベートーヴェン/交響曲第9番
感想:
CDで聴く時は1〜3楽章迄でいつも止めてしまうが、ライブでの終楽章の威力は言わずもがな。学生時代に2年間、年間チケットを買って定期公演に通った事のあるコバケン/日フィルだが、相変わらず膝がくねくね動くコバケンの指揮振りが面白い。