環境保全法第1回「ガイダンス」 
正木宏長
※今回の授業はガイダンスです
1 土地法の位置づけ 
 
・行政法の各論としての土地利用規制
→ 土地利用規制法
・民法の特別法として土地利用規制
→ 土地所有権の規制
・環境法の一分野としての土地利用規制
→ 自然公園法、自然環境保護法
 
・「環境保全法」の講義では土地法のうち、環境保全と密接な関わりがある土地利用規制の分野、すなわち土地公法に分類される分野を主として扱う
・土地法の内の都市での土地利用規制の分野は特に、「都市法」と呼ばれるジャンルを形成している
・「不動産法」のジャンルで土地法が把握されることもある
 
◎土地法の内容
 
○土地私法
 
民法
借地借家法
 
○土地公法
 
国土利用計画法
都市計画法
景観法
土地区画整理法
自然公園法
自然環境保護法
農地法
森林法
道路法
河川法
 
2 講義予定 
 
第1回 ガイダンス
第2回 土地と法
第3回 土地法の歴史
第4回 国土利用計画法
第5回 地域開発法
第6回 都市地域の法(1) − 都市計画法(総論) −
第7回 都市地域の法(2) − 都市計画法(各論) −
第8回 都市地域の法(3) − 土地区画整理、市街地再開発事業 −
第9回 景観と法
第10回 農業地域の法
第11回 森林地域の法
第12回 自然保護地域の法
第13回 河川・湖沼・海浜の法
第14回 道路の法
    ※冊子のシラバスの予定とは、2回と3回の予定が入れ替わってます
3 文献紹介 
 
※このリストは網羅的ではない。
◎「土地法」の教科書
 
田中二郎『土地法』(有斐閣、1960)
須田正勝『概説土地法』(明石書店、2004)
 
◎「土地法」の歴史
 
稲本洋之助ほか『日本の土地法 − 歴史と現状 −』(成文堂、2004)
 
◎「不動産法」の教科書
 
水本浩ほか編『不動産法制概説』(青林書院、1993)
田中実編『不動産法概説(1)』(有斐閣、第2版、1994)
荒秀=小高剛『不動産法概説(2)』(有斐閣、第4版、1997)
坂和章平『実務不動産法講義』(民事法研究会、2005)
 
◎「都市法」の教科書
 
五十嵐敬喜『都市法』(ぎょうせい、1987)
 
◎わかりやすい岩波新書
 
五十嵐敬喜=小川明雄『都市計画 − 利権の構図を超えて −』(岩波書店、1993)
五十嵐敬喜=小川明雄『都市再生を問う −建築無制限時代の到来 −』(岩波書店、2003)
 
◎環境法関係の教科書
 
畠山武道『自然保護法講義』(北海道大学図書刊行会、第2版、2004)
大塚直『環境法』(有斐閣、第2版、2006?)
 
※坂和章平『実務不動産法講義』の第一編で、土地法関係の文献が、詳しく紹介されているので、興味があればそれを参考にするとよい
 
※本格的に取り組むのであれば、六法は中型六法以上が必要
 → 小六法(有斐閣)、模範六法(三省堂)など、
 → とはいえ中型六法にも掲載されていない法律も多数扱うので、真に万全を期するなら大六法である六法全書(有斐閣)が必要
 → データベース検索を使うのも手である(下のアドレスは政府の法令データ提供システム)
http://law.e-gov.go.jp/
次回の講義は「土地と法」。須田p15〜26、47~60、138〜160の範囲