「なんでも自分でやるんだいっ!」
ん〜〜。気持ちはわかる。わかるけどね、プロの仕事とシロート細工じゃぁ歴然とした差が出るものもあるってことは知っておいたほうがいい。
その代表が塗装とシート張り。
特にシートは「この道ウン十年」って職人の世界だ。シロートがやって出来ないこたぁ無いが、その差は一目でわかる。
ここで紹介する井上内装は、たまたまウチの近所にあった店なんだが、オヤジさんはカシコキオカタの座る椅子を張ったこともあるというスゴイ人。
信じられないような値段で「もったいのぅございます〜〜〜〜〜」ってくらい丁寧な仕事をしてくれるぞ!。

WW解体屋号はリヤが上がって、ハンドルが下がって・・ともともと前のめりなポジションになっている。
そこに持ってきて、シート表皮が良く滑るんで、ど〜しても尻が前に落ちてきてしまう。
すくなくともブレーキングの時にハンドルに体重がかかってしまうような姿勢だけは取りたくない。
ってわけで、このあたりを削ってやりたいわけだ。
そんで、いつも前を通るたびに気になっていた井上内装さんに持っていった。
最初はシートだけ持っていったが、「きちんとシート合わせするから、バイクでおいで」と言われて出なおし。
そりゃ〜そ〜だよね。

で、持っていって説明すると、即座に皮をはがして、ざっくりとアンコ抜きが始まった。
おおまかに削ってからサンダーで整える。
これをシートの形がピタリと合うまで、何度もくりかえす。
シートをバイクに何度も仮組みしてライダーの納得のいく形になったら、硬質ウレタンを張って、表面を整える。

このウレタンシートを触ってみたが、薄いのにミョーに腰がある不思議なシートだった。
青くみえるのは糊。
「こないだ階段から落ちちゃって、肋骨が2本折れてんだよ。力入れるとイテェや」
と、言いながらシートを張ってくれた(^^;;

バイクのシート皮はかなり薄手の特殊なものなんだが、これは普通のシート皮でバイク用の倍以上の厚みがある。この厚いシートを複雑な形に沿って、シワひとつなく張るのはシロートにゃぁ出来ません。
タッカーで止めた後にシートの手繰りをハンダ鏝で溶着していく。
オイラ的にはなに不足ない仕上がりだったのだが、矢印のとこのチリが合わないと言って、2度もやり直してくれた。
実はここはサイドカバーの下を切ったために、元々隙間が空いていたのだが、ごらんのとおり今ではピッタリ合っている。

やっぱり年季の入った職人さんは、ぞろっぺぇな仕事が許せないんだね。いや、いい加減な改造バイクでオハズカシィ。

光のラインを見てもらえば判ると思うが、削ったところのラインには全くウネリが無い。
これが匠の技だ!

井上内装についての詳細を知りたい方は、リンクページにリンクが張ってあるのでそっちを見てね。
遠方の注文も受けているとのこと。また、シートやウレタンの素材も売ってくれる。「みんな自分でやろうとして、結局頼んでくるんだよねぇ〜」とのことだから、なんでもDIY派の人は良く考えたほうがいいぞ。


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