フロントフォークを換える時になにが良いか悩む必要は無い。付けたい物を付ければ良いだけだ。もちろん、ナニを選ぶかによってハンドリングが向上したり、最悪になったり、ほとんどポン付けだったり、付けるのにヘッドから作りなおさなきゃならなかったりする。RGV250、GSXR400R、750Rあたりが一般的。なかにはVFR400やFZR400Rのを付けてる奴もいるらしい。
フロント回りをやるわけだから、当然フロントを浮かせなきゃならない。フロントスタンドがあれば簡単だが、γに合うのが無かったし、チャンバーをハズすのはヤだったんで苦肉の策。 リヤにレーシングスタンドをかまして車体を直立させ、フレームの左右連結パイプにパンタジャッキを掛けた。ジャッキとフレームの間にはゴム板をかましてある。 一見不安定そうだが震度3の地震が来ても平気だった。 ま、あまりオススメはしないなけどね。 |
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ガンマの前脚流用の定番はGSXR400R、750R、Vガンマ250ってところ。ベアリングが共通サイズなので、比較的簡単に付く。が、問題がないわけじゃぁない。 で、ステム3兄弟である。 右からガンマ500、90GSXR400R(倒立)、同じく89(正立)。一目見てアッパーベアリング位置が違うのが判る。 このままでもGSXRのステムは付くが、アッパーベアリングは座りが悪く、ガタガタするのはアタリマエ。 これを補正するにはベアリングの座面を8mm延長したステムに打ちかえる必要がある。 |
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で、出来たステムがこれ。ふぁくひが謹製延長ステムだ。 ちゃんとベアリングも新品になっている。 ひがさん、大変お世話になりました。 また、よろしくね! もちろん簡単な図面を引けば金属加工の町工場なんかでもやってくれる。現物を見せて、「これを何ミリ延長して」ってだけでもやってくれる所もあるから、近所の工場に相談して見るのもいいかもね。 ふぁくひが謹製パーツってなに? |
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で、付けるのはこれ。90GSXR400R SPの倒立フォーク。ストローク、コンプ、リバウンドがアジャストできる優れもの。 ただ、問題は自由長が720mm弱しかないこと。ただでさえリヤホイールを4.50x17にするとチャンバーに当たるため、ケツを上げなくてはならない。余計前下がりになってしまう。 アドバンテージショーワで出しているネイキッド400用の自由長800mmが欲しいところだが、贅沢は言うまい。 延長キットを出している店もあるが、それもちょっとなぁ・・・・・ |
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ステムが出来たので早速取りつけにかかる。 アンダーブラケットのベアリングにモリブデングリスを塗る。 表面だけではなく、隙間からグリスを押しこむつもりでウリウリやる。ベアリングを回しながら隙間から覗くと、中にグリスが充填されていくのがわかるはず。 けっこう沢山入るよ。 |
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同様にアッパーベアリングにもグリスを塗る。グリスを盛付けて、掌に叩きつけると中に入っていく。 アンダー同様、グリスが中にみっちり入るまでやる。 グリスを塗ったベアリングはキレイな所に置き、砂やホコリをつけない様に気をつけること。細かな砂が着いたまま組むと、ベアリングはイッパツでオシャカになるぞ。 間違って落としたりしたら、洗浄してからやり直し (TT しかし画像が粗いなァ。 |
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ベアリングの座面もキレイにして、薄くグリスを塗ってからステムを組みつける。手前に写ってるのはアッパーブラケット。手抜きをしてメインキーがつながったままぶら下げてある。 ステムを止めるスロッテッドナットは、オーバートルクだとステムの動きが渋くなり、ベアリングにも悪い。がたつかない最低限で締めれば良いのだ。 トルクレンチが使えないのでカントルクでしめるが、一回力いっぱい締めてから90°戻したくらいにしている。 |
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ある程度締めてから、タガネをスロットに当てて、コンコン叩いて締めるという方法もあるが、スロッテッドナットレンチを使ったほうが良いのは当然。 買っても1000円しないぞ。 ナットのサイズによって、大きさが違うから注意してね。 |
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写真が下手で申し訳無い。白魚のような指がさしているところにポンチマークがあるのがわかるだろうか? フォークは丸いので、どっち向きに組もうが関係無いように思うが、走行応力の方向を考えれば、インナーチューブとメタルやシールは均一に当たっていないことが判るだろう。 だから、相対関係を常に同じにするために、倒立ならアウター、正立ならインナーのチューブにマークして、常に同じ向きになるように組んでやった方が良い。フォークをブラケットから抜く前に、判りやすいとこにポンチでマークしておこう。 ちなみにこのマークはアッパーブラケットの切れ目に合わせてある。 |
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アッパーブラケットを付けたらフォークを入れて、アッパー側で落ちない程度に留めてやる。アクスルシャフトを入れて左右の平行関係を出してから、アクスルシャフトが最もスムースにねじ込める位置にフォークが来る様に、片側のフォーク取りつけ位置を上下させながら調整する。 これによってフォークが左右均等の高さになるわけだ。 余談だが、作業中はタンクなどには布を掛けておくこと。もちろん工具で傷がついたり、溶剤などがかからない様にするためだが、こうしておくと、ちょっとした工具を置いたりする時も安心 (^^ |
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で、ノギスで左右の付きだしを測る。 左右が同じでなければ、組みつけの間違い、アクスルシャフトの曲がり、フォーク自由長さが違う、などの原因をチェックする。 今回は、右2mm、左1,95mmだった。 |
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倒立フォークの場合にはブラケットをオーバートルクで締めるとアウターチューブが歪んで作動が悪くなる。 フォークがずれない最低限の力で締めつけるわけだが、トルクレンチを使うべきだ。 ちなみにトルクは2kgf・m程度。 なぜ布が掛けてあるのにγの文字が透けて見えるんだろう?ふしぎ〜。 |
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実は、倒立はステムごとポン付けできるわけではない。 まずキーボックスを換えるために、アッパーステムを削ってキーボックスの逃げを作ってやらなきゃならない。 さらにハンドルがメーターやカウルステーと干渉するので、その辺の対策も必要。 おいらはメーターパネルをアルミ板で自作して、水温計をデジタルにして小型化。ハンドルはオートボーイオススメ某車純正流用ハンドルにして、カウルステーの取りつけにスペーサーをかまして逃げを作った。燃料計が無いのでオドメーターとリザーブタンクに頼っている。 燃料計が欲しい人は、カウルステーを切って溶接し直して逃げを作るとメーターは純正のままでOK。 |
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さらにレクチファイアもフォークに当たる。 で、これはヘッドライト下に、アッパーカウルの取りつけボルト穴を利用してつけとく。 使うのはおなじみエ〜モンのステー。 見えないところがイイカゲンってところに素人らしい謙虚さが伺えて、好感がもてる。(^^; |