Altec Lansing 405系の小部屋

2004/7/15 加筆修正
2004/7/6 加筆修正
2004/7/4 設置




ご先祖様は角フレームにメタルドームだよもん 「405A」



Altec Lansing Pro. 12cmフルレンジ   「CF404-8A」


 

 

【注】 バッフルの開口径は旧モデルの「405-8H」と同じくφ107mmでマウントできますが、

端子の位置が変更されたので少し引っかかります。切り欠きを入れた方がいいでしょう。




CF404-8A 実測T/Sパラメータ
  Sensitivity 2.83V/1m   92dB
  Free air resonance Fs   95Hz
  DC resistance   7.0Ω
  V.C.inductance 1kHz   0.62mH
  Effective cone area   66cm2
  V.C.diameter   25mm
  Moving mass incl. air   4.2g
  Vas     4.19ltrs
  Qms     3.25
  Qes     0.58
  Qts     0.49



周波数特性 (Altec純正? 30cm角・25リッター密閉箱)


 Mic : Behringer ECM8000    Pinknoise & 1/24octave PC RTA (2.83V/1m) 




はじめに

  「CF404-8A」に対する個人的な雑感

   「Altec 405」と言えば、説明の必要すらないほど有名なスピーチレンジの4.5inchフルレンジです(どんな音
   か知らない人は、「Audio Maniac 日々結線」「サウンド与太噺」あたりを読んで下さい)  歴史も大変古く、
   ファンも多く、いまさら私ごときがコメントをするのもおこがましいのですが、本家のAltecがElectro-Voiceに
   吸収されたあと、「Altec Lansing Pro」という新生ブランドとなって復活し、それに伴って、かつての定番ライ
   ンナップも一新されました。すなわち、この「CF404-8A」は、「405-8H」の後継モデルにあたります。かつて
   の旧モデルからの主な変更点は、

[1] ウレタンエッジから布エッジに改善。旧モデルより振幅が取れるようになった。

[2] 耐入力が大幅に上昇 (15W → 32W)

[3] fsが若干下がった (100Hz → 95Hz)

[4] 高域のピークが小さくなり、高域限界も延びた。15kHzまでちゃんと再生する。

[5] フレームの形・ネジ穴位置などは同じだが各所に小変更あり (塗装が艶消し黒から
  半艶黒に、フレーム支柱が4本から6本に、端子板が内側から外側に…、etc.)

[6] ガスケットが簡単に剥がせなくなった (エッジ補修が不要なので別に構わない?)

[7] コーン紙の色が濃くなり、ちょっと柔らかくなった。裏の白い印字もない。

   といったところです。特に布エッジへの変更は、ユーザーとしては非常にありがたい改良点です。なにしろ
   「405-8H」はエージングに時間のかかるドライバで、「ようやく小慣れてきたかな……?」と思った頃には、
   すでにエッジがボロボロになる寸前だったという、あまり笑えない話もあります。実際に旧モデルと比較して
   みますと、全体に造りも丁寧ですし、なにより音質がよくなっています。まるで最初からエージングが済ん
   でいるような音です。「音楽がリスナーめがけて飛んでくる(噛みついてくる?) 」というAltecのカラーはその
   ままなのですが、旧モデルとの一番の違いは、サウンドステージが一回り広くなったような印象を受けること
   でしょう。バッフル面積の小さい箱に取り付けるといっそう広大に展開し、やや内ぶりにセッティングするこ
   とで、ステレオイメージはむしろスピーカーの懐深く像を結びます。要するに、どことなく「現代スピーカー」の
   風味を感じるのですけれど、いずれにしてもスパイス程度の話で、やはり、大人しいとか格調高いとか、や
   わらかいとか暖かみがあるとか、そういう言葉とは無縁のキャラクターです。シアターサウンド直系、ハード
   & ソリッド。たまりません。
 
   一体、どうしてこんな風に聞こえるのか……、単純にレンジが広がったためなのか、布エッジの御利益か、
   コーン紙がしなやかになって歪みが減ったからか、はたまた Made in China で中国四千年の歴史パワー
   炸裂か、そのあたりはいまいち謎です。懸案の高域に関しては、先に述べたように公称値通り 15kHzまで
   しっかり伸びていますので、ツィーターなどの追加は必要ないと思います。「405-8H」は製品のバラツキが
   大きく、特に後期ロットでは5k〜6kHzあたりから急直下というとんでもない個体があり、純真なユーザーを
   大いに悩ませてきましたが、そういった心配はなさそうです。旧モデルのウレタンエッジが加水分解して
   しまい、補修する必要がある場合、自分で貼り直すならともかく、素性の怪しい業者に修理を依頼するくら
   いなら、いっそ「CF404-8A」に買い換えてしまうのも一つの手かもしれません。スペック (T/Sパラメータ)
   は概ね同じですので、旧モデルの箱を「CF404-8A」にそのまま転用することができます。




高速ダブルバスレフ 「Milestone FV2」

   どうせwebコンテンツを作るのなら、たまには訪問者の役に立つような情報を……、というわけで、当サイト
   の推奨箱 (?) の設計・測定データと板取図を掲載しておきます。作り易さ優先で設計しましたから、別段、
   技巧は凝らしていないものの、机上のPCシミュレータで試行錯誤したのではなく、実際に何十個もの箱を
   作って測定や試聴を繰り返した結果ですので、個人的におすすめの作例です。「CF404-8A」用の箱で
   すが、もちろん「405-8H」で使っても何の問題もありません。


見せびらかすほどの箱ではない ?





「Milestone FV2」 周波数特性



   ダブルバスレフといいますと、自作派の中では圧倒的に長岡式ダブルバスレフが有名ですが、上記の作例
   はご覧の通り、かなり趣きが違います。長岡式では、あまり能率の高くないフルレンジを選択し(12cmクラス
   なら88dB〜90dB前後、第一キャビより第二キャビの容積を大きく取り(およそ2〜3倍)、第一ダクトと第二ダ
   クトの距離はできるだけ離す、というのがセオリーです。この実績ある設計手法にケチをつけたくて、あえて
   逆らったわけではありません。単に、「10リッター程度の箱で、100Hz〜300Hz にかけて 92dB〜93dBの
   音圧を確保する」という目標をクリアすべく、試作箱をバンバン作って各部の寸法やらダクト位置を調整して
   いくうちに、結果としてこういう設計に落ち着いたというだけの話です。実のところ、当初は、ダブルバスレフを
   設計する気はまったくありませんでした(バスレフでいけるだろうと思っていた)
 
   さて、出来上がったものを測定・解析してみますと、等価回路からもシミュレートできる中低域の谷も小さく、
   (ダブルバスレフでは、理論的に音圧がゼロになるポイントがあり、そこから位相が回り始め、最終的に540°
   まで回転する)、また、全体にキャビ容積が小振りで、共振峰が低く、両ダクトのチューニングがfsより高めに
   設定されているため、長岡式ダブルバスレフや、高fs・高Qのドライバでダクトの共振周波数を低く取った大型
   バスレフと比較すると、かなり群遅延特性が優れています。「高速ダブルバスレフ」と呼称するゆえんです。
   この箱の場合、群遅延は100Hz付近でピークに達しますが、14ms〜17ms程度に収まります(解析値)  参考
   までに、同じドライバを使用して、30リッター程度のバスレフに入れ、ダクトの共振周波数を30Hz前後に設定
   すると平気で50msくらいまで悪化します。まあ、もっとも、100Hzで15ms遅れるのと30Hzで50ms遅れるのでは、
   どちらが音に悪影響を及ぼすのか、そこは微妙な問題なのですが……、ちなみに、大型密閉やTLSなら、fs
   付近でも、3ms〜4msほどしか遅れません。優秀ですね。そのかわり、低音はやや不足気味となります。
 
   しかし、それにしても、インピーダンス特性だけ見れば山が2つしかないので、「これは普通のバスレフと一
   緒じゃないのか?」という疑問が湧きます。私にも、正直よく分かりません。もしかするとダブルバスレフとして
   は動作していないのかもしれません。もっとも、ダブルバスレフとして動作すること自体に何のメリットもないの
   で(低音が遅れる、位相回転が激しい、中低域に谷ができやすいなど、むしろデメリットの方が多い)、目標と
   する低域特性が得られれば、別に何だって構わないわけですが、普通のバスレフと変わらないのなら、最初
   からバスレフを作ればいいだけの話で、あまり意味がありませんね。板一枚、余分な工作です。そこで、内容
   積・ダクト面積・ダクト寸法(共振周波数は100Hz)などをほぼ等しくした、普通のバスレフと特性を比較してみ
   ました。言うなれば、作例の高速ダブルバスレフから内部の仕切り板を取り除いたような箱です。


「10リッターバスレフ (ダクト面積 45cm2 x 7.5cm)」 周波数特性

 ■ 青線は「高速ダブルバスレフ」の周波数特性    ■ 赤線は「高速ダブルバスレフ」のインピーダンス特性




   ……同じではないようです。キャビ容積・ダクト面積の大きいバスレフは、往々にして中だるみの特性になりや
   すいのですが、ちょうどそんな感じになっています。ただし、高速ダブルバスレフの280Hz〜290Hzのような急峻
   な谷はありません。500Hz以下、なめらかにくぼんでいます。実際に両者の音を聴き比べると、高速ダブルバ
   スレフの方は、内部に仕切り板があるおかけで中高音の漏れがやや少なく、一方、10リッターバスレフは共振
   峰が大きいためか、少しボンつくような荒々しい印象を受けます。ダクトを短くし、面積も小さくすれば(共振周
   波数は同じとして) ボンつきは収まりますが、今度は100Hz〜400Hzが90dB前後に押さえられてしまい、低域
   がやせ気味です。こちらの方が一見フラットで優秀な特性に見えるものの、1kHzより上の帯域が93dB以上あ
   るので、相対的にハイ上がりとなります。その点、高速ダブルバスレフの方は、若干の特性の乱れに目をつ
   ぶれば、かなりしっかりと低域の量感を確保していますので帯域バランスは良好です。結局、バスレフと比較
   して、高速ダブルバスレフの特長はこの辺にあるのでしょう。
 

  実際の製作にあたって

   仕切り板と正面ダクトによってバッフルを裏から補強する構造で、それなりに無駄の少ない(?)設計になって
   いますので、一応、デッドコピー推奨です。細部の寸法を変更された場合、諸特性は保証できません。
 
   基本的にただの四角い箱ですから、製作上、特に注意するようなところもありません。簡単です。精度に定評
   のある板材カットサービスを利用すれば、初心者でも箱組みでトラブルを起こすことはないと思います。板材
   は15mmのラワン合板で十分ですが、シナ合板でもMDFでも何でも構いません。重くて頑丈な板材を使用すれ
   ば音もよくなるでしょう。接着剤は、速乾性ではない木工ボンド(コニシの「ニューCH18」など)を使って下さい。
   もちろん、最近流行のtitebondなど、海外ビルダー御用達のアイテムでもいいでしょう。私は、どちらかと言え
   ば古風な人間なので、昔ながらの「ボソ組み」「ダボ打ち」「ニカワで接着」という三拍子で攻めることが多いの
   ですが、ニカワを使うとなると卓上コンロや鍋も必要ですし、木工をしながら火を扱うので危険極まりない上、
   失敗すると取り返しがつきません。第一、木工ボンドのイモ継ぎと比べて、それほど音響的に優位性がある
   わけでもないので (早い話が自己満足の世界ですね)、各自やりやすいように、うまくやって頂ければと思い
   ます。私も試作箱を乱作する時は100%木工ボンドに頼っています。
 
   むしろ問題なのは吸音材でしょうか。平行面だらけの四角い箱なので入れた方がいいと思いますが、入れす
   ぎはよくありません。ほどほどに、個人の好みで調整してやって下さい。なお、上記の特性データは、高速ダブ
   ルバスレフ・10リッターバスレフ共に、写真や図のように吸音材を入れた状態で測定したものです。たまに

   

   勘違いする人がいるんですが、グラスウールは基本的には人体に無害です。有害なのはアスベスト(石綿、
   もといアスベストを含む昔のロックウール)で何の関係ありません。ただ、グラスウールはガラス繊維なので、
   わさるとチクチクします。それが嫌な人は、粗毛フェルトなりミクロンウールなり、他の吸音材を選ぶとよい
   でしょう。ちなみに、まったく吸音材を入れないと、下のような特性になります。


「Milestone FV2 (吸音材ゼロ)」 周波数特性






他ブランドによる高速ダブルバスレフの製作

   ありがたいことに、上の設計をもとに、同様な箱を作られたという方の報告を受けました。ここに
   リンクを張らせて頂きます。

   Mileston405B-DB (風太郎の作業室・風太郎氏より)




「CF404-8A」をいろいろな箱に入れてみる


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