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    Cat-punch 

  ■   Cat-punch , myths develop over the years
    This page is unrelated to Focal or Avalon. Nyanyanna? Nyagogoronya nan. Fuuu! Syaaa! Nyaaago. Myaaauo. Nya?
    Nyaaaauo nyanyan nyannyan myaaauo. Nyaaan? Gorororo... Nyanyaaaan?
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Handmade DVC woofer 2way 「猫パンチ」





「小さなフラグシップ機」と言ってみたかった。

カッとなってやった。今は反省している。



はじめに

  のっけから暴走してますが……、まあ、アレですわ、海外メーカーのwebデザインはオシャレで素敵よね、と。
  いかにも音がよさそうな、それっぽい空気を演出してみました。たまには茶化さず、真面目にやることもある
  んじゃないかと思わせて、残念ながらいつものノリです。アンニュ〜イ(・∀・)
 
  さて、今回はドライバの自作がテーマ。昔からのマニアなら、「ボイスコイルの一つや二つ、自分で巻け!」
  って方も多いんじゃないでしょうか? 私もそんな一人。手元にボビンがあって、髪の毛みたいな銅線もある。
  巻きますか? そりゃあ、巻きますとも。巻かいでか! とにかく巻く。泣いても巻く。「ダメえ! やめてえ!」
  とか言われても「ここか? こうしたらええのんか?」と言いながら巻き続ける。すでに巻いてあれば、巻いた
  コイルをほどいてから、再びグルグル巻くほどの勢いですよ?
 
  詳細は後述するとして、もともとの動機は、ダブルボイスコイルでLow-Qな小口径ウーハが欲しかったって
  だけなんです。コイルがダブルで、巻く楽しさも2倍? ……いや、そういうことじゃなく、市場にそんなドライバ
  が見当たらなかった、というだけの話でして。今だったら、Audienceの「A3」のDVCモデルあたりを買っていた
  かもしれません。ただ、あれは今回の目的には少し使いづらいんですよね……。結局のところ、ドライバ選び
  というものは、まず先に「欲しいスピーカー(もとい音のコンセプト)」があって、そのあと、候補の中からベストを
  選択する。これが正しい登山ルートです。いきなりドライバを手に入れて、それからスピーカーを設計するって
  のは順序が逆。私にしても、「小さくてワイドレンジなスピーカーを完成させる」という、長年かかげた目標が
  あればこそ、今回みたいにドライバの自作などという暴挙に出たわけで、決して断じて、ただ単に作りたかった
  だけなんてことは……ひたすらコイルを巻きたかっただなんて……そんなバカなこと……変態じゃあるまいし
  ……うん。もういいです。本人も、うすうす気づいてますから。だから好きにする。てか、好きにしました。
 
  一心不乱に巻いて巻いて。

  途中で写真取るのを忘れてた……
ゆえに、いきなりドライバが完成しちゃったよの巻






アルミダイキャストのメインフレームに、ステンレスのサブフレームが組み合わさる構造で、バッフルも兼ねている。
  言うまでもなく、金属加工部品はすべて外注。広島の永井鉄工所さんには大変お世話になりました。
  コンマミリ単位で無茶な要求してすいません(・∀・) しかし、さすがはプロのお仕事。完璧!



本番前に振動板(予備)とボビン(失敗作)の接着を練習したもの。つまり、これはゴミ。実際にはこういう手順では作らない。 
エポキシ接着は慣れてるから簡単なんだが……、うーん、デービーボンドって、キレイに塗るの難しいっスね。


  ■ T/Sパラメータからは分からない「音離れのよい」スピーカーの謎
  写真の紹介だけですと、単なる「手先器用自慢大会」にすぎませんので、いつものようにデータやら数式やら
  出して屁理屈をこねだす前に、ちょっと脱線してオーディオ・マニア的な話をしようと思います(前置き長い?)
  「音を調べるために、アホみたいに高い測定機を買って分かったことが一つある。それは、測定機では何も
  分からないということだった」……こんな名言があるほどに、音質の良し悪しというものは、確かにドライバの
  物理特性だけじゃ決まらないのは事実。マニアがよく口にする、「音離れ」なんかは、その最たるものでしょう。
  曰く、能率の高いフルレンジは音離れがいいだの、過渡特性が優れたウーハは音離れがいいだの、タイム
  アライメントを取らずに位相合成に失敗したツィータは音離れが悪いだの、なんだかんだと通説があります。
  それを否定するつもりはないですし、そういったことはメーカーが出しているデータシートや、設計の段階でも
  十分予想できます。ところが、実際に現物を聴くと、ありゃ? 期待したほどじゃなかった……。そんな経験は
  誰しもあるはず。私だって、例外ではありません。
 
  「音離れ」という、あいまいな言葉の意味を定義するのは実は簡単で、たくさんスピーカーが置いてある部屋で
  一組のスピーカーを鳴らして、どのスピーカーが鳴っているか分からなくなるもの……これが「音離れのよい」
  スピーカーでしょう。これを単体で鳴らすと、まるでスピーカーが消えたように感じる。大型・小型は無関係に、
  音離れの悪いスピーカーは、決まってキャビの周囲に音がまとわりついて離れてくれません。 もちろん、それ
  だけが音質を左右する要素ではありませんが、やはり、よいに越したことはない。なにより、これはヘッドホン
  では絶対に味わえない、スピーカーならではの醍醐味ですしね。この「音離れ」という要素を、音を聴かずに
  なんとか見抜く方法はないものか……? 誰だって、高い買い物をして、ガッカリしたくはないですから。ただ、
  どうやらこれは、各メーカーの「音作りのノウハウ」に属する話のようで、スピーカーの教科書を開いてみても、
  明快な答えは書いてないのです。しかし、私はドライバの改造や自作をするようになってから、音離れのよい
  スピーカーには、その構造・メカニカルな部分に、いくつかの共通点があることに気づきました。従って、以下
  の話は、私の完全な「経験則」です。ひょっとしたら理論的に間違ったことを書いているかもしれないし、例外
  もあると思います。それでも、この先、私のようにドライバを自作したり、ドライバそのものを作らないまでも、
  スピーカーを設計する段階で、ドライバ選びの一助にはなるかもしれません。整理して書いてみます。

  [1] 振動板は軽い方がいいみたい
  「なにを今さら当たり前のことを……」という声が聞こえてきそうですが、ここで言う振動板の軽さというのは、
  振動系質量(Mms・m0)のことではありません。あくまで「コーン紙」(紙じゃないのもあるけど)単体の話です。
  つまり、T/Sパラメータで言うMmsは、コーン紙、ボイスコイル、エッジやダンパーの一部、そしてコーン紙の
  上にのっかっている空気の重量を全部ひっくるめた重さであって、コーンの重さだけをグラム表示している
  わけではない。ドライバのQ、Mmsが同じであれば、再生周波数レンジは大体似たような感じになりますが、
  音離れのよさは、どうやらそれだけじゃ決まらないようです。フルレンジ党の人には、にわかに信じがたい
  かもしれませんけれど、世の中には、データシート上のMmsは重いくせに、並のフルレンジより音離れの
  よいウーハが存在するんです。同口径なら、たいていのウーハは、フルレンジよりボビンの径は大きいし、
  ボイスコイルの線も太く、巻き数も多いので、どうしたってMmsは重くなります。能率も悪くなる。それなのに
  逆転現象が起きてしまうという。昔のJBLのウーハに、どういうわけかボビンにウエイト(おもり)がくっついて
  いるものがあり、「なんじゃこりゃ? こんな変なもんつけるくらいなら、コーン紙を厚くして剛性を上げるとか
  すりゃいいのに……、ははあ、さては磁気回路が強すぎてハイ上がりになったもんだから、再生バランスを
  取るために、あとから修正しやがったな?」と、浅はかなシロウトの邪推を炸裂させたりしましたが、そんな
  単純な話ではないようです。なにか「秘密」がある。やはり天才・ランシングの血統はあなどれぬ……

  [2] ボビンは短い方がいいらしい
  これは[1]の条件と少し矛盾します。ボビンが重くてかまわないのなら、長くてもいいんじゃないの? 長いと
  当然、重くなりますから。そう思って、似た条件のドライバを用意して、ボビンが長い奴と短い奴を比べると、
  かなりはっきりとした違いが聴き取れます。断然、短い方が音離れがいい。近年のドライバは、フルレンジに
  してもウーハにしても、ドライバの表にコイルの引き出し線を出すのを嫌って(これは高調波歪率と連動する)
  ボビンを少し長めに作り、そこから錦糸線につないでいるものが多い。その方が、見てくれもいいですしね。
  ところが、不細工かもしれないけれど、音離れという点だけで見ると、ボビンの長さを極力切り詰めて、コーン
  の表に引き出し線をはわせ、コーン紙を貫通して錦糸線につないでいるドライバの方が、圧倒的に音離れが
  いいんです。デザインを重視すれば、なんとか裏側で錦糸線をつなぎたいところですが、それだとコーン紙や
  ダンパーと錦糸線が接触してしまう。ちょっと解決策が見当たりません。

      
近代的なドライバの一例。TB W4-1337SD。この部分を切り詰めて、裏で錦糸線をつなげる方法があれば最高だと思うが…… 

  [3] ボビンの一番端とコーンを接着してはいけない
  言っている意味が分からない? では、記事の上の方で、私が自作したドライバのコーン紙とボイスコイルの
  写真を見て下さい(練習時のゴミとか書いてある写真)  なかなか綺麗に巻けてるでしょう、エヘヘ……違う!
  そうじゃなくて、コーンの接着部分にご注目。ボビンが、ほんの数ミリほどコーン紙から突き出てますよね?
  つまり、ボビンの一番端ではなく、少し下がった位置でコーンと接着してある。実はこれ、意味があるんです。
  この数ミリ、これが出ているか出ていないか、たったこれだけの違いで「音離れ」が決まってしまう。ええ〜? 
  マジで〜? ここまでくると、なんだか話が眉ツバって言うか、どうにもオカルトめいてきますが、このことに
  気づいた時は、正直、ガク然としました。作った本人が、一番意味が分からない。なんでだ〜???

         
図で言うところの赤○の部分。コーンやボビンの素材以前に、ここが味の決め手? 

  ……で、世の中を見渡すと、市販されているドライバの、パラボラ型(逆ドーム型)のコーンのドライバには、
  音離れのよいものが確かに少ない。要するに、コーンの裏側にボビンの端っこをチョンと接着してあるタイプ。
  これは「パラボラ型はアカン!」と言ってるわけじゃないんですよ。コーンの形状や、コーン紙とボビンの接着
  する角度(頂角)は、高域の周波数特性を決める重要なファクターだったりするんですが(PCシミュレータで
  予測できる)、そういうこっちゃない。あるいは接着部分の強度が足りないのかと、その手のドライバの裏側
  をエポキシで補強してみたけど無駄。まさかと思って、一度コーンとボビンを切り離し、コーンにボビンと同径
  の風穴を開け、コーンを貫通させてボビンを数ミリ突き出し、再接着させたものを試聴してみると……なんと
  まあ、音離れがよくなるじゃないですか。ホントに不思議です。市販されているドライバの中には、パラボラ型
  なのにコーン紙をぶち抜き、わざわざボビンを表面まで突出させ、それから逆ドーム型のセンターキャップを
  接着してあるウーハがありまして、「おいおい、なんでこんな面倒なことするんだよ? 無意味じゃん……?」
  と首をかしげたものですが、どうやらこのあたりにも、奥深いノウハウがありそうです。

      
別にこの子たちが「アヒルの子です!」と言っているわけではないので。念のため。  
  しかし、この3本を並べると、一体、誰が暴行殺害の犠牲者になったのか丸分かりという……南無。

  普通のドライバは、センターキャップで隠されているせいで、ボビンが突き出しているかどうかは見えません。
  でも、フェイズ・プラグのタイプなら、外見から判断がつきます。そう言えば、音離れのいいAltec 405-8Hや、
  エルシー電機のLC-12S、新しいところだと、Mark AudioのAlpairシリーズなども、センターキャップが単純な
  ドーム形状ではなく、ボビンが数ミリ突き出たような、おなべのフタみたいな変な型をしてますね……、高域を
  スムーズで綺麗な特性にしたいなら、ごく普通のドーム型のセンターキャップの方がいいのに。きっとあれも、

      

  理由があるんだと思います。ただ、この「数ミリ」ってのが、はたしてどのくらいの長さがベストなのか、私も
  把握しておりません。ぶっちゃけ、「勘」です。[2]の条件も含めて考えると、最適解がありそうな気はします。
  ボビンの突き出しが長すぎてもいけないらしく、センターキャップがない状態で5mmも出してしまうと、周波数
  特性に大きく乱れが出ますし(まあ、これは分かる)、なにより、逆に音離れが悪くなります。じゃあ、センター
  キャップでフタをしてしまえばどうなんだ? あるいはボビンをもっと長くして、裏からキャップに接着したら?
  そう考えて試してみると、キャップのおかげで高域の特性は綺麗になるものの、音離れは悪いまんまです。
  キャップの下でボビンが突き出ていようが出ていまいが、そんなことで音が変化する理屈が分からん……。
  センターキャップの有無に関しては、メカニカル2wayとのからみもありますし、これも結論は出ていませんが、
  いずれにせよ、スピーカー職人への道はまだまだ遠いようです。
 
  ■ そして楽しい余談は終わり、退屈なウンチクがはじまった

自作8cmDVCウーハの実測T/Sパラメータ
  Sensitivity 2.83V/1m   82dB
  Free air resonance Fs   65Hz
  DC resistance   11.5Ω (2nd V.C. 3.3Ω)
  Maximum inpedance   70Ω
  V.C.inductance 1kHz   0.7mH
  Effective cone area   31cm2
  Force Factor BL   5.5 N/A
  Moving mass incl. air   3.8g
  V.C.diameter   20mm
  V.C.height   11mm (2nd V.C. 2mm)
  Air gap height   5mm
  Linear excursion Xmax   ±3mm (2nd V.C. ±1.5mm)
  Mechanical excursion     ±8mm
  Vas     2.0 ltrs
  Qms     3.2
  Qes     0.58
  Qts     0.49
  Magnet material     N45SH + N48 neodymium
  ギャップはオーバーハングとアンダーハングのハイブリッド仕様。一応、これは意図的なもの。
  設計段階ではQts=0.4ぐらいを狙っていたのだが、ギャップの鉄(S45C)が飽和してこれ以上は下がらない。
  磁界シミュレータでの素材設定に問題があったらしい。素人は何も考えずにパーメンジュール使えってことか。そうか。
  フロントプレートの外周部が左右二分割できるように(磁力調整用)していたのに、意味がなかった……orz

  T/Sパラメータだけを出されても、自作経験の浅い人だと、今ひとつドライバのスペックがピンとこないかも
  しれません。しかもネオジウムを使ったDVC(ダブルボイスコイル)なので、余計に判断がつきにくいでしょう。
  これが一体どれほどバカげたドライバか、できるだけ分かりやすく書きますと……

   ・磁気回路の強力さは、25cm〜30cm口径クラスの駆動力。
   ・振動系は10cmフルレンジ程度の重さ。振動板「だけ」の重さなら、8cmフルレンジ並み。
   ・fsは、10cmウーハ〜12フルレンジ並みの低さ。

  日本の自作界で、超強力型のドライバと言えばFostexが代名詞だと思いますが、それで例えると、20cmの
  限定ユニットすら問題にならない強さだと言うことです(パラ駆動した時のBL積で換算)  これがフェライト
  では、φ30cm x 2cmの3段重ねにしても足りません。この磁気回路をプレートのサイズに見合ったフレーム
  につけて、10cmの振動系を搭載すれば(実はボビン径が同じなのでFE108EΣと交換可能)、ギャップ幅が
  そのままでも、100dBオーバー・Q=0.1以下のウルトラ・オーバーダンピングとなり、「バックロード命」な人が
  泣いて喜びそうなドライバになっちゃうわけです。逆に言えば、DVCで超強力型を作ろうとすると、こんなにも
  物量を必要としますよ、ってことでして。普通のシングル・コイルなら、Audienceの「A3」ぐらいの磁気回路で
  十分なんですけど……(あれはシングルで使うと磁気回路はメチャ弱い)  ネオジウムもN30〜N35あたりは
  安いんですが、今回使ってるN48クラスだと、磁石だけで4〜5万円はします。そら、市販されないわけだ……、
  「8cm限定ユニット! 1本20万円!」なんて、誰も買わんだろうしなあ……








自作ドライバのすっぴん特性。■黄色の線は2ndコイルを同時に使った場合です。
  バッフルステップと、Qの低さによる低域の落ち込み分を、アンバランス型(12Ω:3Ω)のDVCによって補償。
  なお、メーカー(三菱)の古い技術資料によれば、「DVCは、コイル線径が同じなら、巻線比は2:1がよい」らしい。
  1.5k〜3.5kHzにかけてのド派手なピークは、幅の広いゴムロールエッジの影響みたいです。
  自分で作るとよく分かるが、これが出ないAURAのNS3-193は、エラいと思う。



4波バースト(200Hz)の参考比較

FE83E 1.5リッター密閉(Q=1.1)




TB W3-926SC 1.5リッター密閉(Q=0.8)




自作8cmDVCウーハ 1.5リッター密閉(Q=0.6)


それぞれfsが違うので並列に語ることはできないが、とりあえず測るだけ測ってみた。
  いくら振動系の軽いフルレンジでも、Qが高いとトランジェント(音の立ち上がり・立ち下がり)はこんなもの。
  自作8cmDVCのQ上昇が小さいのは、タンデム駆動と同じ理屈。駆動系1つに対し、Mmsは1/2とみるのが正しい。
  自作ドライバが格別に優れているという感じはしない。でも、悪くもないと思う。並……かな?

  ネットの世界でも、たま〜にドライバの自作記事を見かけたりしますが(海外では意外とある)、さすがにダブ
  ルボイスコイルの作例は見たことがないので、その点では希少かもしれません。もっとも、作り方を解説して
  いるわけではないので、何の役にも立たないでしょうが……。磁界シミュレータとか、紹介するべき?
 
  出来あがったドライバの特徴を順に挙げていきますと、硬いペーパーコーン(これは単なる私の好み)、大型
  ゴムエッジ、ふにゃふにゃの不織布ダンパー。3inchクラスの小口径ですがフルレンジではなく、低fs・ハイコン
  プライアンス・高駆動力(BL積)のロングストロークタイプのウーハです。Mmsを軽くして(コイルがかなり重くな
  るのでこれが限界だった)低fsを実現するため、支持系を思いっきり柔らかくしてます。方針としては、fs(60〜
  70Hz)あたりで6〜8畳間を鳴らしきる「92〜93dB」程度のPeak SPL(最大音圧)が達成できるようにしました。
  奇妙なようですが、ドライバの設計というものは、まず「欲しい音圧を決定する」ことから始めるのが常道なの
  です。そうすることで、振動板のサイズに応じて、必要となる物理的な振幅限界が決まり、(8cm口径で60Hz・
  92dBなら約13mm)それから細部の構造を詰めていくことになります。
 
  ショートリングやTポールなどの高等ギミックは仕込んでません。プレートがφ90mmもある磁気回路のせいで、
  メインフレームだけだと表から箱にマウントできないアホな形状になっていますが、作り手が病的オーバーダ
  ンピング志向なので仕方ないですね、わはは……じゃなくて、DVCのドライバというのは、巻線の厚みが単純
  計算で2倍になるので、どうしてもギャップの幅を広く取る必要があります。磁力は距離の2乗に反比例する
  ため、たとえばギャップ幅を1mmから2mmに広げて、もとのQesやBL積を維持しようとすれば、4倍(多少なり
  ロスがあるので実際にはもっと)強い磁気回路が必要となるのです。六本木工学さんで扱っているAURAMの
  ドライバデータを比較すると分かりやすいかと(AC-180F1AC-180F1D)  昔からマニアの間では、「DVC
  のウーハは(シングルのウーハより)音が悪い」と言われて敬遠されてきました。低域の補償に関して言えば、
  ダブルの方が間違いなく有利なのに、それでも主流になれなかったのは、やはり理由があるわけでして。
 
  今回のドライバ自作により、シングルと同等なBL積を持つ、超強力型のダブルボイスコイルなら、同じ土俵で
  戦えると確信しました(あくまで「対等」というだけ。上回るためには絶望的に困難なほどの物量投下が必要)
  ともあれ、これでようやく箱の製作に入ることができます。




せまい箱の中で、さらに四苦八苦するということ


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