第10回FIFAワールドユース選手権 

  ナイジェリア 1999 1999年4月3日〜24日

 

 U−20最後の舞台。ワールドユース。

 ナイジェリア。日本から遙か遠いその地で彼らがどんな姿を見せてくれるのか・・・。

【1999年4月5日 カメルーン戦 1−2(得点:高原)】

 トルシエ監督に代わってから初めて目にした試合。前半を終えての感想は「福島通り・・・・」でした。ずっとこのチームを応援し続けて来た友人達と6人でホテルを取って観戦。全員が「トルシエがやりたかったのはこれだったのか・・・」と呟きました。彼らが前半展開した攻撃の組立はあの福島で何度も何度も何度も練習した形。それを見事に本番で発揮していました。タカのゴール!!絶叫でした!嬉しかった!タカの試合でのゴールを見たのはいつ以来?(アジアユースの準決勝でサウジ相手にハットトリックして以来か・・・)とか考えてしまうくらい。(^^;(ブルキナ遠征での得点はニュースでちらりと見ただけだったし)後半逆転され敗戦してしまいましたが、「まだまだ」という気持ちでした。・・・でも、「日本ダメ」みたいな記事や論調が出たのには憤慨。「冗談じゃない」と内心思っていました。このチームが予選で負けるはずがない!と。しかし、イナ・・・。間に合わなかった。残念。

【1999年4月8日 アメリカ戦 3−1(得点:オウンゴール、高原、小笠原)】

 絶対に落としたくない試合でした。ここで負けたら1次リーグ敗退が濃厚。負ける分けない!という気持ちでTV観戦。しかしいきなりオウンゴールということでかなり楽になりました。アメリカはカメルーン程の身体能力がない代わりに全体的に良いサッカーをしていました。しかし、日本の方が上でした。1戦目に続くタカのゴール!!リプレイがかかっている間に点が入っていましたが(^^;本当に嬉しかった!!FWは点を取ってなんぼ。という宿命を持っている分、結果を残してくれるタカを素直に褒めちぎりたかった。でもあんまり言うと「甘い」とみんなに言われそうなので「小褒め」くらいで我慢していました(^^;

【1999年4月11日 イングランド戦 2−0(得点:石川、小野)】

 緊張と言う意味ではアメリカ戦よりも上でした。グループリーグ突破がかかった大事な試合。しかし、開始しばらくして日本の方が技術で上回っていると判明してから「勝てるか・・・」と思いました。石川くんのフリーキック。見事でした。石川くんの福島最終合宿でのゴタゴタを見てきただけに(一度落とされてたし・・・・)本当に嬉しかった。石川くんのあんな笑顔を見たのは初めてでした。伸二のゴールも嬉しかった。緒戦から伸二の調子についても色々言われていたので、「見たか!」というループ。良かった。伸二の笑顔がようやく見られました。

→→→グループリーグ1位突破。ここから先は負けたら最後の決勝リーグ。1試合でも多くこのチームを見ていたいと心底願いました。

【1999年4月15日 ポルトガル戦 1−1(得点:遠藤)PK(小野○、中田○、本山○、高原○、酒井○)】

 前半、明らかにグループリーグの相手とは違いました。巧さも強さもある。しかし、タカをはじめどの選手も良い動きでした。遠藤のゴールなんて稲本のおかぶを奪うくらにのナイスゴール。これは・・・・。と思っていた時、タカと相手ゴールキーパーが接触しました。この時私は素直にタカの積極的なプレーが良かったと思いました。相手GKの退場ということにはなってしまったけれど、タカのボールへの執念とガッツが最も見られた場面でした。相手が10人になってからは本当にハラハラしどうし・・・・。何度ももうTVが見れない・・・・とか思った。延長戦前は選手達のように友人達で円陣を組んで気合いを入れてみたり(^^;PK前はTVの前から逃げ出したかった。でも見届けなければという気持ちでTVの前に立ってまた友人達で怪しい念波を送ってました。ポルトガルの時は「外せ〜ッ」と念じて、日本の時は「入れ〜っ」と(^^;1人目が一番緊張するでしょうが伸二のゴールは落ち着いてました。続く浩二、モトと決めて、続くポルトガルの4人目を雄太が見事にセーブ!!!「よっしゃ!!!!」と思った次がタカ!!!今だから言うと、この時一瞬私の脳裏にプレシーズンでPKを外したことが浮かんでました・・・。でもそのことを口にしたら本当に外してしまうような気がして必死で黙って見ていました。そして見事なゴール!!一番豪快PKだった!!そして酒井!決めるとこ決めますね!!!さすが!ポルトガル戦は一番しんどい試合でした。終わった後はみんな号泣でした。これでベスト8。前回チームと同じ所まで来ました。

【1999年4月18日 メキシコ戦 2−0(得点:本山、小野)】

 この辺になってくると深夜放送の辛さがだんだん肉体的に出てきました・・・・。睡眠不足が一番こたえる・・・。歳か・・・(^^;しかし勝ち続けていることの嬉しさが精神的な支えになってました。待ちに待ったモトのゴール!酒井のセンタリングも素晴らしかった。そして続く伸二のゴール!今大会一番充実した試合でした。心底ナイジェリアでこの目で見たかったと思った。みんなで「どうして私たちは日本にいるんだろう・・・」と悔しく呟きました。試合後にナイジェリアの観衆が降りてきたのには驚いたけれど(あの中の一人になりたかった・・・)、祝福してくれて「ありがとう」という気分でした。ベスト4!!!誰も踏み入れたことのない戦いへと挑むことになりました!!

【1999年4月21日 ウルグアイ戦 2−1(得点:高原、永井)】

 ここまで来たらもう勝っても負けてもいい。ただ良い試合をして欲しい。ただそれだけを願っていました。しかし、前半は本当に良い展開だった。左にいたと思ったモトが右にひょっこり現れた時は「うわ、なんでこんな所にモトがっっっ!」と楽しくて仕方なかった。伸二とモトのコンビはいつみてもワクワクします。そしてタカのゴール!モトのドリブル突破も良かったけれど、タカのゴールも良かった(^^)そしてそして雄一郎のゴール!肩の荷が下りたというのはまさにこのことでしょう。タカが好調だっただけに辛かっただろうと思います。結果を出せて良かった。後半モトを下げてから劣勢に追い込まれましたが、前半3バックを破られる場面もあったので、このままではもたないかもと思っていました。4バックにした時も「仕方ないか・・・」と思いました。結構「どうして4バックにしたのか?」などと言われていたようですが、もともとこのチームはアジアユースまでずっーと4バックでやってきていたので特に出来ないとは思いませんでした。稲本をすぐに下げて結局5バックになったようですが、それはそれで彼らの成長の跡だと思います。しかし・・・・!!!伸二が痛恨にイエロー2枚目!!!あまりのショックに号泣。するとみんなに「まだ試合は終わってないよ!!」と怒鳴られました。それにしても長いロスタイムだった・・・・・・。4分じゃなかったの??もう1試合分くらいに感じました・・・。「早く終わってーーーーーっっ」と絶叫!!そして試合終了の瞬間は真夜中のホテルの一室から女の子(?子って歳でもないか・・・あ、みんなごめん(^^;)6人の大号泣が響き渡りました。

 決勝です。会社に出かけるまでお酒をみんなで飲みました。泣いてました。嬉しさと悲しさでいっぱいでした。伸二にも決勝で戦わせてあげたかった・・・・。

【1999年4月24日 スペイン戦 0−4 】 

 嬉しい期待と緊張感です。今まで誰も味わった事のない「決勝」という舞台でU−20が最後の戦いを挑みます。伸二の代わりのキャプテンはタカでした。タカのキャプテンは大宮以来に見ました。(タイ合宿でもキャプテンでしたが)誰もが良い表情をしていました。最後の戦いが始まりました。1失点目はあっけなく。5ステップ????という感じでした。モトが倒された時も「PKじゃないの??」という気分。浮足だっている間にどんどん失点してしまったようでした。前半終了で3−0。スペイン巧い。ただただその力に魅入られました。以前に何かの雑誌でモトが「しびれるような相手と戦いたい」と言っていたことがありましたが、これが「しびれるような相手」なのかもしれないと思いました。後半はタカが交代して、稲本がキャプテンとして奮闘!!ようやくこれぞイナ!というプレーが見れて嬉しかった。もっと失点するかと思ったけれど、4失点で踏みとどまったのは稲本のがんばりもあったでしょう。でも最後まで誰もが諦めていませんでした。モトも満男もヤットも酒井もツジも浩二もテッシーも雄一郎も高田も氏もバンも。みんなが最後まで戦おうとしていました。そして試合終了。毎試合あれだけ泣いていた私たちの中で誰も泣いている人はいませんでした。みんな笑顔でした。ここまで戦ったU−20に笑顔で拍手を送りました。

FIFA World Youth 

    Championship

    Nigeria1999 

 U−20日本代表 準優勝

 U−20。試合の度にどんどん強くなって行きました。こんなに楽しませてくれて本当にありがとう。このチームを見ているだけでいつもワクワクする気持ちになりました。

 U−20。彼らのサッカー人生は始まったばかりです。まだまだ長い道のりがそれぞれに待っています。Jでオリンピックでそして2002年に2006年に。活躍する姿を楽しみにしています。

 タカ。アジアユースの時に比べて全てが成長していました。ひたむきな努力。全てはその成果だと思います。私の中のMVPはタカです。まだまだ、活躍する姿を見せて欲しい。そしていつか海外で活躍するときは一番に応援に行きたいと思います。

  成田へ出迎えに行ってきました。どうしても拍手で迎えたかったので。

  この成田でU−20は解散しました。

  U−20。本当にありがとう。最高に良いチームでした。そしてお疲れさまでした

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