ロッキード P-38 ライトニング(アメリカ)


P-38J

全幅:15.9m 全長:11.6m 総重量:9,806Kg 最大速度:666km/h
発動機:アリソン V-1710-91 1,425馬力×2 航続距離:3,600km
武装:20mm機関砲×1・12.7mm機銃×4 爆弾:1,450kg 乗員:1名
初飛行:1939年

”ライトニング機を操縦していると、自分が移動しているというより、 あらゆる場所が同時にやって来るという感じなんだ。 フランス上空でニューヨークから来た酸素を吸っているんだからね。” (サン=テグジュペリ)

いまでは作家として有名なサン=テグジュペリの本業は、飛行士でした。 まだ飛行機が高く速く飛べなかった時代、 サハラの熱砂やアンデスの乱気流のなかを翔破しながら、 航空郵便の空路開拓に携わっていたのです。 やがて第2次世界大戦が勃発。フランスはドイツ軍に占領されました。 サン=テグジュペリは志願して従軍。 自由フランス軍の偵察機パイロットとして 偵察用に改造したP-38ライトニングを操縦しました。

戦争によって飛躍的に進歩を遂げた飛行機は、力強く成長していました。 しかし彼が知る飛行機とは何か異質なものに育ったようです。 高空1万メートルのかなた、流星のような高速でフランス上空を通るとき、 彼は何を想ったでしょうか。

1944年7月31日、サン=テグジュペリは偵察飛行のため P-38ライトニングでコルシカ島の基地を離陸。 そのまま地中海上空で姿を消しました。 サン=テグジュペリの謎めいた消滅は、 彼自身の傑作「星の王子さま」の終章と共に、 人々の心の中に一つの小さな伝説を生みました。 彼も星へ還ったのだと。

(模型:1/72 P-38J ドラゴン 製作:菊地秀之)

模型と背景はCG合成です。

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Hideyuki Kikuchi (gotha@ops.dti.ne.jp)