三菱 雁型通信連絡機「神風」号(朝日新聞社)
東京−ロンドン(15,000km)94時間 1937年 |
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発動機:中島 ハ-8 94式 550馬力 航続距離:2,400km 乗員:2名
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東京−ロンドン1万5千キロを94時間で翔破!
当時としては抜群の好タイムで、みごと都市間長距離飛行の世界記録を樹立した飛行機です。
1937年4月6日、神風号は東京を出発、台北、ハノイ、ビエンチャン、カルカッタ、ショートブール、カラチ、バスラ、バグダッド、アテネ、ローマ、パリを経由し、
10日にはロンドンに到着しました。船便なら2ヶ月以上かかるコースを、神風号は4日に短縮したのです。 この冒険飛行を企画・推進したのは朝日新聞社。 当時の有力新聞社は、飛行機で記者や原稿を素早く運ぶだけでなく、 大いに話題性のある冒険飛行を報道することで、購読者の増加を狙っていました。 さらに陸軍からは試作中の偵察機が提供されました。 こちらは成功すれば国威を高め、陸軍自身の権威を高めるメリットがあったのです。 飛行士には逓信省の委託操縦生として陸軍飛行学校で学んだ朝日新聞社員が起用されました。 軍官産一体となって記録飛行に挑戦した経緯は、戦前の民間航空界の内情をよく示しています。 その年の7月に日中戦争が勃発。神風号も飛行士ごと陸軍に徴収され、中国大陸で軍務に就きました。
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模型と背景はCG合成です。 Hideyuki Kikuchi (gotha@ops.dti.ne.jp)
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