≪「合意不在」のもとに進む、法制化による「日の丸・君が代」の強制と国民を監視・統制する「盗聴法」に強く反対します!−「かごしま平和ネットワーク」緊急アピール≫

内閣総理大臣 小渕恵三殿

 「日の丸・君が代」を国旗・国歌とする法案が、国民の「合意の不在」のもと衆参両院で強行採決されました。これほど、国民と政治・国会がかけ離れた法案の成立があったでしょうか。そして、盗聴法など組織犯罪対策三法案が、今国会で「自自公」の数を頼んでの強行採決へまっしぐらに突き進んでいます。今国会は、まともな審議をしないまま一連の悪法を一挙に成立させたという点で、まさに歴史に名を残すにちがいありません。

 これまで、政府・文部省は、学習指導要領を根拠に学校現場での「日の丸・君が代」の定着を強要してきました。かつてもまず最初に教育の現場から始まりました。天皇の国として、「日の丸・君が代」のもと近隣諸国へ侵略していった歴史を私たちは持っています。時とともに、こうした歴史の真実から目をそむけ、戦後責任・戦後補償に対する近隣諸国民からの声にも耳を傾けようとしない動きがでてきています。教育現場に混乱を持ち込んだのはいったい誰だったのでしょうか。法制化はその混乱を本当になくすことになるのでしょうか。「指導」という名の「強制」がまかりとおり、かえって混乱を深めることになるのではないでしょうか。子どもたちの内心の自由は保障すると言いながら、教職員には職務命令違反で対処するという、いつから政府は憲法や教育基本法を超えた存在になったのでしょうか。そして、新ガイドライン関連法は、日米安保条約ですらこれまで乗り越えなかった集団的自衛権の壁を「後方支援」の名のもとに、いとも簡単に乗り越えてしまいました。わたしたちは、今後、単に戦争に消極的にまきこまれるばかりでなく、戦争に積極的に加担することになったのです。さらに、個人情報(プライバシー)の保護が不十分な環境の中で、全ての国民の電話や携帯電話、FAX、インターネットまでが警察により盗聴される法律の成立に至っては、国民の基本的人権さえ踏みにじられることになります。このような権力による情報統制がいかに危険なものであるかは、戦前の歴史をもちだすまでもなく明らかです。

 「合意」のないままに新ガイドライン関連法で国民を統制し、「日の丸・君が代」の強制により「天皇の名」のもとに国民を統合しようとする今の動きに対して、国内外の人々とともに「日本国憲法第9条にあるような、政府が戦争をすることを禁止する合意」を各国政府に働きかけることを協力、協同のもとにすすめることを呼びかけます。

 そして、「平和教育を世界のあらゆる学校で必修科目とすべきである」とするハーグの国際市民平和会議での平和アピールを実践することこそ、国際社会の一員として生きる誇りを日本国民一人一人が持つことになると考えます。

 「合意不在」のもとに進む「日の丸・君が代」法制化、国民を統制する「盗聴法」に断固反対します!
1999年8月11日
「かごしま平和ネットワーク」事務局担当:続 博治(рO995−63−1700)、
布田 秀治(рO99−254−3051)、木村 朗(рO99−285−7654)
「かごしま平和ネットワーク」は、地域にあって一人ひとりの平和への思いを集めて活動するグループです。毎月第2火曜日夜7時より鹿児島教会(甲南高校の横)で例会を開いてますので、皆さんぜひご参加下さい!