公明党鹿児島県本部 御中

組織的犯罪対策三法案の参議院での慎重審議を求める申し入れ書

 「平和と人権」の党としての貴党の日頃の活躍に心より敬意を表します。

 さて、過日衆議院を通った組織的犯罪対策三法案について、私たち国民は大きな憂慮の念を抱いております。

 「組織的犯罪対策三法案」の中で特に「犯罪捜査のための通信傍受法案」は、今回条文の一部修正によって盗聴の対象となる犯罪の範囲を少々狭めたといっても、実際には犯罪が行なわれている場合だけでなく、犯罪が行なわれる危険性があると、警察が疑った場合には、本人が知らないままに盗聴ができることになっております。衆議院段階で、貴党の要求で修正がなされたとはいえ、通信傍受という名の盗聴は、憲法で保障された「通信の秘密」と、国民がいわれなき捜査、没収、逮捕を受けないように保護を定めた「令状主義」に反するものです。

 また、「警察に盗聴器を納入した」という証言者まで現れているにも関わらず、共産党への盗聴事件をはじめとする現在までの違法な盗聴の全貌すら明らかにされないままで、盗聴の対象を「薬物犯罪、銃器関連、集団密航、組織的殺人」に限ってとしても、拡大運用は警察の思うがままです。

 まさにこの組織的犯罪対策三法案は『警察にバタフライナイフを渡すようなもの』(佐高信さん)で危険きわまりないものです。このようなことが許されれば、一般市民のプライバシーが警察によって侵害されるおそれが多分にあります。

 さらに、NTTの現場職員から「法務省は傍受はNTT施設内で行なうと説明してきたが、盗聴はNTT施設外でも技術的に可能であり、法案はNTT施設内での傍受を義務づけていない。そうなると立会人は警察の総務課員でも可能になる」などの疑問が寄せられており、参議院段階での徹底的な審議が必要です。

 この法案は、国民の基本的人権を保障すると規定した憲法に違反するものではないかと思われます。

 どうか「平和と人権」の党として、私たち国民のこの法案に対する疑問に答えていただき、国民の納得する審議が行なわれるよう改めて貴党に強く申し入れるものです。

1999年6月25日

「かごしま平和ネットワーク」

事務局担当:木村 朗 (TEL099-285-7654)、続 博治 (TEL0995-63-1700)

「かごしま平和ネットワーク」は、地域にあって一人ひとりの平和への思いを集めて活動するグループです。


公明党鹿児島県本部代表

安川 茂様

お願い:「盗聴法案」について、市民の相談にのって下さい。

 通信傍受法案、いわゆる「盗聴法案」が衆議院法務委員会で可決された翌日の朝日新聞には、「公明党、戸惑う県本部も」という見出しで、沖縄県本部の「人権の点からも検討を加えるべき点は多い」「地方でストンと受け入れられるとは限らない」というコメントと並んで、鹿児島県本部副代表・上川馨さんの「地方からの声を上げず、急に話がまとまってしまった」という戸惑い気味のコメントが紹介されていました。

 市民の側かられぱ、沖縄や鹿児島県本部の方々の「戸惑い」の中に、むしろ「希望の光」を見る思いです。

 そんな折、こんどは南日本新聞の「かお」欄(6/3付)に、鹿児島県本部の新代表・安川茂さんのプロフィールが紹介されていました。人工島には反対であること、ホタルの保護や女性消防士の誕生に尽力されたことに加えて、「各地に出かけて地域問題を吸い上げる『市民相談』」を考えていると書かれていました。

 安川さんにお願いします。どうぞ「盗聴法案」について、私たち市民の相談にのって下さい。この法案に対する私たちの大きな不安を地域課題の一つとして取り上げて下さい。この法案は全国レベルの問題であって、地域課題とは見なせないと言われるかもしれません。しかし、私たち一人ひとりが生活している現場こそ「地域けなのではないでしょうか。鹿児島の各地に実際に暮らしている私たち一人ひとりが、この「盗聴法案」に不安を感じ、疑問を感じているのです。

 安川さんは、私たちにどのように答えてくださるでしょうか。

 先月、戦争協力法とも言うべき新ガイドライン関連法はついに成立してしまいました。この先、この「盗聴法案」が、さらには「住民基本台帳法案」や「日の丸・君が代法案」という国家の進む道を大きく変えてしまうような法案が、十分に議論されないまま、いわゆる「自自公」路線によって次々に成立してしまうのでしょうか? そこで鍵を握ると言われる公明党とは、いったいどんな党なのでしょうか?

 鹿児島県本部の皆さんは、どのようにお考えなのでしょうか?

 地方から流れを変えることは、公明との内部ではできないのでしょうか? 党本部は、各県本部の声を無視するのでしょうか?

 私たちは、安川さんや上川さんをはじめとする一人ひとりの方々の声が聞こえてくることによってこそ、つまり個々人の「戸惑い」や「思い」を声に出すことによってこそ、市民との信頼関係が生じ、ひいては安川さんの代表就任における抱負であるという「党勢拡大」にもつながると信じます。「議員自らが受け身ではなく、攻めの姿勢で党をアピールしなければ……」おっしゃるならば、まずは私たち市民にとって大きな気掛かりとなっている「盗聴法案」について、安川さんご自身のお考えをお聞かせ下さい。

 そして、今の「自自公」路線に歯止めをかけるために、地方から何かやれることはないのか。その際、「公明党の中の個々人と私たち市民とが何らかの形で力を合わせる可能性はないのか。共に考えをもちよることはできないものでしょうか?

「かごしま平和ネットワーク」に参加るす一個人として
高橋明男