「レオ・シュトラウスの政治観」2004年4月17日平和問題ゼミナール
報告者:松尾哲也氏(鹿児島大学大学院人文社会科学研究科博士後期課程)
レオ・シュトラウス(1899-1973)は、政治哲学復権の主唱者として知られている。今回は、レオ・シュトラウスとカール・シュミット(1888-1985)が政治的なものに対してどのような態度をとっていたのか、という問題について考察し、両者の相違点からシュトラウスの政治観の特徴を明らかにする。
☆レオ・シュトラウス(Leo Strauss,1899-1973)
レオ・シュトラウスは、1899年9月20日、ドイツのヘッセン州キルヒハインに生まれた。正統派ユダヤ教徒として育てられた彼は、マールブルクのギムナジウムを卒業後、1921年、ハンブルク大学で哲学博士の学位を取得する。その後彼は、フライブルク大学でフッサールとハイデッガーに接触し、両者から思想的に影響を受けている。1925年からシュトラウスはベルリンのユダヤ科学アカデミー(Akademie für Wissenschaft des Judentums)に研究員として勤務する。1932年、彼はフランスを経てイギリスに向かいホッブズ研究に従事、その後アメリカに赴き、1938年から1949年までニューヨークのニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチ、1949年から1967年までシカゴ大学で教職をえて数多く研究者を育てた。シカゴ大学を退職した後、Claremont Men’s CollegeやSt.John’s Collegeで教育・研究に従事したが、1973年10月18日に死去。彼はその生涯において、数多くの書物を書き、政治哲学の根本的な問題について研究した。
1.問題提起
2.シュミットと政治的なもの
3.シュトラウスのシュミット批判
4.シュトラウスと政治的なもの
5.リベラルな政治哲学へ向けて