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生まれて初めて来た成田空港は、異世界のようであった。 広大な森の中を切り開いて大きな基地がある、そんな感じがした。 ひっきりなしに車が行き交い、足早に移動する人々。 いろんな場所で交わされるいろんな国の言葉。 そうしてそこにはそれぞれのいろんな物語がきっとあるのだ。 前泊するホテルへのシャトルバスを待っている間、私はそんなことを考えていた。 バス停の私たちの前には、ご老人が3名(ご夫婦と女の人)。 どうも札幌の人らしく、3人とも明日からどこかに出かけるらしい。 以前何かのツアーで一緒になった知り合いらしく、旅の話で盛り上がっていた。 「この間、ハンガリーに行った時に・・・」 「この間、ベトナムに行った時に・・・」 「この間、クロアチアに行った時に・・・」 ・・ク、クロアチア・・・そんなにいろんな旅をなさっておいでなのね・・と こっそり 聞き耳ずきんになっていた所にバスは来る。 さて、これまでの話。 実はこの旅の企画は、半年以上前からあった。NARUが勤続10周年のお休みを 会社からもらうので、その休みを利用してどこかに行こう、という訳なのだ。 しかし去年の秋から申し込みをしていたツアーはことごとく催行中止。 真冬に枯れ木のブドウ畑を見てもしょうがない、てなことで春に延期し、 やっと見つけたツアーをこの度申し込んだのである。 そう、私たちはブドウ畑を見に(だけじゃないけど)フランスに行くのです。 ![]() ![]() ![]()
5月22日 前泊するためにまずは広島空港から成田へ向かう。私のスーツケースは23kg、 NARUのスーツケースは28kgあった。タクシー、電車、バスと乗り継いで、 広島空港へ向かう道のりは、おおよそ1時間。しかも白市駅(広島空港最寄り駅) には階段しかない!ので、一段ずつぴーぴー言いながら、スーツケースを降ろす。 NARUが自分のを降ろしたところで取りに来てくれて、何とかなった。 「じゃけん、スーツケース送ろうって言ったのにー」とあまりの重さについつい グチもこぼしてしまうのだが、以前北海道にスキーに行った時に、スキー場で 「送ったスキー板が来てない!」って叫んでた人を見て以来、NARUは「行きは 自分で持って行こう」派なのである。 何とか着いた広島空港で、まずは腹ごしらえでうどんを食べる。 ”思ったより”美味しくて、ほっとする。食事の後、買い忘れたものがないか、 店を回ってチェックしていると、何とセールをしていて、他の店で買ったものが 安くなっているではないか!「ここで買えばよかったよねえ」などと言いながら セキュリティチェックへ。 私は何事もなしに通過し、NARUを待っていると、NARUの荷物が 「キンコーン」と鳴っている。しかも「?何を入れてたんだ?」とNARUを 見てもなかなか出てこない。やっと出てきたと思ったら「ソムリエナイフ、没収」 と一言。まあ羽田で返してもらえるのだが、本人は「しまったなー」とぶつぶつ 言っていた。 さて、私たちの乗るボーイング777はなぜか今日はエアバス320に変更されていて、 機内がひどく狭い。私たちは一番後ろに乗ったのだが、この席は前の席との 関係か、テーブルが肘掛の所から出てくるのだ。低気圧の関係でごんごん揺れて、 もらったコーヒーもぐらぐら揺れている。こんな時は「うーうー。飛行機は苦手―。」 と思いながら一緒に揺られるしかない。こぼれないうちに、と急いで熱いコーヒー を飲み干した。 羽田ではやっとソムリエナイフを返してもらい、リムジンバスで一路成田空港へ。 成田空港の手前には検問所があり、警官が二人ほど乗り込んで来て「パスポートか 身分証明書を見せてください」とざーっとチェックする。 何だか大国際空港に来た!って感じで私はちょっとわくわくする。そしてバスは 長い坂を登り切り、第1ターミナルへ到着した。 目の前に広がるのは、どこまでも続く、異世界。 さて、今晩の宿リーガロイヤルホテル成田のお部屋はキレイでとても広い。 「もしかしたら今回の旅で一番広くてキレイな部屋かもねえ」などと言いながら 快適に過ごす。ちなみに、私たちはお互い海外は新婚旅行(8年前)の オーストラリアしか行ったことがない。しかも二人とも英語はほとんど話せない。 ものすごく不安に満ちた初心者の旅なのだ。
さらに、行く場所がフランスなので、フランス語 (皆目理解不能)を猛特訓しなくちゃ!と、旅行が 決まった後から部屋に単語や短い文を書いて 貼りまくって覚えた、つもりなのだが、実際は そんなに通じないことは承知だし、逆にうまく 伝わってフランス語で話されると困る、という、 もうどうしようもない状態なのだ。もちろん、 フランス語会話の本とメモ帳とペンは必携である。 せめて英会話くらい出来れば・・と思っても後の祭り。明日からの旅が楽しいもの になることを祈って、早めに寝る。 Bonne nuit.(おやすみなさい) 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 |