2001春 大・仏蘭西物語編
(その18)




 バスは無事ロレーヌ地方の中心地、ナンシーに
 到着する。ここナンシーは、ロココ様式と
 アールヌーヴォーの建築物が点在する街、だそうだ。
 まずはスタニスラス広場でガイドさんをピックアップし、
 ナンシー派美術館へ向かう。「誰かのおうち?」という
 くらい小ぢんまりとした美術館に到着。ご存知の通り、
 私たちはその方面はちーっとも分からないので、何を
 見ても「高そう」「素晴らしい」「丁寧だ」「キレイだ」
 くらいしか思えない。

 エミール・ガレが新婚の友達に贈ったという蝶の模様が入ったベッドも、
 「あれはどう見ても蝶じゃなくて、蛾だよねえ」と二人で囁きあっていた
 くらいであった。しかも!ここの係員(監視員?)はとっても仕事のやる気が
 感じられない。「早く帰ってよー」って様子で、めんどくさそうに、
 だらだらとおしゃべりをしていた。

 館内を見た後、お庭(そんなに広くないのだが)
 も美しいので、しばし散策の時間となる。
 私はシャンパンを持った女の人のカードも買って、
 バラの咲くお庭をうろうろ。途中で日本人の一人旅の
 女の子がいたので、同じツアーの人が話しかけると、
 何と!午前中ストラスブールの大聖堂で私たちを
 見かけたらしい。どうやってここまで来たの?と
 知りたい気分であった。



 ひとしきり見た後、再びバスに乗り、スタニスラス広場へ戻る。ここで降車して、
 徒歩で周りをぐるぐると説明されながら歩く。スタニスラス広場には18世紀に
 ロレーヌ地方を統治したスタニスラス王が、エマニュエル・エレに命じて
 作らせた像もある。それにして黒地に金ぴかの細工があるロココ様式の門は、
 華やかではあるのだが、どうも私の趣味ではない。「ちょっと黒がねえ・・」と
 思いつつ通り過ぎる。しばらく歩いて、解散となり、私たちはさらに奥の門に
 向って行く。石造りの大きな古い門の前で写真を撮り、さらに門の向こうに行き、
 反対側からの景色も確認してから、また広場に戻り、広場の周辺の店を
 散策する。

 ここナンシーはマカロンというメレンゲで作ってクリームを挟んだようなお菓子が
 有名なので、是非お土産に買って帰りたい、と思って探したのだが、そんな店は
 見つからず、仕方なく(でもないけど)プチ・バトーの店に入って、Tシャツなどを
 物色する。考えてみれば、この旅では、まだ一度も雨に降られず、しかも
 とっても暑い!絶対日本より寒いと思って、長袖ばかり持って来た私は、
 結構毎日汗だくで、リヨンで買い損ねたナフナフのキャミソール3点セットを
 ずっと悔やんでいるのであった。しかし集合時間が近いので、Tシャツを
 買わずに店を出る。

 さて、集合時間を過ぎても来ない人を、しばらく待って、やっと全員集まった
 ところで、バスは出発する。運転手ドミニクが「シャンパン、シャンパン」と
 言っているので、「?」と思っていたところ、添乗員Nさんが「フランスでは
 遅れて来た人が、待っていた人にシャンパンをおごる、という話があるのです」
 と説明してくれた。なるほど、それなら私たちも何杯かタダ飲みできるよー!と
 思ったのだが、全員におごってくれるはずもない。ドミニクは「明日シャンパン
 工場の見学だから、明日ぜひドンペリをおごってくれー」と言っていたが、
 ドンペリの工場に行くのだろうか、とちょっと思う私であった。

 

 そんな話をしながら、バスは今夜の宿「ノボテル・スッド」に到着。
 長いドライブのせいもあり、疲れ果てている私たち、ウェルカムドリンク
 (今までのホテルにはなかった!)が身体に染み渡る。少し待ってから説明を
 受け、部屋へ移動する。トイレとバスが別のお部屋は広めで、ソファもあった。
 そうしてTVには「歓迎、イノウエ様」(多分・・)とフランス語で案内がある。
 ウェルカムドリンクといい、結構気の利いたホテルじゃないのー!と思う私たち。
 しかし疲れには勝てず、へろへろとベッドに倒れこみ、しばらく休んでから夕食。
 ホテルの別室にテーブルが用意されているので、そこに集合した。

 この地方で出来たワインを部屋で調べて来たNARU
 は、早速メニューにそのワインを見つけて1本頼む。
 やって来たそのロゼワインは軽くて飲みやすく、
 前菜のアツアツのキッシュロレーヌにあって、いい感じ。
 どんどんすすむ。私たちの前には運転手ドミニクが
 座っていて、ツアーのみんなと話がはずむ。
 37歳というドミニク(でももっと若く見える。
 髪の毛は薄いんだけど)は、キャラクター好きらしく、
 いつもスヌーピーとかのキャラクターのネクタイを
 している。
 しかし日本サッカーチームの監督「トルシエ」のことは知らなかった。
 もしかして、フランスでは全然有名じゃないの?トルシエ・・。

 ドミニクが添乗員Nさんのことをずっと「イデー」と呼んでいるので、
 「何で?」と思っていたら、(Nさんは「ヒデト」という名前で、その「ヒデー」
 なのだけど)フランス人は「ハヒフヘホ」が発音できないのだそうだ。
 でもツアーの人に教えてもらって、一生懸命「ヒ」を練習して、「ヒーデトー」と
 言っていた。

 そんな楽しい夕食も終わり、帰りに、パリでのオプショナルツアーの申し込みを
 Nさんにお願いして、部屋に戻り、休む。
 いよいよ、明日はパリ。



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