2001春 大・仏蘭西物語編
(その25)





 オープンカフェでランチ(って言っていいのか)を食べ終えた私たち、午前中と
 同じM社に行き、午後からのベルサイユ観光の受付も済ませて、時間まで
 バスを待つ。途中、トイレに行っておこう、と地下へ階段を下りると、いろんな
 ツアーに行く日本人がみんな並んでトイレ待ちをしていた。ひゃー、と思いつつ、
 行かない訳にもいかないので、とりあえずその列に並んだ。さて、無事トイレ
 からも出て、ベルサイユへ行くバスも来て、一路バスはベルサイユへ向けて
 出発する。ガイドは片桐はいりを痩せさせたような感じのおばさん。
 そのワカメちゃんのような髪形にもかなり驚いたが、服装が上から下まで
 全部違う柄物(地味だけど)だったのにも驚いた。どうもおしゃれには関心が
 ないらしい。「無くさないでくださいね」と言いながらイヤホンを手渡して
 くれる。ベルサイユ宮殿の中はあまりに広くて人も多いので、専用イヤホンで
 ガイドが聞こえるようにしているのだそうだ。

 道中、ダイアナ元妃が事故にあったトンネルを通過する。車がぶつかった柱を
 「ちょうどこの柱です」と言ってガイドはいり(ごめん)が教えてくれる。
 その地上には、金色の雲をかたどったようなオブジェがあり(ダイアナ元妃が
 事故に遭う前からあるのだけど)、そこには今もダイアナ元妃を慕う人々が
 花やメッセージを備えに来るらしい。でもそこに置かれたダイアナ元妃の
 写真はいつもいつの間にかなくなっているのだそうだ。「イギリスの大使館の
 人が持って行くんでしょうかね」とガイドはいり。ものすごく詳しい。

 

 さて、バスの中ではその後もガイドはいりの詳しい説明が延々と続く。
 ベルサイユ宮殿のことについてかなり精通で、話も面白く、聴いていて飽きる
 ことがない、はずだったのだが、気がついたらベルサイユに到着する手前・・
 私は寝てしまったらしい。ま、気を取り直して下車する。



 下車すると黒人の物売りがわらわらとベルトやら水やらを持って寄って来る。
 しらんぷりして、ベルサイユ宮殿の門から中へ。漫画やら写真やらで見たような
 光景が目の前に広がる。真正面にはルイ14世の騎馬像。
 「ああ、やっと来たんだ、ベルサイユ!!」と私はしばし感動。その頃からそのまま
 なのか、がたがたする石畳を歩き、「マリー・アントワネットもここを歩いたのね!」
 と実感する。金遣いの荒い女ならみんなが思うように、私も昔、
 「もしや私はマリー・アントワネットの生まれ変わりかも」と思ったことがある
 (こらこら)。でも中村うさぎの本を読んで、自分の金遣いなんてまだまだだと
 知り(って言うか中村うさぎの足元にもおよばん)、その考えを改めた。

 てな話は置いといて、
 時間までしばらく待ち、ガイドはいりに着いて、宮殿内部
 に入る。イヤホンのおかげでガイドはいりの声もよく
 聞こえる。各国からの観光客がものすごく多く、部屋の
 中はどこも満杯でそろそろとしか歩けない。
 「荷物に気をつけてくださいね」との言葉にぎゅっと
 荷物を握り締め、内部の天井画に見入る私。まさに、
 「贅を尽くした」という言葉がぴったりくる美しさである。

 1662年から50年の歳月をかけて建てられたこの建物には、いったいいくら
 くらいのお金がかかっているか、検討もつかない。柱から天井から、何もかも
 事細かに金色の細工が施され、絵画にはふんだんに色が使われ、ものすごい
 きらびやかさだ。

 ガイドはいりに着いて、はぐれないように次々と豪華絢爛の部屋を
 巡る。しかしこのガイドはいりは、本当に休む間もなく各部屋の
 説明をしてくれて、その知識の多さには感動するばかりだ。と、
 思って歩いていると王妃のお部屋へ。マリー・アントワネットが
 いたときそのままの内装に復元されているらしく、花柄の壁や
 ベッドがとても可愛らしい部屋だった。途中で何度か、
 マリー・アントワネットの肖像画が飾ってあったのだが、どれも
 これも頬が妙に赤いのはなぜ?と思っていたら、帰国後に読んだ
 本の中に「濃い頬紅をさすのが流行した」とあった。なるほど。


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