簡単オーディオアンプ
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■製作のきっかけ
いい曲は、いいオーディオで聴きたいものです。そこで、アナログ回路を始めました。
習作として、初めてアンプの回路をかき、作ってみました。
■回路
10Vで動作し、0.5W程度の出力をもつ20dBのアンプとして設計しました。
入力から入ってきた音楽は、2SC1815のエミッタ接地回路で電圧増幅されます。 その後、2SC3421と2SA1358のプッシュプル・エミッタ・フォロワで電流増幅され、 8[Ohm]のスピーカーから聞こえてきます。
15kの抵抗、5.1kの抵抗で2SC1815のバイアス電圧を作ります。 10UFの電解コンデンサで直流成分をカットします。18と75の抵抗は、エミッタ抵抗、 470UFの電解コンデンサで交流成分を流し、増幅度を上げます。 220/18 = 約10倍 (20dB) となり、 電圧増幅度が決まります。
2SC3419, 500のVR, 200の抵抗は、ミッタ・フォロワのバイアス電圧を決めるためのものです。 プッシュプル回路のトランジスタの温度が上がると、熱結合してある、こちらのトランジスタの 温度も上昇し、自動的にバイアス電圧が下がります。入力がないときのエミッタ電流 (アイドリング電流)も調整します。
0.5[Ohm]の抵抗は、エミッタ抵抗です。最後の1000UFの電解コンデンサは、 直流成分をカットします。
■製作
小さな基板に十分収まります。
抵抗は全て1/4 Wです。0.5 [Ohm]の抵抗は、1[Ohm] 1/4Wの抵抗を2本並列にして作りました。 電解コンデンサの耐圧は、16Vです。
2SC3419, 2SC3421, 2SA1358は、同じ温度になるよう、ぴったりとくっつけて(熱結合して) 放熱板に取り付けます。3つともフルモールドのパッケージに入っているので、ねじでぴったりと くっつけられます。私が作ってみたところ、トランジスタはほとんど熱くならないので、放熱板は なくても大丈夫でしょう。
組み立てたら、配線をチェックし、アイドリング電流設定ボリュームを最小にして、 電源を入れてみます。10Vです。入力を入れず、アイドリング電流が10mA程度流れるよう、 500 [Ohm]のVRを回します。0.5[Ohm]の抵抗の両端の電圧が5mVになります。
スピーカーをつなぎ、入力をCDプレーヤーの出力につなげば、曲が流れます。
■視聴
スピーカーから曲が流れたときには、うれしさでいっぱいです。
300円ほどの安いスピーカーで音が出ることを確認し、買ったばかりの12cmオーディオ用 スピーカーについないでみました。一気にいい音になりました。まだスピーカーユニットを箱に入れ ていないので、低音が出ません。スピーカーユニットが入っていた段ボールに入れてみると、 少し低音が出るようになりました。
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せっかくのスピーカーが段ボールの箱に入っているという残念な状況です。
早くスピーカーボックス(エンクロージャ)を製作しなくては。
次は、スピーカーボックスを作って聞いてみようと思います。
(C) Ishijima Seiichiro 1999