Nゲージ CMOS カメラ搭載車




カメラ・カー

製作のきっかけ

Webを見て回っていたら、 CCDカメラ搭載車の試作のページを発見。カメラ搭載車をレイアウトで走行させて撮影した動画もあり、とてもよくできていたので作ってみたくなりました。

携帯電話などにも採用されている最近流行のCMOSカメラは、小型で低消費電力なので、これを使えばNゲージにカメラを載せることは難しくなさそうです。

情報収集

使えそうなCMOSカメラをサンプル入手しようとメーカに問い合わせてみたものの、個人だということで相手にしてくれませんでした。個人に対して冷たい部品メーカはまだまだ多いようです。

使えそうなカメラが見つかるかもしれないと思い、秋葉原で探してみました。思ったよりもCMOSカメラは出回っていて、特にピンホールのものはとても小型です。レンズ付きのものは1万5000円以上して予算オーバー。

もう一度Webを回ってみると、1万円でレンズつきCMOSカメラを発見し、通信販売で購入しました。。

カメラは入手できたとして、送信機をどうするか? VHFで飛ばそうと考えたものの、AMでは雑音に弱く、鉄道模型で使うと見るに耐えないそうで、1.2GHzのFMで送信することにします。1.2GHzのFMは、BSアンテナからチューナーへの伝送に使われているので、BSチューナーを使えばカメラ搭載車からの電波を受信できます。

問題は、送信機をどうするか。1万円くらいで送信機が売られていたので、買ってしまおうかとも思いますが、「もっと別の基板形状で、あともう少し小型なら1両に全て収まるのに」と考えると、送信機も自作したくなってしまいます。

再びWebで情報収集していると、1.2GHzの送受信はアマチュア無線でATV(アマチュアテレビ)として使われていて、VCOさえ入手できれば送信機をつくることはそれほど難しくなさそう。といっても、高周波回路の知識がないので、そんな回路作れるのかという不安が残ります

実験

どんな回路にすれば良いのかわからないものの、とりあえず送信機のキーとなりそうなVCOを入手できれば、なんとかなりそうな気がする。ATVで使われているVCOを容易に入手できました。

さて、VCOは電源、グランド、入、出力の4端子。適当に繋げば動きそうな気がする。説明書には電源電圧と端子機能、最大出力程度のことしか書いてないが、入力が5Vのとき中心周波数が出るようになっていることがわかる。5Vを中心として画像を乗せてた信号をVCOに入力してやれば、出力からは1.2GHzのFMが出てきそうです。。

乏しい情報と知識だが、何となく作ってみる。78L05で安定化した5Vを10kの抵抗を通してバイアスをかけ、カメラからの画像は75Ωの抵抗で終端し、100μのコンデンサを通してVCOに入力する。VCOの出力は1000p (これも適当)を通してアンテナへ。アンテナは錫メッキ線を6cmほどに切ったもので、1/4λ= 約6cm と一応計算したものの、これもやはり適当。

受信用アンテナは、アマチュア無線用の1.2GHz帯八木アンテナのキットを買ってきて作りました。そのアンテナとBSチューナーを同軸ケーブルを使って繋ぐ。

実験回路完成。電源を入れてみる。「お!映った!!」

これほど簡単で適当に作った回路でも、動くと嬉しい。それに、電波って本当に不思議なものだと感じる。

でも、画像が白っぽい。調整が必要。

またWebを探索

再びWebを廻ってみる。ATV送信機を作ったというアマチュア無線家にメールで質問すると、親切に教えてもらえました。

FMでは、伝送経路で高域が減衰してしまうことを考えて、送信側であらかじめ高域を強調するプリエンファシス回路を入れる必要があるが、レベル補正回路だけで済ませてしまうことも多いと教えてもらった。早速VRを入れてレベル調整をしてみると、綺麗に画像が映るようになった。また、バイアス電圧を変えられるようにした方が良いというアドバイスももらい、やってみたが、こちらはあまり変わらなかったので、送信機サイズを小さくするために省略。

車両製作

当初は2軸貨車を2両を改造しようと計画していましたが、がんばれば1両に収まりそうだったので、プラ板で車体を作りました。手持ちのであったグリーンマックスの京成3500形の床板とKATOの211系台車を使っています。車長は13cmに収まっています。アンテナはもう少し立てたいところですが、高さに余裕がないので仕方ないです。

中央に乗っているのは006PのNi-MH電池。充電は送信機上部にある3端子のピンヘッダを通して行えるので、わざわざ電池を外す必要もありません。

試運転

この車両は動力がないので、機関車に後押ししてもらいます。

画面に線路が映り、走らせると、それを運転してるような眺めが映りました。 直線区間はよかったのですが、カーブにさしかかると線路が見えなくなり、また車両の向きによっては画像が全く映らなくなってしまったので、これはなんとかしたいところです。映っているときの画像はとても鮮明で、満足のいくものでしたが、映らないときは画面がザーザーとなり全く映らないです。

今はVCOの出力を電波にしているので、アンプを入れた方がいいかもしれません。また、アンテナの形状や取り付け方を改良すればよくなるのではないかと思っています。

回路図

満足な画像が映るようになったときには、動画をこのページに載せたいと思います。




(c) 2001 Ishijima Seiichiro
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