ナゾの電子メール

去年の暮れから今年の始めにかけて、NIFTY-Serveの僕のアドレスに複数の未知の人から電子メールが届きました。その内容はどれも、あなたからのメールが届いたがあなたは誰ですかというものでした。もちろん僕はその人たちにメールを出した覚えなどありません。

IDがハックされたか!最初に僕はそのように思ました。しかし、NIFTY-Serveのログイン時に表示される「前回LOGOUT」を調べても、自分のIDが盗用されているようすはありません。またアクセス時間の記録を見ても、盗用の形跡はありませんでした。

いったいこれはどうしたことかと考えるうち、ハタと思い当たることがありました。それはインターネットカフェです。インターネットカフェというのは店内からインターネットにアクセスできるカフェのことです。僕は年末に渋谷の「エレクトロニックカフェ」というインターネットカフェでネットサーフィンを楽しみました。そのとき、あるマッキントッシュのネットスケープに自分のアドレスを設定したのでした。そのネットスケープからメールを出すためです。そして、その設定を残したまま店を出たのでした。その結果、ほかの客がそのマシンのネットスケープからメールを出すと、差出人のアドレスが僕のものになってしまうという状態になっていたに違いありません。

僕がもらったナゾのメールの中に、ある女性からある男性に出したメールの返信がありました。そのメールには、女性のメールの全文が引用されており、幸運なことにその中に女性のアドレスも記入されていました。僕はその女性に「もしかしたらあなたは渋谷のエレクトロニックカフェからメールを出さなかったか」と問い合わせのメールを送りました。予想どおり彼女はエレクトロニックカフェからメールを出していたのでした。これでナゾのメールの原因ははっきりしました。店に電話をしてネットスケープのプリファレンスを確認してもらったところ、その時点ではすでに僕のアドレスは削除されていました。そして、その女性からのメールを最後にナゾのメールはもう来ることはありませんでした。

僕としては、ちょっとしたミステリーを楽しませてもらった感じです。未知の人からメールをもらうのは、わくわくするものでもありますし。念のため言っておきますが、エレクトロニックカフェには何の責任もなく、すべてはネットスケープにアドレスを設定したままにしておいた僕がいけなかった。ちなみにこの店は、超美形少女の店員が複数おり、頼めばネットサーフィンの方法を指導してくれるようです。女性誌にでも紹介されているのでしょうか、僕が行ったときには若い女性の客が多かったということも付け加えておきましょう。

1996/1/21

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