MacWorld Expo/Tokyoでビラを配る

今年もマクハリでマックワールドエキスポが、日本で何度目かのマックワールドエキスポが開催されました。会期前には、アップル社がサンに買収されるという噂や赤字決算のニュース、そして社長の交代劇があり、マック周辺に暗いムードが充満していました。エキスポというマックの祭典を開催するのに、結果的には最悪のタイミングだったわけです。

しかし、その割には人出はなかなかのものでした。僕は最終日の2月24日に出かけ、所属するユーザーグループのブースでビラ配りをやったのですが、人の多いこと多いこと。ブースがアップル社の脇にあるせいなんでしょうが、年の瀬のアメ横、あるいは正月の明治神宮もかくやといった具合の人通りでした。

この人の多さは何なのでしょう。制服を着た高校生もいれば、熟年の男女もいる。渋谷系ファッションの若者もいれば、台東区系ファッションの労務者風もいる。マックユーザーばかりではないでしょう。この手の展示会には、関連業界の会社の社員が縁日気分で出かけてくるものです。しかしビラを配り、何人かとは話もした僕の印象では、マックはずいぶんと幅広い階層に受け入れられています。<こんなかわいいコが、まさか>と思うような美少女が「あ、マック持ってますよ。ニフティもやってます」と語る、ハイティーン風の髪を赤く染めた女性が僕の所属するユーザーグループについて「音楽やっている人、いますか」とまじめに質問してくる、そういう時代なのです。時代は変わる。

僕はビラを配る以外は、メモリーとMOディスク(メディア)を買っただけでした。とくにどこかのブースに立ち寄って話を聞くということもしなかった。どうせ新製品情報は雑誌に整理された形で掲載される。PageMillやPippin@atmarkなど、ちょっと興味を感じる製品は人だかりでうんざり。開発者の話を聞いてみたくても、ほとんどのブースにはコンパニオン顔にコンパニオンスマイルをのっけてコンパニオン立ちしているコンパニオンしかいない。コンパニオンは好きだけど、マックワールドエキスポには彼女達を見るために来たんじゃない。

最初のエキスポのときにも似たようなことは感じたものでした、<これじゃまるでビジネスショーだ>と。雑誌で紹介される米国のマックワールドエキスポはユーザーとベンダーが出会う場所であり、マック関係者のお祭りだった。それを期待して行ったマクハリのマックワールドエキスポは、コンパニオンの立ち並ぶ「展示会」だった、ということです。それにしても、その傾向は年々強まるようです。

会場の出口には、横断幕に来年の開催予定日が記されていました。果たして僕たちは来年またここで再会することができるのか。再会するとしたら、それはどのような気分でなのか。それを考えると、少しだけ気持ちが沈むような気がします。

1996/2/28

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