640,000円の猫

8月の中旬に引っ越しをした。気になっていたのは、部屋の荒れようだ。いまや巨大猫となった先生があちこちで爪を研いでいたため、柱、洗面所のドア、ふすま、床などがぼろぼろなのだ。しかも最近ではラミがそれに荷担していた。そこは賃貸マンションだというのに。

旧居所を引き払ったのち、不動産屋と部屋のオーナーがそこを検分した。不動産屋は電話でh不機嫌そうな声で言った。

「あれは酷いですねえ」

結局、64万円の請求となった。敷金が34万円あったので、残りの30万を支払うことに。工事内容など、もしかしたら交渉の余地もあったのかもしれないが、いかんせんルールを守らずに猫を飼っていたのはこっちのほうだ。素直に従うことにした。

しかしただで拾った猫が、結局64万円とずいぶん高くついたと言うこともできる。もはや彼も家族なのだから、いくら高くついたとしても、まあしかたがないと我々は納得しているのだが。(1998.9.14)


椅子の上でくつろぐ先生とラミ


猫らしくなってきたラミ

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