株主、東京ディズニーランドへ

東京ディズニーランド。通の間ではTDLとも呼ばれるこのテーマパークを運営しているのがオリエンタルランドであり、いまや自分はその株主なのである。発行株式1億枚のうちのたった10枚−1千万分の1ではあるが。だからというわけではないが、今年最後の行楽はそこに行くことに。もらった10万円分の旅行券を使っての一泊旅行だ。

 

22日。子供達が学校から戻ってほどなくしての出発。祝日の前日とあってか道路は混んでいた。東名高速から東京に入ったころには既に日が暮れ、巨大な月がビルの間に見え隠れしていた。

TDLに隣接したホテルに到着したのは6時すぎだった。部屋で着替える。子供たちにとっては初めての洋風ホテル。ツインルーム二部屋だが、子供達だけで寝るというので、一部屋を子供達だけで使わせることに。

ホテルからTDLまでは徒歩10分ほどだそうだが、無料のバスがあるというのでそれでさっそく出撃。食事を済ませ、夜のパレードを見物。若干、冷え込みが応えた。山車の側面に輝くUNISYSのロゴに、かつてかかわったジョブを一瞬思い出す。

子供たちお気に入りの、レーシングカーのアトラクション。同乗する親のほうも、それなりに爽快感が楽しめる。タイムマシンで時間旅行・世界旅行を楽しむビジョナリウムにも。これは自分の趣味。ジュール・ベルヌとH・G・ウェルズが登場するなど、SF心をくすぐるつくり。大人にとっても十分楽しいアトラクションだ。

ビジョナリウムを出たときには閉園時間の10時を過ぎていた。徒歩でホテルへ。

翌日は朝から出撃。まずは、前日は混んでいてあきらめたミッキーの家に。しかし午前中だというのに、すでに長蛇の列だ。

家の中はミッキーが生活しているという設定のつくり。こんなもののどこが魅力であのような行列ができるのかと思っていたところ、最後の部屋でミッキーとご対面。これが魅力ということらしい。

昼をファーストフードで済ませ、路上に座ってパレードを見物。昔は踊りなど興味なかったものだが、この歳になってみると、人間が体を動かす様子が目に楽しい。ダンサー達の表情と化粧には、共通点があるように感じた。TDLフェイス、TDLメークと名づけよう。

人気のあるキャラクターが登場すると、沿道の若い観客からは悲鳴すら沸き起こるのだ。共感はできないものの、否定はすまい。少しは理解することもできそうだ。架空のものを好きになることは誰にでもあることだろう。自分もかつてはアニメファンであったり、小説の登場人物に憧れたこともあったりしたのだから。

ホテルに戻る。噴水のある庭の光景は美しかった。疲れきった体に鞭を打つようにして、我が家のある西へと向けて車を走らせる。

(1999.12.25)

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