近くで桜祭があったので、土曜日の夜に家族を連れて出かけた。歩いて二十分ほどのところにある私鉄の駅。その駅前を起点とした商店街に沿って桜並木がある。行ってみると、桜は電燈で飾られ、並木の下に出店がずらりと並んでいた。ゆっくり歩く大勢の人びと、出店から聞こえる活力のある声などが、うきうきとした気分にさせる。
夕食代わりと決めていたので、家族の望むまま、イカ焼き、タコ焼き、大阪焼き、ジャガバターなど、次々と買い食いする。
絶対に取れないと言ってきかせても、子供たちは射的に挑戦しないではいられない。そして一番高価な商品であるゲームカセットを狙い、結局、残念賞の小物を与えられて終わる。子供時代、誰しもが繰り返し経験することか。
夜桜もまたいいもの。酔って声の大きくなった男たちが立ち話をし、不良少年少女たちが生き生きとした表情で行き交う。
タコ焼き屋の前で学生時代の友人に出くわした。数年ぶりだった。彼は痩せ、こちらは太った。彼の家族に会うのは初めてで、それは先方も同様だった。2、3分立ち話をし、再会を約束して分かれる。
1時間半ほどだったが、楽しくすごせた。昔は祭があまり好きではなかったのだが、この歳になってやっと素直になりつつあるのだろうか。(2000.4.11)
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