五月の雪は
十年に一度降る
雪片を口に受ければ
甘く解ける
星のかおる夜に降る
月明かりに
美しく輝きながら
つかまえられない
手にすれば
消えてゆく
雪はやがて雨に変わり
あなたの頬を濡らす
しかし悲しんではいけない
五月の雪にめぐりあえたこと
それは僥倖なのだから
(2000.5.29)
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