3月3日、ひな祭りの夜にこれを書いている。今日はどんな一日だったか。朝から友人の7回忌に行った。集まった学生時代からの友人たちは皆、頭に白髪が目だっていた。寺でお経を聞きながら死んだ友人のことを考えた。そのお母さんに寿司をご馳走になった。友人たちの近況も聞いた。夕方に帰宅した。インスタントラーメンを作った。寿司屋で飲んだビールのせいか、軽く頭痛がした。
家族は、子供の保育園時代からのグループの集まりへ出かけた。今回は居酒屋。子供連れで居酒屋にいける時代だ。夜の11時。妻と子供達は満足した様子で帰ってきた。妻は、昼間図書館で借りてきたCDを渡してくれた。頼んでおいたとおり、佐野元春のとクラシックのと。
まあまあの一日だったと評価したい。
朝日の夕刊を広げる。愛知県で主婦がベランダに二歳の女の子の遺体を放置していたという事件の続報があった。女の子は主婦の六女で、「生後八カ月の時から約一年間、同県小牧市内の養護施設に入所し、家庭に戻ってからは兄や姉になじめず、いじめや暴行を受けていた」そうで、兄や姉は「泣いてうるさいので、いつも頭や顔をたたいていた」そうだ。ある日、主婦が深夜に帰宅したときに六女は瀕死の状態だったが、主婦はもう手遅れと判断し、その子の兄や姉がやってしまったと思い、身内から犯人を出すことを恐れて救急隊や警察に連絡しなかった。
整理するとこうなる。その女の子は赤ん坊の一年間を養護施設で過ごし、家に戻ってからは兄弟にいつも頭や顔をたたかれ、二歳のときに殺され、母親によってベランダに放置された。
女の子の二年間の人生。愛されず、殴られ続け、二年で終る人生。少しでも彼女にとって幸せな時間があったと信じたい。
いまは夜の12時前。ひな祭りの日はもうすぐ終る。
(2001.3.3)
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