幸福と不幸の総量の和

電車の中でまわりの乗客をながめながらふと考える

乗客一人一人の幸福度を数字で表したらどうなるか

幸せならプラス、不幸ならマイナスで表すことにすれば

ゲームボーイに熱中しているあのサラリーマンは+2

となりで手帳に予定をあれこれ書き込んでいる女子学生は+5

疲れた表情で宙をみている年輩の女性はマイナスか

隣のだんなはどっちだろう

そういうこの俺は?

 

人の不幸をみて自分の幸せを感じる

人間にはそういうところがある

じゃあ、この車両に乗っている人たち全員の数値を合計したら

もしかしたらゼロになるのだろうか

地球全体で合計したら

それはゼロだろうか

 

たぶん違う

みんなの幸福度は、合計してゼロになる、というようなものではなさそうだ

二人の人がいて、喧嘩をすれば二人ともマイナスになる

楽しく遊べば二人ともプラスになる

二つの国があって、戦争をすれば両国の合計はマイナスになる

友好ならば、少なくとも戦争中よりはずっとマシになる

そういうものだろう

 

もし幸福がお金のようなもので、

ある人がそれを失えば別の人がそれを得る

というような性質だとしたら悲しいことだが、

そうではなさそうだ

 

電車の中でふと考えたことだが、

なかなかいい結論に達して

自分は幸福度が少しアップした

(2002.7.12)

[戻る]