オフ会レポート

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『「伝える言葉」プラス』読書会と遅い新年会

日時:2007年2月24日(土)午後3時から

会場:早稲田奉仕園

参加者:つる、スヌーピー、HAL、サッチャン、ちゃまん、KING、yoshimi、金田、J/B、いとう

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今年最初の読書会。気温は低いものの晴天には恵まれる。

早稲田奉仕園の受付 に行くと、こちらが何も言わないうちに「大江健三郎ファンクラブの方ですね」と言われ、鍵を渡される。ロビーにはすでに何人かの方がいらしていて話をしていた。部屋のドアを開けると、BGMのCD(本の中に出てくるシュヌアーの演奏)を持参してきたスヌーピーさんが受付からCDラジカセを借りてきてセットしてくれる。

今回はサッチャンが久しぶりの参加。サッチャンとは初対面の方も多いので、皆さんに簡単に自己紹介をしてもらう。それから、今年大学受験をしたKINGさんから、この本の文章が試験に出たという話をうかがっていたので、問題の内容を教えてもらう。使われたのは「アマチュアの知識人」で、問題は漢字を問うような簡単なものから内容と合致する要約を選択するちょっと高度なものまでいくつかあったとのこと。

読書会のほうは、『 「伝える言葉」プラス』には27編のエッセイ・講演が収録されているので、個々の編について話すのではなく全体的なことや印象の残った編について自由に意見交換するという形で進めることに。次のような意見が出た(メモできた範囲のみです)。

・政治的状況に絶望しつつも、渡辺一夫やサイードの言葉に支えられている大江さんの姿が見える。(希望が見出せずとも意志の力によって楽観主義を持ちこたえたサイード)

・エッセイで取り上げられているテーマとして政治のこと(特に憲法や教育基本法に関すること)が多く、小説を読むようには楽しめない。

・政治的なことや時事的なことが多いのは、新聞連載だったということもこともあるし、政治状況自体によるものもあるだろう。

・小説の文章と違い、話が読み取りにくい。思考回路が違うのか。

・紙幅の制約があるので短くまとめなければならないが、そこに多くのことを盛り込もうとしてわかりにくくなっているのではないか。

・短いために物足りない。しかし、国内論壇の大勢にあらがうような意見を明確に述べてもらえるのはありがたい。

・政治的な面で主張が一面的過ぎないか。

・小説では問いを投げかけることができるが、このようなエッセイでは意見を明確に出さざるをえない。

・光さんについてのエッセイには、大江さんらしい魅力がある。

・いまさら「知識人」ということをいうこと自体、どうなのか。

・大江さんのいう「知識人」とは、日本語での意味より、サイードらのいうレベルでのそれだろう。

皆さんの意見をうかがうことで、ぼんやりと感じていたことの輪郭がはっきりしてくる感じだった。表紙の絵の元になった彫像作品の写真がyoshimiさんから紹介され、そのテーマが明らかに。やはりそうだったか!

最後に恒例の記念撮影。今回は、飾ってあったひな壇前で(ひな段、ほとんど見えてないが)。その後、高田馬場に移動して楽しい二次会。楽しい半日でした。

早稲田奉仕園にて

早稲田奉仕園にて

(2007/2/25記す)


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