オフ会レポート

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『茱萸の木の教え・序』読書会

日時:2009年1月31日(土)午後15時〜午後18時

会場:早稲田奉仕園 100号室

参加者:HAL、yoshimi、 スヌーピー、つる、うさぎ、いとう

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今回は大阪からうさぎさんが初参加。まず、yoshimiさんが持ってきてくれたDVDプレーヤーでうさぎさんに映像作品「Rejoice!」を観ていただく。その間、他の参加者には私の持参した、大江さんの写真やインタビューが掲載されているSwitchのバックナンバーを回覧。

読書会で取り上げたのは『僕が本当に若かった頃 』の「茱萸の木の教え・序」。これは連合赤軍事件を題材とした『河馬に噛まれる』に収められた「四万年前のタチアオイ」の後日譚的短編。亡くなったタカチャンの追想文集を依頼された「僕」が、タカチャンの遺稿を整理しながらタカチャンの人生、そして「僕」自身の人生を捉えなおすという内容。

僕の感想。タカチャンの日記に記された≪ある決定的な局面で茱萸の木のヴィジョン全体に「アカンベー」をしてやることはできないだろうか? なんのために? 重苦しいものを一瞬なりとも脱ぎ捨てるために! しかしどのようにして?≫という言葉に表れているような願いと苦悶をこの作品全体が表現しているように感じた。

皆さんからは、さまざまな感想が出ていた。タカチャンによる女優Y.S評の再検討、苦しい人生に対してそれでも生きていくということが大事という意見、「四万年前のタチアオイ」におけると本作におけるタカチャンの差異の調査(作者は年齢や出身大学を変えている)、『僕が本当に若かった頃 』の全体を通じて「全体」という言葉がキーワードになっているという話、タカチャンはギー兄さんの前身的存在ではないかという意見、社会と闘い傷ついた女性の魂の浄化が描かれているという話など。

「茱萸の木の教え・序」読書会(早稲田奉仕園)最後はいつものように記念撮影。

ヴィノーブル・カフェにて18時からは高田馬場のヴィノーブル・カフェにて新年会。カジュアルなフランス料理店で、くつろいだ雰囲気のなか、食事と飲み物を楽しむ。そして大江さんの誕生日祝い。大江さんが来られたわけではないのだが、食事ののち、事前に注文しておいた名前入りのケーキを出してもらって、それで勝手にお祝いをしたしだい。ケーキが登場するやいなやyoshimiさんが仕事モードになってケーキ周辺をデコレートしてくれて、みなでそれを写真に収める。

大江さんの誕生日祝いのケーキこれがそのケーキ。「Happy Birthday 大江健三郎さん」の文字が見えるだろうか。いない人の誕生日を祝く我々の様子が店の方々の目にどう映ったかがちょっと心配ではある。ともあれ、大江さん、誕生日おめでとうございます!(2009/2/2記す)


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