日時:2011年1月29日(土)午後14時〜
会場:早稲田奉仕園 102号室
参加者:タカコ、HAL、マハル、yoshimi、印南、つる、タムラ、ちゃまん、スヌーピー、いとう
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1年ぶりの読書会だったが、顔を合わせても1年のブランクがぜんぜん感じられないのが不思議。mixi、ツイッター、フェイスブックなどで日々互いの存在を感じているからだろう。
今回は1960年前後に発表された3作を収録した『性的人間』を取り上げた。詳しくは来年刊行されるであろう「大江健三郎ファンクラブ通信第3号」をご覧いただくとして、記憶に残っている意見を挙げておこう。
・「性的人間」
作者の若々しさを感じる/性を描いて、いま読んでも衝撃的/痴漢の描写の緊張感がすごい/1と2が別の作品に思える/1があるから2のJの行動が理解できる/1はフランス映画のよう
・「セヴィンティーン」
後編である「政治少年死す」と一緒に刊行されていないことが残念/大江さんが時代と切り結ぶ文学の最前線にいたことの証明/過剰な自意識・激しい自己嫌悪など十代の子の心の描写がリアル/タイトルの「セヴンティーン」や「新東宝」など言葉のセンスが抜群
・「共同生活」
カフカのよう/猿の描写など表現力が素晴らしい/短編小説としてよくできている/3編とも、自分の存在確認と孤独がテーマではないか
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読書会のあとは、高田馬場の「土風炉(とふろ)」で新年会。
(2011/1/30記す)