日時:2011年6月18日(土)午後14時〜
会場:早稲田奉仕園 キリスト教会館8号室
参加者:つる、yoshimi、真春、スヌーピー、印南、ちゃまん、いとう
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『われらの狂気を生き延びる道を教えよ』の読書会を開催しました。1967年から69年にかけて文芸誌に発表された作品群からなる短編集です。皆さんが一致して述べていたことは、とにかく「小説として面白い」ということ。「今読んでも古びてない」「昔より面白く読める」という声もありました。作品若さと気力に溢れる著者が、惜しげもなく才能を注ぎ込んで創造性豊かな作品世界を作り上げているといってよいでしょう
そのほか、皆さんのご感想を記憶に残っている範囲で挙げておきます。
・「走れ、走りつづけよ」のペネロープ・マンダリンはジェーン・マンスフィールドがモデルであろう。
・核の問題が扱われている(「核時代の森の隠遁者」)ことから、現在の原発問題と重ねあわせて読むこともできる。
・著者自身の、血筋についての心情が「走れ、走りつづけよ」の「僕」と「従兄」、「父よ、あなたはどこへ行くのか?」のKに反映されているのではないか。
・こういった本がオーデンやブレイクに触れるきっかけとなった。
・「肥った男」という表現がたくさん出てきて、肥満に対する自虐的こだわりが感じられた。
・子や妻との関係が、近年の作品と比べるとだいぶ異なる。
・「自由」が本書のテーマになっている。
・子に障害があることがわかったとき、父親のほうも人生が変わる。
ほかにもいろいろな感想や意見があったと思いますが、メモしきれておりません。ご容赦のほどを。
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読書会のあとは、高田馬場の「土風炉」で親睦会。
(2011/6/19記す)