オフ会レポート

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『ピンチランナー調書』読書会

日時:2012年8月18日(土)午後15時〜17時

会場:早稲田奉仕園 スコットホール音楽室

参加者:HAL、萩原、真春、タカコ、鈴木、スヌーピー、いとう、つる(親睦会のみ)

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ドイツから一時帰国されたHALさんを迎えての読書会開催です。

今回は萩原さん、鈴木さんが初参加でしたので、冒頭、まずは各自自己紹介をし、それから読書会のスタートです。

作品全体としての評価は、皆さんあまり高くはないようでしたが、「転換」が起こる前の部分の「われわれの子供ら」との生活の風景、森・父や森・母の人物描写については評価する声が目立ったように思います。個人的には、吹き出してしまうほどのグロテスクなユーモアが印象に残ります。

露骨な性的表現が頻繁に登場する理由や、ゴシック文字、カタカナ、"ha、ha"というアルファベット、ルビ、傍線など、多様な文字表現が盛り込まれている理由について、議論もありました。

これは僕の意見ですが、ここで描かれている、原発事故を隠ぺいしようとする当局や労組の姿は、いまも変わっていないように感じられ、なんともいえな気持ちにさせられました。また、1970年代においてすでに大江さんがこのような視点を持っていたことに驚きも感じます。

読書会のあとは、例によって高田馬場の居酒屋で親睦会。さらに焼き鳥屋で二次会。

(2012/8/19記す)


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