オフ会レポート

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『大江健三郎自選短篇』読書会&新年会

日時:2015年1月24日(土)午後14時〜17時

会場:早稲田奉仕園 音楽練習室

参加者:池沢、HAL、高橋、小林、スヌーピー、関、ジン、印南、つる、久保、伊藤、KING(忘年会のみ)

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読書会としては1年1か月ぶりだが、その間、別の目的の集まりもあったし、日々の動静もフェイスブックなどを通じて互いに知っているということもあってか、久しぶりという雰囲気ではなかった。台湾の小林さん、茨城の関さん、福島の久保さんが初参加ではあったが、小林さん、関さんとは以前からのネット上での交流があり、初対面とは思えない近い距離感。

取り上げた本は800ページを超える厚さだったせいか今回最後まで読まれたかたはごく一部で、僕を含め多くの参加者は途中まで読んだ状態での参加だった。ただ、今回読めなかった作品についても、以前、別の本で読んではいる、という人が多かったように思う。

1冊の厚い本になったことに対しては、携帯の便から分けたほうがよいという声が何人かの方からあった一方、1冊になったことで初期、中期、後期と時代ごとの作風やテーマの変化、文体の変化が比較しやすくなったという意見もあり、それにはみなさん頷いていた。

個々の作品のなかでは、「セヴンティーン」がいちばん多く取り上げられていたように思う。思春期の描写のリアリティ、文庫化にあたっての見直しで「トルコ風呂」を「ソープ」に言い換えたことの是非、現代にもマッチするテーマ性などが議論になった。

ほかにもさまざまな議論があった。僕からは、大江文学の初期作品に見られる文体の圧倒的魅力を力説し、「飼育」のある段落をまるまる朗読させてもらった。

17時半からは高田馬場の「土風炉」にて新年会。飲み食いしながら歓談を楽しんだ。(2015/1/25記す)


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