2005年 ニュースダイジェスト
| 百万遍石垣問題に決着。石垣は存続へ |
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百万遍門改修をふくむキャンパス整備計画が発表されたのは〇四年九月末。この計画は、百万遍角の区域を切り崩して通路に改装するもので、附属図書館の前から北西門にいたる通路の改修、駐輪場の再整理と同時に予定された計画だった。大学はウェブサイト上で本部構内の交通状況が極めて劣悪で危険な状態だとしており、今工事を行う目的として「美しく安心・安全なキャンパスを実現すること」を掲げた。
しかし百万遍石垣は、新歓期や十一月祭の時期に立て看板の並ぶ場所でもあり、立て看板を重要な広告手段とするサークル・自治会は困惑をみせた。一週間後に農学部学生自治会が本部構内交通委員会宛に「一旦工事計画を凍結し、学生と工事責任者との話し合いの場を設けること」を求める要望書を提出している。以後、学生団体有志は大学当局との交渉主体となる団体として「本部構内北西門改善計画を考える会」(以下考える会)を結成し、大学当局に情報公開と話し合いの場を要求したが、これに対し大学当局はウェブサイトで計画に関する質問・意見を求め、そこに寄せられた意見のみを聞くとした。この対応を不服とした考える会は、直接の話し合いを継続して求めた。 〇五年一月はじめ、計画の一部として、当区域にあった建物の取り壊しが行われた。すでに話し合いに向け学生部と折衝を重ねていた「考える会」は「無断で工事を始めたのは約束違反」として施設担当理事の入倉孝次郎副学長(当時)、尾池和夫総長宛に話し合いの早急な開催を求める文書を提出し、さらに一月十四日には、学生有志が石垣の上に鉄パイプなどからなる建造物を設営、同月二十二日からは「石垣★カフェ」として活動を開始し、半年以上にわたり撤去反対を訴えた。石垣★カフェの活動で問題が広く知られるようになったことから、大学当局は年度内の工事執行を断念し、説明会の開催を決定した。 四月十四日、計画の責任者が説明を行い、学生など当事者からの質問・意見を聞く「石垣問題説明会」が開かれた。説明会は四回開かれたが、毎回学生側と当局側との意見の衝突で会議は長期化した。会を重ねるにつれ、議論は学生からの意見を取り入れた計画の修正に向かい、八月の第三回説明会では学生が修正案の提出を行った。長時間の議論の末、修正案を基本とした工事計画の改変を行うことで双方は合意に達した。結果としては大学当局が学生の意見を受け入れた形となり、改修問題は一定の決着をみた。第四回説明会で具体案の検討が行われ、〇六年になってから工事が開始された。 石垣★カフェは計画修正が合意されると同時に自主撤去することが決まり、八月十六日に閉店・解体した。半年の間には、学内外の多くの人が訪れる名所となり、反対運動だけにとどまらない文化活動の拠点となった。
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| 京大入試、後期試験廃止決定 |
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二〇〇三年度の四月より、尾池和夫副学長(現総長)を座長とする入試検討ワーキンググループが二〇〇七年度以降の入試について検討を始め、後期試験におけるいわゆる五教科の共通問題としての出題を廃止することを検討課題として打ち出した。次いで平成二〇〇四年度入学者選抜方法研究委員会は昨年十一月、後期試験におけるいわゆる五教科の共通問題としての出題の廃止を決定した。これを受け、各学部は二〇〇七年度の選抜方法の検討を行なったが、結果として全学部において後期試験を実施せず、定員を前期に一本化する方針を打ち出した。 後期試験廃止については各学部でアドミッションポリシーにもとづき、この後も検討が行われ、今年三月一日に医学部保健学科以外での後期試験廃止が発表された。後期廃止に伴い、前期試験の変更もみられ、現在のところ工学部の三学科が、従来の配点、および、数学あるいは理科に比重をおいた配点のような二つの基準で試験成績を判断し、多様な能力のある学生を集める方式をとると発表している。また教育学部では定員を分け、五〇名を文系の試験、一〇名を理系の試験で選抜する。 京大が今回の後期試験廃止に踏み切ったのは、京大の受験生は前期と後期の併願率が高く、後期が前期の敗者復活戦としての意味合いが強くなり、前期とは異なる観点で学生を選抜するという後期試験の目的が果たされていないのではないかという問題意識にある。加えて、前期で入った学生と後期で入った学生とでは、センター試験の英語の平均点などに差があるのも事実である。 京大入試の最近の傾向として、前期後期を含め全体的な学力低下が見られ、理学部などでは、問題はやや易化しているにも拘わらず、合格最低点は年々低下している。昨年度の国公立大学法人化、大学進学率が五〇パーセントを超えた現在、優秀な学生の育成は各大学にとって死活問題となっている。後期を廃止するという京大の選択が一つのモデルケースとなりうるか、今後の展開が注目される。
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| 農学研究科教授、助手に嫌がらせで懲戒処分 |
| 昨年十二月二十日、京都大学は、論文を不正引用したり、嫌がらせをしたりして女性助手に精神的苦痛を与えたとして大学院農学研究科の男性教授(六〇)を京都大学教職員就業規則(※)に基づき、停職三カ月の懲戒処分にしたと発表した。 同教授は一九九七年から九九年にかけて、国の科学研究費補助金を得て、ヨーロッパで行った国民と森林の関係についての調査結果を基に、二〇〇二年三月、『林業経済学研究』(林業経済学会発行)に「日本に林業は必要か」というタイトルで、グリーンツーリズムに関する論文を発表したが、その際に女性助手が集めたデータによる図表などを引用元を示さずに使用したという。林業経済学会は、教授の論文が、助手の国への調査報告書の論文に酷似しているとの指摘を受けて調査し、この論文を〇三年三月に抹消した。これを受けて、大学側は同年五月に農学研究科が中心となり、調査委員会を発足。教授と助手から事情を聴き、論文の不正引用を認定した。 さらに大学側は問題発覚後、教授が「研究の主たる寄与者は自分」などと主張する文書を学内外に配ったほか、数年にわたり助手に厳しいしっ責や過剰な仕事の押し付けをしたと指摘し、「研究成果の搾取、論文作成の妨害、精神的ハラスメントに当たる」と判断した。教授は大学側の事情聴取に「出典を示さなかったのは不適切だった」と釈明したが、不正引用や嫌がらせ行為は認めていないという。会見した木谷雅人副学長は「大学教員にふさわしくない行為で誠に遺憾。今後このようなことがないよう規律徹底を図りたい」と述べた。 この問題が発覚して以降、農学研究科は教授と助手が所属する研究室を分割、助手は移籍して再び教育研究に復帰したという。矢澤進農学研究科長は「このようなことを繰り返さないようハラスメント対策などさらに充実したい」と話している。 ※京都大学教職員就業規則
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| 京大独自の授業料減免措置を実施 |
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〇五年度の政府予算で国立大学法人の授業料標準額値上げが決定、文部科学省からの運営交付金が三億円削減されたことを受け、京都大学は授業料を一万五千円増額し(現在、年間五十三万五千八百円)削減分を補填した。その十%を今回の授業料免除特別枠に充てる。毎年後期のみに実施、免除額は半期分全額。選抜は家計のみによって判断し成績・回生は不問、「法令・通則に違反したことに起因する場合」「在学年限内に卒業・終了できる見込みがない場合」を除き、出願可能となる。 後期では従来枠と特別枠の併願が可能。従来の免除措置では、半期ごとに申請受付があり、免除額が全額(半期分二十六万七千九百円)・半額(十三万三千九百五十円)に分かれ、条件として家計に加え成績も問われる。 法人化以前の国公立大学は、全予算の五.三%を授業料免除予算枠として国から与えられ、文科省に〇.五%まで超過免除申請ができたため、京大では免除枠を予算の五.八%とっていた。法人化した二〇〇四年度以降、五.八%(現在年間約六億円)が免除措置分として交付されるが、使い道は大学の裁量次第となる。京大は従来枠を維持するとともに、授業料増額の埋め合わせとして特別枠を設けたかたちだ。 十一月二十一日に今回の特別枠の審査結果が発表されている(表参照)。免除実施額は二千九百六十九万三千百円(医療技術短期大学部を除く)。制度は今年度も同様に実施される見通し。
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| 新たに2つの専門職大学院を設置 |
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平成十七年十二月五日、京都大学が文部科学省に設置認可を申請していた公共政策大学院(京都大学大学院公共政策教育部公共政策専攻)と経営管理大学院(京都大学大学院経営管理研究部経営管理教育部経営管理専攻)が、ともに設置認可された。 公共政策大学院は法学研究科の国際公共政策専攻と経済学研究科のビジネス科学専攻公共政策コースを改組して設置された。法学研究科と経済学研究科の教員だけでなく、日本銀行や大蔵省などに勤務し、実務経験を持つ教員四名が講義や学生の指導に携わる。公共政策の立案・遂行・評価に必要な専門的知識を持つ者を育成することを目標としている。 経営管理大学院は、経済学研究科と工学研究科が共同で設置を進めた。経営管理に関する高度な専門的知識を持った職業人を養成または再教育することを目標としており、二年のカリキュラムを経て卒業すると経営学修士(MBA)の学位を取得できる。 設置の認可を受け、平成十八年一月から二月にかけて両大学院の入学者選抜が行なわれた。どちらの大学院も、学部卒の学生を対象とした一般選抜と、職業経験のある社会人を対象にした特別選抜・職業人選抜を設けている。合格者は四月から各大学院の一期生として学び始める。 |
| 十一月祭援助額削減を巡る攻防 |
| 十一月祭全学実行委員会(以下、全学実)(注)への学生部物品援助が、前年度比二十五%、金額にして約三十万円減額されることになった。 全学実に対する学生部の援助は、殆どが現金の直接支給ではなく物品援助の形式を取って行われており、全学実側は必要な物品を学生部に請求していた。二〇〇五年九月九日、学生部は全学実に対し、その請求額を二十五%減額するよう求めたのである。 この問題に対応するため、全学実側は、学生部援助減額問題対策部会(以下、部会)を結成。部会と第二小委員会との間で二回の予備折衝が行われた後、東山紘久副学長(教育・学生担当)による第一回説明会が、二〇〇五年十二月二十二日に開催された。二〇〇六年二月十六日には第二回副学長説明会が開かれ、学生部予算を如何に確保して行くかや、「学生支援経費特別枠」の設置は可能であるか、等について議論された。前回同様、学生側が提示した確約書に東山副学長がサインをする事で説明会は終了した。 (注) 全学実・・十一月祭を主に運営している団体であり、会議の場として全体の方針や予算配分などを決定している。
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| 雅コンテスト開催 |
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コンテストは、男女各五名の候補者(応募者の中から主催者が選定)が、自分で詠んだ短歌の発表、着物を織り交ぜたファッションの披露、得意芸をステージ上で行うものだ。最終的に観客の投票でグランプリを決定した。 このコンテストは、ちょうど一年前の十一月祭で中止された「ミス&ミスター京大コンテスト」の修正版といういわくつきの企画。一年前に中止になった理由として、“学生による祭り”である十一月祭の企画に企業スポンサーが存在することや、いわゆる“ミスコン”によって容姿差別を助長するのではないかという批判があったことがある。主催者と反対意見の学生が話し合い、主催者が企画の決行を断念した。 この中止をめぐる騒動については、「開催か中止か」という視点で新聞やテレビなどのマスメディアによって取り上げられ、大学外からも注目されたことを挙げなければならない。そこでは、多くの大学でミスコンが行われている現状に対し、京大では反対の声が挙がるというギャップがニュース価値になったと思われる。 曖昧になっている部分だが、雅コンテストがミスコンならば、京大史上初のミスコンだったことになる。その史上初が歴史の第一歩だったのか、それとも一度きりになるのかは、来年以降にかかっている。
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