超 不 定 期
ま っ く ん
え く す ぷ れ す
Makkun Express

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2002年2月26日号 (NO.17) / 2010年10月20日号 (NO.17 第5版[訂補増強版])
1994年頃の中波放送の放送終了案内(クロージング)を懐かしんでみたりする(完全版)



昨年の年末のことであるが、久々に実家に帰省した際、若かりしころ蓄えておい たいろいろなストックを引っ張り出していたら、「全国中波放送局終了案内」と書かれた一巻のテープが発掘された。
どうやらまだ工房でラジヲ少年だった頃、普段は24時間放送している放送局が唯一停波する日曜日の深夜を狙って放送が休止する際に流れる案内(クロージン グ)をそのまま録音していたもののようである。
今では地方から首都圏に移り住み都会の雑音にまみれ遠距離受信を行うことも無くなり、すっかり縁遠いものになってしまったが、久々に聞いてみるとなかなか 趣き深いものがあるので紹介してみたいと思う。
基本的にまだWebmasterが地方に住んでいたころに全国各地の放送局を録音したものなので、ノイズ、フェーディング、混信が甚だしいものがあるが、 某有名声優系ラジオ番組などでよく言われる雑音リスナーがどのような状態の音を聞いているかというものを体験するよい素材になると思われる。
昔雑音リスナーだった御仁も当時を思い出しながら悠久の時の流れを偲ぶのもまた一興かと思われる。
なお、データはすべて当時のメモに記されているものである。
録音場所については、1994年3月までは宮城県石巻市、4月以降は山形県山形市での収録である。
録音機材は石巻市での収録はSONY SRF-M100(AMステレオラジオ)+SONY CFD-DW95Mk2(CDカセットコーダ)、山形市での収録はSONY SRF-M100+SONY ZS-66(CDカセットコーダ)であることを付け加えておく。
ちなみにSRF-M100はSONY初のAMステレオラジオで1992年頃に発売され、近年まで製造されつづけたリファレンス機といっても過言ではない名機である。放送局によってはステレオで録音されているものもあるので注意して聞いていただきたい。

【】で記載された事項については第4版で追記した事項である。また、★印はWikipediaに記載された内容を参考に記載しているので留意いただきたい。


まずは、北からということで…

北海道放送ラジオ [HBC] (JOHR / 1287kHz / 札幌50kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/03/06(SUN) 27:30 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 44444 / MP3データ:0分57秒(22kHz/96kbps)

コールサインを2回連呼して、民族系(?)音楽【補記:曲名『ウポポ』(伊福部昭作曲)アイヌ民族の伝承音楽をイメージしたとのこと★】をさらっと流してあっという間に終了。
STVラジオのように各局の周波数を読み上げていくかと思いきやそれもないので、なんとなく肩透かしな気分。
札幌局(JOHR)を受信録音してますが、函館や網走とかだと独自のクロージングが聞けるとかなんとか。


STVラジオ [STV] (JOWF / 1440kHz / 札幌50kWモノラル(現・ステレオ)) [mp3]
録音日時:1994/02/20(SUN) 26:00 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 44444 / MP3データ:1分27秒(22kHz/96kbps)

日曜深夜とは思えないほどさわやかな音楽【補記:曲名『マリアの丘』(ジョルジュ・ジューバン作曲)★】とあかるいアナウンスに囲まれて、放送局とコールサインと出力をアナウンスしてあっという間に終了。
初心者にはオススメの局。
この頃だと札幌局(JOWF)もまだモノラル時代ですな。


次は東北地方から。

秋田放送ラジオ [ABS] (JOTR / 936kHz / 秋田5kWモノラル) [mp3]
録音日時:1994/**/**(SUN) 25:00 / 録音場所:山形県山形市 / SINPO : 23232 / MP3データ:3分02秒(22kHz/96kbps)

のんびりとしたラウンジ系音楽(というか服部克久系?)にのせて、これまたのんびりと放送局 とコールサインをアナウンスしてまったり終了。
地方局にしては垢抜けた感じ。


東北放送ラジオ [TBC] (JOIR / 1260kHz / 仙台20kWモノラル) [mp3]
録音日時:1994/02/27(SUN) 25:00 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 55555 / MP3データ:1分55秒(22kHz/96kbps)

アナウンス部分はBGM無しで男性アナウンサーが淡々とコールしていくが、コールが終わると謎の音楽【補記:正式曲名は不詳であるが通称TBCのラジオテーマ(作曲:米山正夫)の1バージョンであると思われる。】が1コーラス。
しかも、ピアノとビブラホンが奏でるもの哀しい音楽が往年の古きよき時代を思い出させる反面、一人で聞くにはちょっと恐怖感を抱かせるという諸刃の剣。初心者と怖いものがダメな人にはオススメできない。
最初に聞いたときは怖かったっすよ、マジで(^^;


山形放送ラジオ [YBC] (JOEF / 918kHz / 山形5kWモノラル)

全県同一周波数移行前 [mp3]
録音日時:1994/04/10(SUN) 25:00 / 録音場所:山形県山形市 / SINPO : 55555 / MP3データ:1分37秒(22kHz/96kbps)

ハワイアンギターの暗い音楽【補記:曲名『ジャパニーズ・ララバイ』★】に乗せて淡々と番組終了案内と火の元、戸締りの注意喚起をして放送局とコールサインをアナウンス。 子供のころだったら間違いなく怖くて眠れなくなることこの上なしなクロージング。


全県同一周波数移行後 [mp3]
録音日時:1995/09/24(SUN) 25:00 / 録音場所:山形県米沢市 / SINPO : 55454 / MP3データ:1分37秒(22kHz/96kbps)

こちらは全県同一周波数化後のクロージング。恐ろしい音楽と終了案内はそのままで、放送局とコールサインのアナウンスが全県同一周波数を強調したものに変わっているのがポイント。
1995/09/18(MON)から同一周波数に統一されているので、統一後初のクロージングを録音したことになりますな。


首都圏だとこんな感じ。

東京放送TBSラジオ [TBS] (JOKR / 954kHz / 東京100kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/02/20(SUN) 26:10 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 33333〜32232 / MP3データ:4分04秒(22kHz/96kbps)

今ではTBSラジオ&コミュニケーションズというTBSの子会社に免許を継承してしまったが、これはまだTBSラジオ時代のものである。
この局の特徴はなんといってもオリジナルソング【補記:曲名『きいたら、ききたい』(歌:森川由加里、作詞:伊藤アキラ、作曲:馬飼野康二)★】を丸々1曲流すところではないかと思う。
構成としては間奏に放送終了の告知が入って、歌が終わってから局名とコールサインを告げたところで終了。
JRNのキー局として、恥じない構成に拍手。

TBSラジオ&コミュニケーションズ免許移管時の告知[mp3]
録音日時:2001/09/30(SUN) 24:00 / 録音場所:千葉県船橋市 / SINPO : 55454 / MP3データ:1分41秒(22kHz/96kbps)

林原めぐみのTokyoBoogieNight録音中にたまたま収録していたのを発掘したので公開。


文化放送 [QR] (JOQR / 1134kHz / 東京100kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/03/13(SUN) 26:00 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 43333〜32332 / MP3データ:2分58秒(22kHz/96kbps)

首都圏の放送局とは思えないほのぼのとした音楽に乗せてまったりとしたクロージングかと思いきや韓国KBSの混信によるBGM。orz
どうやらBGM無しで放送案内をして、その後クラシックな音楽が流れるというのが本当のクロージングらしい。
隣国同士最大級の出力で混信させなくてむいいのにねぇ…


ニッポン放送 [LF] (JOLF / 1242kHz / 東京100kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/02/27(SUN) 25:35 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 43333〜32332 / MP3データ:2分07秒(22kHz/96kbps)

首都圏3大放送局の一つ。
放送終了時のお約束として緊急警報放送システムの試験放送を行っているところが注目点である。
というか、このシステムに対応した受信機持っている人っているのだろうか?
子供の頃は大地震があったときにこのピロピロ音が突然流れて泣きそうに記憶がある曰くつきの放送である。
構成は、試験放送のあと、BGM無しでコールして、音楽がほんのちょっと流れて終了。
録音したときたまたまだと思うのだが、完全に送信を停止してステレオから急にモノラルのノイズに変わってしまうところがおもしろい。


甲信越・東海・北陸地方だとこうですな。

山梨放送ラジオ [YBS] (JOJF / 765kHz / 甲府5kWモノラル) [mp3]
録音日時:1994/05/22(SUN) 25:00 / 録音場所:山形県山形市 / SINPO : 32332〜32222 / MP3データ:0分57秒(22kHz/96kbps)

甲信越地方の地方局。ノイズにまみれてちょっと辛い感じ。
クロージング自体はピアノ曲に合わせてさらっと終了。東北地方と違ってサバサバした感じ。


北陸放送ラジオ [MRO] (JOMR / 1107kHz / 金沢5kWモノラル) [mp3]
録音日時:1994/03/06(SUN) 26:00 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 33333〜22222 / MP3データ:4分20秒(22kHz/96kbps)

石川県の放送局。
この局もニッポン放送同様に緊急警報放送システムの試験放送を行っているところが注目点である。
試験放送が終わって時報をはさんでから、男性アナによる局名とコールサインのアナウンスを行い、その後北陸放送の歌?【補記:曲名『MROの歌』★】をフルコーラス流して終了。
この局もまた東北放送みたく往年の古きよき時代を思い出させるような歌で涙を誘いますな(ぉ
地方の放送局ってこういう趣なんでしょうか?


静岡放送SBSラジオ [SBS] (JOVR / 1404kHz / 静岡10kWモノラル) [mp3]
録音日時:1994/03/06(SUN) 25:35 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 43333〜32332 / MP3データ:1分34秒(22kHz/96kbps)

いにしえのデンターシステマの音楽(?)【補記:曲名『マンドリン協奏曲 ハ長調 RV.425 第1楽章』(作曲:ヴィヴァルディ)やはり、デンターシステマのCMソングでした。近年ではCANON ivisなんかでも使われてますね。】にあわせて、淡々と放送局とコールサインをアナウンス。
怖くはないねぇ


東海ラジオ放送 [SF] (JOSF / 1332kHz / 名古屋50kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/02/20(SUN) 26:45 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 54454〜33333 / MP3データ:2分58秒(22kHz/96kbps)

BGMもなく淡々と番組終了案内、放送局とコールサインをアナウンス。さりげなく平日は24時間放送をアナウンスしているところが見事。
アナウンス終了後はラウンジ系音楽【補記:曲名『東海ラジオ放送の歌』(インストゥルメンタル、作曲:いずみたく) AMステレオ放送開始にあわせてこのバージョンになったとのこと。★ とても社歌とは思えないアレンジに今更ながらびっくり。】をフルコーラス流して終了。
大都市になればなるほど暗いってイメージはなくなりますな。


関西地方だとこうですな。

近畿放送KBS京都ラジオ [KBS] (JOBR / 1143kHz / 京都20kWモノラル) [mp3]
録音日時:1994/03/13(SUN) 26:30 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 42322〜32222 / MP3データ:0分57秒(22kHz/96kbps)

メロドラマのような悲哀に満ちた(?)音楽に合わせ、淡々と放送局とコールサインをアナウンス。
滋賀局が最後というのと、すべての放送局を案内した後にそれぞれお送りしましたとアナウンスしているのが意味シン調ですな。


朝日放送ラジオ [ABC] (JONR / 1008kHz / 大阪50kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/03/13(SUN) 26:25 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 42332〜32322 / MP3データ:1分35秒(22kHz/96kbps)

BGMなしで淡々とアナウンス。その替わり韓国のラジオ局からの韓国歌謡曲がBGM代わり。orz
その後、オルゴール調の曲【補記:曲名『きこうABC』(作曲:キダ・タロー)のオルゴールバージョン★】が流れて終了。


毎日放送ラジオ [MBS] (JOOR / 1179kHz / 大阪50kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/03/13(SUN) 25:35 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 44333〜33232 / MP3データ:0分57秒(22kHz/96kbps)

朝日放送ラジオ同様にBGMなしで淡々とアナウンス。
最後の重厚なファンファーレが流れて終了。
ABCはおやすみ感が漂うけど、MBSはこれから行くぞ的な感じ。対比するとおもしろいですな。


ラジオ大阪 [OBC] (JOUF / 1314kHz / 大阪50kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/03/06(SUN) 26:30 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 44333〜34333 / MP3データ:2分09秒(22kHz/96kbps)

大阪最後発の中波ラジオ局。
オリジナルソング【補記:曲名『ラジオ大阪の唄(通称:OBCソング)』(作詞:野坂昭如、作曲:いずみたく)★】を流しながら放送局とコールサインをアナウンス。
一曲丸々演奏して終了。さわやかな感じですな。


ラジオ関西 [CR] (JOCR / 558kHz / 神戸20kWモノラル) [mp3]
録音日時:1994/**/**(SUN) 26:00 / 録音場所:山形県山形市 / SINPO : 55555〜43443 / MP3データ:2分06秒(22kHz/96kbps)

波の音とゆったりとした音楽【補記:曲名『海の見える放送局』(インストゥルメンタル、作曲:松田りか)★】に乗せて、中継局・コールサインをアナウンス。
とても神戸からとは思えないほのぼの感がいい感じ。


続いて、中国・九州地方。

山陽放送ラジオ [RSK] (JOYR / 1494kHz / 岡山10kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/05/22(SUN) 25:30 / 録音場所:山形県山形市 / SINPO : 32222〜22222 / MP3データ:1分59秒(22kHz/96kbps)

洋楽(曲名不詳)にあわせて中継局・コールサインをアナウンス。
さりげなく全県同一周波数であることをアナウンスしてから各中継所の出力を伝えて終了。
センスいいですな。


中国放送ラジオ [RCC] (JOER / 1350kHz / 広島20kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/03/13(SUN) 25:30 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 33222〜22222 / MP3データ:2分52秒(22kHz/96kbps)

ステーションジングル→時報アナウンス後にムーディーな音楽に乗せて終了案内、中継局・コールサインのアナウンス。
暗い雰囲気は無く、さっぱりと終了。


山口放送ラジオ [KRY] (JOPF / 765kHz / 徳山(現・周南)5kWモノラル) [mp3]
録音日時:1994/05/22(SUN) 25:10 / 録音場所:山形県山形市 / SINPO : 43232〜32232 / MP3データ:1分01秒(22kHz/96kbps)

ABCラジオ同様、BGMなしで淡々とアナウンス。
アナウンス後も音楽無しでそのまま終了。潔いですな。


九州朝日放送ラジオ [KBC] (JOIF / 1413kHz / 福岡50kWステレオ) [mp3]
録音日時:1994/02/20(SUN) 26:30 / 録音場所:宮城県石巻市 / SINPO : 32332〜22232 / MP3データ:1分24秒(22kHz/96kbps)

フルートの旋律に乗せて、淡々と中継局・コールサインをアナウンス。
音楽が重々しいので若干怖い雰囲気が…



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