12人の弟子と共に食卓についたキリストが、「汝らの一人、我を売らん。」と言った瞬間が描かれている。
左から、バルトロマイ、少ヤコブ、アンデレ。4番目が裏切りを見抜かれたユダ。その奥、ペテロは隣のヨハネに、裏切り者は誰なのか主イエスに聞いてくれと頼んでいる。イエスの右、トマソは、裏切り者は一人ですか?と指を立てている。その右が大ヤコブ、ピリポ、マタイ、ダダイ、シモン。

ミラノ公ルドヴィーコ・イル・モーロの注文で、スフォルツァ家の菩提所サンタマリア・デレ・グラツィエ教会の食堂の壁に描かれたこの絵は、ダヴィンチの作品の中でも、当時の人々に最も賞賛されたという。

ダヴィンチは、フレスコ画を嫌った。フレスコ画は漆喰が乾く前に着色を完了する必要があり、じっくり時間をかけて何度も塗り重ねていく彼の描き方にはあわなかった。この絵はテンペラ画(乾いた漆喰の上に、接着剤を混ぜた絵の具で描く)である。そのため、耐久性が悪く、何度も修復されるうちに色や輪郭が少しずつ変わってしまったが、最近、大がかりな修正が行われ、本来の荘重さを取り戻した。