クリスマスに思う

 世の中がその日一色になるにも関わらず、僕にとってはどうでもいい日が、年に2日ある。1つはチョコレート嫌いにとって憂鬱な「バレンタイン・デー」(この日はバレンタインさんが何をした日なんだ?)、もう1つが仏教徒にとってどうでもいい「クリスマス」(実はキリストさんが死んだ日だと思っていた時期がある。命日に騒ぐことはないと気づいた時に、目からウロコが落ちた)だ。

 日本人は宗教に関しての考えが甘いから、クリスマスでジングルベールと歌う一方で、お彼岸に御墓参りをしたりする。外国人にとっては不思議な光景だろうが、日本人には見慣れた光景だし、僕だってそこに文句を言うなんて、不粋なことはしたくない。問題だなあと思うのは、世の中がクリスマス一色となってしまうことなのである。

 さっきも書いたけど、仏教とにとっては「普通の1日」なのである。プレゼントも交換しなければ、サンタさんも来ない。単に、大掃除と年末恒例ゴタゴタで忙しいだけの1日である。突然脱線するけれど、僕はサンタさんもUFOもお化けも、「あってもいい」と考えている。全部否定するのはカンタンだけど、それじゃあ夢も素っ気もないんじゃない?24歳にもなって「サンタは本当にいるんだ」と言い張ってたらマズいけど、「サンタなんていね〜よ」とか生意気なことを言うガキに、「いるよ。俺は見たもん」とか言うくらいしたいなあと思ってるけど。

 閑話休題。話を戻さなくては。それで、そんな「普通の一日」に対して、世の中は「クリスマス一色」となるのだ。街角ではやたらとジングルベルが聞こえ、聖者の行進が聞こえ、山下達郎が聞こえる。雑誌は「カレ・カノジョと過ごすクリスマス大作戦」(うわ〜、ベタな例やな)なんて特集を組んで、テレヴィも「全国のクリスマス・イルミネーション」云々・・・クリスチャンの皆様には大いに結構な企画だが、どうも仏教が忘れられてないかなあ。なんせ、お釈迦様の誕生日である“花祭り”(4月8日)特集なんて、見たことがない。「トコトン遊ぼう花祭り」なんてね(うわわぁぁぁぁ!寒!!)。う〜ん、なんで特集してくれないのだろうか?不公平じゃない?

 ついでに言うと、来年は西暦2000年だからミレニアムだとか、Y2K(俺はMacだから関係ないもんね)だとか騒いでいるけど、西暦ってキリスト教の暦だよ。仏教徒なら仏暦、神道なら皇紀を主流に考えるべきじゃないの?そりゃ−世の中は西暦年号でカウントしてるから便利かもしれないけれど、少なくとも「来年は仏暦だと何年」とか、知っておいた方がいいと思うのだけど・・・

 そんなわけで来年・西暦2000年は、仏暦2543年・皇紀2660年です。クリスチャンでない人は、覚えておきましょう。クリスチャンの方は、ぜひ覚えて友達に自慢してみて下さい。きっと呆れられるけど。

1999/12/24

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