定期演奏会に行った

 今回は全然自己紹介風でもなんでもないのだけれど、僕がたまに考えていることを書いてみたい。

 10月11日、我が母校である高校の、吹奏楽部の定期演奏会に行った。僕が演奏を聴きに行くのは、なんと8回目である。さらに3回ほど出演しているので、都合11回は母校の定期演奏会に関わっていることになる。もっとも、聴きに行った8回の内の2回は僕が中学生だったので、よく覚えていない。今回のネタとするのは、OBになってからの6回の演奏会、その演奏会前後のたびに思う2つのことなのである。

 毎年思うこと1つめは、合宿の最中に考えることだ。すなわち、「ホントに定期演奏会に間に合うのか?」「曲減らせよ」「定期演奏会やめちゃえよ」ということだ。やはりこちらはヴェテランOB、現役生のやっていることを見ると、不満はいくらでも出てくる。それらをひっくるめると、本当に演奏会に間に合うのかが心配なのだ。演奏会は、演奏者が楽しければいいというものではない。やはり聴衆あっての演奏会、演奏者と聴衆が楽しめなければ、成功とは言えないのだ。

 それが毎年心配になるのだけれど、不思議と本番の演奏は悪くない。そりゃーアラ探しすればいくらでも問題点はあるけれど、合宿で一生懸命やっている現役生を見ていると、どうしても文句は言えない。それじゃいかん、OBとしてお前は甘いと言われてしまえばそれまでだが、あれだけ練習したのにミスをしたって責められない、そう思ってしまうのだ。ミスが妥協の産物であるなら、こちらとしても言うことはある。しかし、それはないと信じているからこそ、文句が出せないのである。そんなわけで、僕が今回聴いた「第28回定期演奏会」も、大成功であったと確信しているのである。

 もう1つ毎年思うこと。これは、アンコールの最中に思うのだが、「みんなこれから、どんな(音楽)人生を歩むのだろう?」ということだ。クサい言い方だけど、それは仕方ない。だって、そう思うのだから。

 現役生は、(当然)15才〜18才の集まりだけど、まだ音楽人生は始まったばかりだ。これからずーっと吹奏楽を続けていくのかは分からないけれど、なんにせよ人生と言う長い視点で見た時に、高校生活3年間というのは、大した長さではない。でも、これからの第1歩となるべき大事な時期であると思う。そこで吹奏楽をやり、これからの音楽人生がどうなるのか?ということを考えると、とても楽しみに思えるのだ。

 ひょっとしたら、吹奏楽は高校の3年間で終わりかもしれない。しかし、管弦楽や邦楽・ロックでもいい。とにかく音楽と長いつきあいになるであろう第1歩を高校で踏み出したことは、今後にどう繋がるのか?と思うのだ。せっかく一生懸命やった音楽というものを続けて、一生の趣味にしてほしいということを僕が考えるようになったのは、OBになってからだけど、本当に音楽って面白いものだと思う。5本の線とオタマジャクシだけで、あれがけ人を感動させることができるのだから。

 どんな演奏会でもそうだけど、演奏会の時間は、休憩時間を含めても2時間程度。その中に、何ヶ月もの練習の過程や、思いが詰まっているのを僕は知っている。そんな演奏会の今回の主役が、僕が多くを教わった部活の後輩たちだと思うと、なおさら今後が楽しみに思えてくる。

 僕はもう高校の演奏会に出演することはできないけれど(あたりまえだ)、その分多くの先輩・後輩の、音楽ってものの見方・考え方を知りたいと思うし、それが僕の音楽人生の糧になると思っている。こんな話を誰かとできたら、僕は幸せだ。

 普段はもっとバカなことしか考えてないけれど、年に1度だけ、こんなことを毎年考えている。

1999/10/13

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