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2004九州ノート
はじめに
僕が『ノート』を開くのも久しぶりのことになる。一昨年の北海道以来まったく旅をしなかったわけではないのだが、どこかに行くならそれなりの目的があるものばかりで、何をするのかあまりハッキリと返答できないような旅ではなかった。そんな僕が九州に行こうと思い立ったのは、実は最近の話ではない。少なくとも1年以上前から、九州上陸の野望は持っていた。北海道のような憧憬や幻想は特に持っていなかったのだが、それでも行ったことのない土地に何があるのか、それを見てみたいという気持ちはやはりあった。
僕は九州に行ったことがない。確かに今までの僕は北海道至上主義で、南の方に視線を向けることはなかったのだ。それは暑いのより寒い方がおもしろそうだという乱暴な発想からなのだが、やっと視線を南に向けたところで、さて、と思ってしまった。
どこから手をつければいいのだろう?
野望から現実を直視すると、まったく九州に行ったことがない人間が、ではどこから歩き出せばいいのだろうか。観光スポットはいっぱいあるし、僕の興味をそそるところを考えると、1つの県につき少なくとも1週間はかかってしまう。今回の旅は5日間なのだから、あれもこれもというわけにはいかない。でも、各県それぞれで見たいところはあるのだから……悩んだ末の結論は、シンプルかつありがちなものになった。「原点に還ろう。ノートを開こう」と。
この『ノート』は、もともとはある友人が鉄道旅行をした際に、それをまとめた旅行記を『ノート』と名づけたことから始まっている。それを僕も拝借させていただいているわけだが、いつの間にか僕の旅行記の共通タイトルのようになってしまった。まあ、正直なところは何だっていいのだが、列車に揺られながら車窓に何が現れるのか、常に期待していたことをつづったのが『ノート』の原点であるはずだ。そこに再び立ち返って、九州に何があるのかを見てこようと思う。
きっぷについて
今回は周遊きっぷの「九州ゾーン」を利用することにした。なんせ特急の自由席が5日間も乗り放題になるきっぷが15000円なのだ。本来なら青春18きっぷ利用とするのが「原点」なのだろうが、この時期は18きっぷの販売時期外である。まあ、それは想定していたことだ。
周遊きっぷについて、案外みなさんはなじみがないかも知れない。周遊きっぷにはいくつかの縛りがあるのだが、肝心なのは「往復券とセットじゃないと販売してもらえない」「出発地からゾーン入り口まで201km以上ないといけない」ということだ。さらに、往復券の片道は飛行機利用でもOKの場合アリとかとにかく附記が多いのが若干面倒だが、時刻表をよく読めばそんなに問題はないはずだ。そんなわけで、今回の旅は往路が新幹線・九州ゾーンは乗り放題で、復路は飛行機という流れできっぷを作った。
あとは、明日の新幹線に乗り遅れなければ順調に旅が始まるはずである。ところが、天気予報によると明日の博多〜長崎付近は朝から雨で、午前中の予想雨量が18mmなどと書いてあるのが気にかかる。これが、ネタの前振りにならなければいいのだが……
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