STE第三回興行ダイジェスト
2000年2月12日(土)
会場:横浜志水ヶ丘公園体育館
観衆:300人(主催者発表)
ジャフリーのキャラクター無断使用で告訴され一部で物議を醸しだしたSTEの第三回興行が2/12(土)に行われた。
問題の渦中の人、ジャフリー・マグワイアとミステル守屋に、更にその守屋の子分のにいむら藤田を加えた三選手は告訴騒ぎが起きた直後から連絡が取れないらしく、そのまま無責任に欠場。しかもその守屋が勝手に引っ張り込んできて今回から参戦予定だったUF0のエアガイツも、連絡役の守屋がいないとあっては連絡が取れずに結局欠場。
そのあおりを喰らったのかこの日は全四試合。何とも寂しい限りだ。
だが、どんな状況でも観客に満足して帰ってもらわなければ、次回以降、客足は遠のいていくだろう。
この日の選手達はそれを自覚してか、試合数を内容で補う好ファイトを見せた。
第一試合は前回に引き続き、ド新人・高木開海が登場。今回は軟派ラテン野郎・レッドウォーリアーの胸を借り、持ち前の積極性で開始早々ジャンピングハイキックを狙うなど果敢に挑んでいったが、最後はレッドの十八番・レッドサイクロン(カンクントルネード)の前に力つきた。
エースとして期待されながら旗揚・第二戦とそれにはとうてい見合わない様なふがいない結果しか残せていない松本。そしてこの事実に一番苛立ちを憶えているのが他でもない松本本人だということは、試合前の「今の俺みたいなヤツにはエースと呼んでもらう資格もセミにだって出る資格はないですから」というコメントからも伝わってきた。
第2試合はそんな松本が「綾小路響一郎はひとりで2人を相手にしても勝てますよ?」と自ら志願した黒井零・三郎のふたりを相手に2対1のハンディキャップマッチにチャレンジしたが、やはり今の松本では2対1のハンディの前では善戦するのが精一杯だった。第三試合では、エル・ディアブロとブライアン・ゴードンのベテランがタッグを組み、黒井次郎・四郎のコンビと対戦。技巧派対決となったこの試合は、派手な大技は少なかったにも関わらず片時も目の離せない攻防の連続で、結果は30分フルタイムのドロー。場内からは歓声ではなく感嘆のどよめきと拍手が四人に送られた。
この日のメインとなった第四試合はキラービー&ザック・ザ・ザッパー組対スペル・ネグラ&綾小路響一郎組。
キラービーとザックは旗揚げ興行でもタッグを組んでなかなか息のあったところを見せた実績がある。しかし対するネグラ&綾小路組とて同じ後退する生え際という悩みを持つ者同士、お互いの気心は知れている。
そんな両チームがぶつかった試合なのだから面白くならないわけがなかった。
双方真正面からぶつかった、前の第三試合とは対照的な激しいファイトを展開。場内もそれにつられてボルテージを増してゆく。どちらも何度決まったと思っただろう。しかしその度に返される。そんな大技の応酬にいつしか場内は静まり返っていた。そして「残り時間30秒」のアナウンスが流れ、誰もが第三試合に引き続き時間切れになるだろうと思ったそのとき、綾小路がその一瞬の隙をついてザックを担ぎ上げ時間切れ13秒前で試合を決めた。
今回は急遽少ない人数での興行となったが、怪我の功名とでも言うのか出場選手全員が少ない試合数を内容でカバーしようと頑張り、結果過去二大会と同等の満足感を観客に提供できたのではないだろうか。
次回興行は2/28(土)。それまでには行方不明の守屋らを見つけだし、一刻も早くリング外の問題も解決したいところだ。
第一試合:三十分一本勝負
×高木 開海 ( 16分58秒 レッドサイクロン) レッドウォーリアー○ 試合後のコメント:
レッド「ようやく勝てて嬉しい。みんな応援アリガトウ。」
高木「イイトコなしッス。まだまだッス。・・ッス! っシタッ!」
第二試合:三十分一本勝負
×松本 泰由 ( 15分36秒 スパインボム) 黒井 零○
黒井 三郎試合後のコメント:
零「まっちゃんから3つ取ったてつっても2対1だよ? 嬉しくもなんともないよ、チクショー」
三郎「そうだね、嬉しくないよ」松本「・・・今の俺はこんなもんって事ですね。悔しいですけど、それを受け入れないとその先もないですから」
第三試合:三十分一本勝負
ブライアン・ゴードン
エル・ディアブロ( 時間切れ引き分け ) 黒井 二郎
黒井 四郎試合後のコメント:
ゴードン「激しい試合も良いが、こういった試合ももっとやっていきたい。そのためにも今以上にトレーニングをしなければな」
ディアブロ「彼等(黒井兄弟)が決して侮れない存在だというのはわかっていたが、ここまで出来るとは正直意外だった」次郎「ま、今日の所はオヤジ達に乾杯ってカンジ?」
四郎「30分は疲れたよ。今度から15分にしようよ。こんなに長い試合はもう二度とやりたくないよ」
第四試合:三十分一本勝負
キラービー
×ザック・ザ・ザッパー( 29分47秒 アルゼンチンバックブリーカー) スペル・ネグラ 綾小路 響一郎○ 試合後のコメント:
ネグラ「まずはキラービーに勝った。次はレッドウォーリアーか? ディアブロか? 俺はどちらでも良いぞ!」
綾小路「ここまで技を喰らったのは初めてかな。結構キツイな。勝因? 最後の最後まで気を抜かなかったってところです」キラービー「キョウには旗揚げ戦の時にお仕置きされましたからね、気を抜かない様気を付けていたんですけれど、残り30秒のコールでほんの一瞬だけ(気を抜いた瞬間が)あったみたいで。カットに入るのが遅れたのがいい証拠ですね。まだまだです」
ザック「悔しい。あそこで気を抜かなければ、逆に向こうに隙が出来ていたかもしれなかった。次は必ず勝つ。“It's true”だ!」