ぴあプレミアムトークへ来たれ!レポート

 

2001年2月10日に大阪で行われた松本先生と宮川先生のプレミアムトークのレポです。
テレコもカメラも何も持たず(禁止)の一発勝負、どこまで正確に覚えていられるか、とにもかくにもGO!

 

1.開演前

 1時半(開場時間)少し前より入場開始、入口でモギリの他にプリントを配る人も、アンケートやチラシ。尚、物販には書籍に999、新ヤマトコミックスに新ヤマト総集編が、CDには松本零士の世界、やエターナルエディションや旧CDが。CDは特製ポストカードが付いてくるが、数種あったが1枚しか付けてくれないのを見て買うのを止め。

 ステージ・ロビーには開演前からヤマトのBGMが流され、雰囲気を作っている。ちなみに私の席はB−17番、2列目のほぼど真ん中という好位置☆

 

 

2.第一部・宇宙戦艦ヤマト旧シリーズトーク(約1時間)

 出だしはNR木村声でヤマト(多分劇場版第一作のOP)、宇宙のシーンが流れて赤茶けた地球が出たところで、司会のひねくれ岩ちゃんこと岩崎和夫さんが登場、恥ずかしながらナマ岩ちゃんは初めてであったりします;彼も奈良の劇場でヤマトを見て以来アニメに再び入り、アニメ関係の仕事をすることとなった、ヤマトが原点だそうで。そして御大、原作者松本零士先生が続いてご登場。両者に対してわれんばかりの拍手。まず掴みは松本先生と関西との関わり、先生は現在大阪のとある児童館の館長もなさっていますのでその縁で何度か関西にも足を運んでおられるそうな。それに戦中の頃は明石に住んでいた経験をお持ちでその明石の劇場にて戦中の名アニメ「くもとちゅうりっぷ」を鑑賞されていたとか。そこからが縁は異なもの奇なもの、松本先生と同年同月同日生まれの石ノ森章太郎先生、10歳上の手塚治虫先生もこの映画を観ていたわけですが、石ノ森先生は生まれの宮城ででしょうが手塚先生は同じく明石にて観ておられたけどこの明石がくせ者、実は明石ではその劇場1つだけが「くもと〜」を上映しており、しかも期間はたったの一週間というからさあ大変!もしかしたら日本テレビアニメの草分け的存在(松本先生によると自称・日本三大アニメマニア>笑)の中のお二人がこんな時にニアミスしていた、のかもしない。

 この明石時代の松本少年は、父がレイテ上空にて米スプルアンス機動艦隊航空隊と激しいドックファイとを演じている真っ最中に、自宅の襖なんかに映写機を投影して、ディズニーなどの舶来アニメも見ていたと言うから強者!!(爆)

 時は流れ流れて戦後、御三人方それぞれにヤミ屋から上映機材を買い求めてそれぞれに映画の研究・勉強に勤しんでましたがそのヤミ屋が警察に踏み込まれ(当然)てしまったからお得意さまの三人さんそれぞれに足が着いてお縄・・・と思いきゃ踏み込んだ警察に「研究用です」と言ったらあっさり引き下がったと。当時は米国の管理下で映画の無断上映の取り締まりがきつかったという歴史背景がありましたから。かくして無事難局を乗り切った三人はお互いの撮影機材を持ち回しあってテレビアニメを作っていたわけですが、初代鉄腕アトムの試写会なんてその時手塚先生の持っていた映写機が壊れたので急な電話で松本先生の映写機持っていって試写会を乗り切ったという実に危険とハイパーなお話。だけど、手塚先生のフィルムを松本先生の映写機に通したらパワーが強くてフィルムに開いている四角い穴が丸くなってしまった・・・松本先生のはちゃんと無事なのに。why?

 で、その試写会に使った映写機が現在松本先生が所有・保管してらっしゃるが肝心の自分の映写機は後のお二方ともが既に亡くなられているのでもうどこにあるのかすら分からず。

 

 さて、そろそろヤマトのお話。ヤマトを作る以前に「男おいどん」の映画化の話があったんですが、あの主役(笑)をスポンサーだか偉いさんは「郷ひろみ」みたいな顔で行こう、とか言いだしたのですが松本先生曰く「今までの全読者を裏切る」(そらそうだ、キム○クが101回目のプロポーズやるよーなもんだし)ということでこの映画の話は白紙撤回。その直後に(只今ブタ箱の;)西崎Pがヤマトの企画が通ったって言ってきたという経緯があり、これは松本先生も彼に感謝しています。ちなみに元々ヤマトは松本先生お一人で作ろうとしていたが30秒もアニメ作ればスッテンテンになるという大変さに業を煮やして今に至る。当時決まっていたのはSF設定の有田さんの設定したイスカンダルとコスモクリーナーD(ちなみにDとはデストロイヤーのDです、イスカンダルはイスカンダーというインドの理想郷から、そしてイスカンダーの語源がアレクサンダー)くらいなもので本当に企画って呼べるものは何もなかったと。で、必死で煮詰めて原作やTVスタートしたら、TV当初51話予定でそれだけのプロットとシナリオを用意していたにも関わらず、松本先生からしてファンと公言する「ハイジ」に完膚無きまでに敗れ去って(実は視聴率2%だったそうな;;;)26話に短縮放映、残りが全てお蔵入り〜(><)

 スポンサーが投げたと言うことで「絞首台に立ったものだ」と評しながらも、「そのロープは自分できる覚悟があった」とも評した先生、ある種吹っ切れて全26話を作り上げたとか。元々先生の作品は最初は酷評されて後からぐんぐん評判が上がるのがパターンらしく。(その後、再放送でのブレイクは既知の通り)

 だけど、沖田艦長を最終回で死なせてしまっては「もう沖田は使えないよ」という先生の言葉もあったそうで。死に方はいつも先生がおっしゃるように父上(艦長のモデル)の死に様が椅子に座りながら「今から死ぬよ」と言って死んだそれにそっくりでよかったそうな。案の定、完結編での無理設定に繋がり・・・

 よく似た話で、「さらば宇宙戦艦ヤマト」でも最後の特攻には先生反対でそこだけにはアフレコにも何にも立ち会わなかったとか。曰く、3000の御霊と共に沈み、遺族の妻子や大和(というよりも帝国の牙)に攻撃された人々の気持ちは以下ばかりか、と。(鱗落ちましたよ、ポローンと!いくらアニメ、いくら感動を取り繕っても大和とは帝国海軍の象徴であり今なお共に沈んだ3000人の英霊達、そしてその関係者の墓所であるのは紛れもない事実だからああいう終わり方に納得されないのも確かです、私もあの屈指の名シーンとしてる自分の考えを多少なりと見つめ直さないといけないのかも・・・・ヤマトファン26年目の覚醒っ!?)ただ演出的・客受け的には「さらば」のデキが良かったのは事実であり先生も認めています。(私も「さらば〜」そのものがなければ「宇宙戦艦ヤマト2」のラストは否定できないものもありますし)その先生の意向を踏まえて作られた2はテレビ版で流れましたが、全部生かしたが為に次を作れた・・・そしてちとやりすぎたものが;(先生も苦笑)

 その後の「ヤマトよ永遠に」の時点で古代らの後の時代のヤマトにしたいという先生の気持ちもあったそうです。(果たしてそれが忌むべき2520なのか新ヤマトなのか、果たして!?ただ2520よりゃ新ヤマトの方がまだいいという感じと思いますけど、今現在は)そういえば、「ID4」の中に出てきた小型円盤の設定がヤマトに似通っている、とかと発言した松本先生。後々、アチラの製作者から「very sorry」との返事を戴いたとか。世界中のクリエイターの考えることはどこか似ている、今描いた設定が100年前に描かれていたとしてもおかしくない、ですと☆

 

 そしてヤマトの製作秘話。元々決まっていたのはイスカンダルだけですが・・・何故スターシャみたいな魅力的女性なのか?との岩ちゃんの問いに「こんな美人でもいないと命を賭けて行く気がしない、男として」と先生(^^;;(大笑)ちなみに当時はアニメーターさんが女性を書き辛かったというので、1話のサーシャなどは原画も動画もほとんど松本先生自ら描かれたというのでした、さすが。(このサーシャ、ロシアでは男性名なので先生がロシアに行ったときに正しくKG○らしい人に名前聞いたら「サーシャ」だったという逸話はけっこーユーメー?)二連星という設定もなく、シド=ミードの二重恒星の絵が元になってイスカンダル・ガミラス二連星になったとか、ガミラスもプロットは「悪の女王」(プロメシュームみたいやなぁ;)でカーミラという名だったけど設定変えてデスラーという男になったからカーミラを濁らせて「ガミラス」と。古代守がハーロックとなるのは原作読めば誰でも知っていることですが、小マゼランでハーロックを暴れさせようという設定もあったのにハイジの為に消えた25話分。(笑)銀河系を出てから小マゼラン経由で大マゼランに行き、更に帰りの行程にも戦闘が詰まっていたのにその全てがハイジショック!(笑)

 キャラ設定もまず古代進、これは「おいどん」の時にも言われたけどまた別のルートなのに「主役は郷ひろみみたいなので」という要望だったので松本先生なりにいい男の若者を書いた結果古代の姿が出来上がり、ちなみに名前ですが元々「沖田進」という感じで進というのは先生の弟から拝借、で沖田。これは艦長が「古代十三」という初期設定だったためで、また艦長の名は古めかしいから「古代」、日本SF界の草分け海野十三から「十三」をとって作った名でしたが「沖田十三」の方がしっくり来るので決定稿に変更してその煽りで古代は「古代進」と。

 島は大介という名は高校時代の作品から用いているもの。

 真田技師長は、先生の住所が伊賀忍者にゆかりのある土地でそこからどこをどう進んだのか真田幸村にぶつかってああなり、また姿は恩師(綽名は「ヘチ」(^^;;>瓜生という名が糸瓜になって縮めてヘチ)の似顔絵。元々「サブマリン909」に出ていたキャラからして恩師がモデルだったけど、同作品中でキャラ殺したので次はいい役にしろと言う恩師の熱いご指導により技師長に決定。

 森雪は、岡山の音大生でよく先生に手紙を書いていたという「森木深雪」からきていますが森木深雪→森木雪→森雪と、どんどん縮んでいったと。

 佐渡先生は、当時のアシに酒だけ飲ませれば黙って仕事する佐渡島出身の人がいたのでそこから用いて「佐渡酒蔵」となり、佐渡島の佐渡だったそうな。

 で、デスラー。ヒトラーに似ているしヒスだのドメルだのまんまという感じのキャラまでいたからか誤解されていたが実はデス(死)+ラー(太陽)で「死んだ太陽」というものを表した名前だったという!なるほど♪強い敵をイメージしたのだが、なんといっても敵が強ければ強いほど主役が引き立つので。

 で、ヤマトのSF設定を作るのに「宇宙波動理論」(アインシュタインの「閉じた宇宙論」に基づく考え方で、宇宙のある一点を叩くとそれが全宇宙に波として伝わるという理論)をデッチ上げたのだけど当時九州大学にいた弟さんにこの理論の裏付けを頼む(弟は便利、とは先生の言葉;)と、返答が「あながち嘘ではない」という。オタクは専門家の走り、ツッコミされたらたまらんということでしたが見事に裏付け取れたのでワープだの付けて最後に波動砲を付けて完成。尚、よく分かりませんが未来には行けるがどう計算しても過去には行けないとか、うむ??後、どこかの専門家にも裏付けを依頼したら「あながち嘘ではない」と;専門家というと、よく言う十四万八千光年という数字、当時から二十万光年というのが分かっていたけど学校で習っていた十四万八千光年を使いたかった先生、はるばる天文学者に問い合わせたら「十万光年だの二十万光年など広い宇宙では誤差の範囲」という実に有り難いお題目が下りてそのままGO!

 宇宙のシーンがありますが、普通の塗料ではどうしても青の中に含まれる白が映えてしまうのでずっと首尾一貫してサクラマット(水性)で宇宙の色を付けているそうです、それに星も実際は色々な色があるけど敢えてそこは白で統一をしているコダワリっ!!ちなみに赤茶けた地球の絵は作中は全て複写を使い、元の原画(月間八郎さん画)はスタジオに飾っていたのだが盗まれてしまい今持って行方不明、松本先生も返してくれるなら何もしないとか。

 

 

3.第二部・宮川泰ピアノとトーク(約30分)

 第二部が始まるといきなり宮川さんのピアノによる「真っ赤なスカーフ」インストゥルメンタル。その後岩ちゃん松本先生交えて三人でトーク。実は結構面白い人だった宮川センセ☆お気に入りBGMはロマンチックモノと、そして「アンドロメダ」(でも、事実は「恋のバカンス」らしい>ヤマトちゃうやん>爆)。宮川さんにヤマトの企画が来たとき、まず松本先生からは主題歌(悲壮感、決断、勇気、命を表現して欲しいという注文付き)とスキャットを付くって欲しいと、実はスキャットは一発ですっと出来て(自画自賛♪)しまったが主題歌は勇ましさや寂しさを凝縮してと言うものなので悩みに悩んで、最初の「♪さらば〜」からしてどんどん低い音を作って海から上がってくるヤマトのイメージでここはトコトン低くして急に上げてくる、「♪てをふる〜ひと〜に〜えがお〜でこた〜え〜」という所で寂しく笑顔で答えさせようというのを出したという至芸。

 デスラーのテーマ(といっても「好敵手」は後々確立した曲なのでガミラスのテーマ)はピアノでの演奏ではギター(故、木村好夫さんの名演奏)のキュイインって音に負けると歯痒い宮川さん。(笑)白色彗星のテーマはパイプオルガンだけど、この曲を取るのに武○野音大まで出かけて四人がかりでキーを押したりしてけっこう大変な苦労で作られたらしい;「新たなる旅立ち」のゴルバのテーマは白色彗星の低く高く、のテンポではなく、低く低くとして恐ろしさ(迫ってくる感じ)を演出したとも。尚、松本先生の元には宮川さんの歌ったヤマトの主題歌テープがあるらしい、宮川さん間髪入れずに「返して下さい!」(笑)

 尚、完結編の曲は羽田氏が半分作っていたけどこなくそっと負けずに作った先生。ちっと羽田氏の楽譜パクッてマネして作ってみた結果・・・ただ音が大きくなっただけ;

 さらばの時、西崎Pから音楽は共同で作ろうという話があり、Pの懐にはとある曲が入っていたが宮川さんに4つばかり作らせた結果、Pは懐の曲を出す、その曲こそジュリーの「ヤマトより愛を込めて」(作曲:大野克夫)となったと。

 

 

4.第三部・新宇宙戦艦ヤマトトーク(約30分)

 最初は何かフランスの2人組ダンスソングユニットのプロモが流れた、これはプロモビデオが松本キャラで作られているものだけど・・・まあ、ただ松本キャラ使っているというわけなんでしょうね。(歌は別に・・・ダンスミュージックも洋楽もあんまり・・・だし)でも、この映像は火曜日(2/6)に完成したばかりで一般公開は我々が全世界初だと言うところとストーリー仕立てなので次回が気になる、という点を評価しています。ただ、東映アニメと松本先生の家って近いので何かできたと連絡する度に間髪入れずにモノを取りに来るから参る先生(^^;;

 その後でベンチャーソフトの人によるHPの紹介、ベンチャーソフトHPでは新宇宙戦艦ヤマト関連のHPを作っていてHP内の訓練に上手くいくと乗組員として認められるとか。ゆくゆくはその中かどうか分からないがファンから乗組員モデル選びたいそうな。(但し似顔絵書きやすい人に限る:笑)映像化したときにクレジットに名前を載せることも考えられているそうで。で、ちっと楽屋ネタ、そうこうしている間にも楽屋で新ヤマトのプロット作り出したりしているそうで、それに松本先生のトレードマークのあのドクロ帽子、実は三代目でこの世にかつて5つしかないという、「戦士の銃」波に勝ちのあるモノだと言うこと発覚。ちなみに4代目5代目の予備は昨日(2/9)にできたばかりらしい、これから被る機会が多くなると言うことの証明?あ、それに途中で会場限定?で新ヤマトCGのワイヤフレームモデルを見せて貰えましたよ・・・細かいッ!!

 そして新ヤマトは「世界に向かってドアを開く仕事だ!」と。

 最後の松本先生の締め、今までのSF作家はとにかく宇宙戦闘を多く書きすぎた、ろくな会話もせずドンパチというのは違う。ということで新ヤマトは「憎悪と対話、そしてその中間を描く」壮大なドラマになる、と。また乗組員一人一人の生活も描きたいとも。今後グレートヤマトは月で最後の乗組員を乗せ、再び地球に戻って別れを告げ、旅だっていくという。地球からの贈る言葉は「クズ鉄が行くぞ」。ハーロックもエメラルダスも、ヤマトもみんな自分の可愛い子供達だ、ずっと愛してくれとかそういうすっごいいい言葉で締めてくれました☆

 

 「新宇宙戦艦ヤマト」は過去のヤマトいや、過去のSF作品の反省にたったものである。宇宙船を宇宙に飛ばすほどの文明を持った高等生命体同士が、宇宙で出会った途端にドンパチをするものだろうか? そうではないはずなのだ。

争いがあるとすれば、それは生きるために仕方のない場合である。食物連鎖、決して善と悪とではない。昔のヤマトでは表現しきれなかったことが山ほどある。あの51話分のストーリーのために作ったものも、ストックとしてある。それを今後描いていく。

 昔ヤマトをつくったときは36歳だった。外国にも行ったことがなかった。しかし今は世界中至る所に行っている。そのときの経験がある。地球で起こったことの風刺としてほかの星を描く。見てきたようなウソを描く。恐らくは死ぬまで続けることになるだろう・・・という感じでした。

 

 

5.抽選会

 ハズレ;その後中身は全部知っているのに総集編とコミックス占めて1030円購入、サクラ大戦イベントなどでの浪費癖は直らず;(やっぱクジは外れると悔しい)

 

 と、正味二時間半のトークショーは終わりを告げました。では「遠く時の輪の接するところでまた逢おう」

 不満点を言うなら、録音・撮影機材禁止だと言っているのにカメラのフラッシュやフィルムの音が鬱陶しいほどしていたり、帰り際によくよく見たらテレコしっかり用意している輩が多かったって事ですな、なんやすっごいファンのマナー悪くて先生方にド失礼!凸(−−#) 

 

 

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