知床の旅 (平成17年12月22日〜24日)
世界自然遺産 知床・さいはて温泉ツアー
まだ真っ暗です。午前4:30起床 眠い眠い
7:00羽田集合で7:55羽田発 JAL1110便
9:30無事何事もなく釧路空港に到着です。猛吹雪かと思っていたので、ちょっと期待はずれ?でも大したことがなくって良かったのかもしれない。しかしさすがに寒い・寒い
釧路空港 9時42分 −2.7℃
今週日本全国が寒波に見舞われていて、いったい北海道旅行はどうなってしまうのかと心配でした。 昨晩もコーラスの講座のとき皆さまに「気をつけてくださいね。こんな天候で飛行機は飛ぶのかしら?」なんて心配して下さいました。
でも釧路についたら、銀世界っと思っていたら・・・そうでもなくて。日本全国、飛行機の欠航、遅れがひどかったのに普段の心がけがいいからかしら?北海道の便はスーイスーイと順調でした。
釧路について、ツアーの方々集合。現地のガイドさんが待っていました。ようこそでもなく、ニコリともせず、怖そうな顔。(失礼!)
釧路の町は人口19万人の小さな町。人はいない!寒いからみんな家に閉じこもっているのかなぁ?
まずバスで一路摩周湖へ出発です。「冬の北海道は自然を見るなら道東が一番いいのよ!皆さんはいいコースを選ばれましたよ!」とガイドさんが言う。「私、顔は悪いけど・・・生まれつきだから・・・」と面白い人!
漁業の町で、筋子、いくらの加工工場が沢山あり魚の匂いがプンプンとバスの中まで臭ってきます。
道路両脇には真っ赤な実をつけたナナカマドの木が立ち並んでいます。鳥も食べないほど美味しくないそうです。ですからぶどうの房のように実が残っています。七回火にくべても燃えないくらいの実という意味でナナカマドと言うそうです。
霧の都『釧路』6月〜8月は屋外で運動する事ができず、野球をしてもバッターがピッチャーのボールが見えない程霧に覆われているのだそうです。四季がなくて、9月にならないと洗濯物を外へ干すことができないし、押入れに入っている物が絞れるのではないかと思われるほど湿っているそうです。ですから住みにくいところなんですって。
日本の東の端ですから、日の入りは15時49分、日の出が6時55分です。16時には真っ暗になります。
これが毎日なんて信じられません。大変な生活を強いられていますね。
釧路川は冬の間凍るけれど、雪はめったに積もらず、せいぜい50cmほど降るくらい、今年はこんなに降ってやはり異常気象のようです。
釧路湿原、遠くに雪をかぶった山並みが見えます。一面真っ白っていう経験がないので、透き通るように美しく感じます。
丹頂鶴がこの時期見られます。雪の中でも嘴や羽の一部が黒で、深紅の頭のてっぺんが見えて遠くにいるのがわかります。体が大きくて加速をつけないと飛べないので、外敵からみを守るために川の中州でエサを探します。雪裡川(セツリガワ)が−30℃になり凍ると中須がなくなり飛べなくなるので、−10℃から−12℃の頃中州から飛び立っていくそうです。
丹頂鶴の声帯はホルンのようになっていて、鳴くと体力を消耗するのでカラスや雀のようにピーピー、カーカー鳴かないそうです。本当なのかしら?
バスでの移動、走っている時はいいのですが信号で止まるときはスリップします。運転手さんは慎重で上手な運転ですが地吹雪になるとセンターラインが見えないので恐いです。
道路には赤く点滅した下矢印の点滅ランプがガードレールの代わりをしていて、道路の幅を表示しています。これがないと雪に埋まった道路はどこからどこまでが道路で、対向車線から来た車をどうよけたらいいのかわからないからです。
こういう雪道での運転の基本は、車間距離を守り、ブレーキをかけない。道内の車かどうかがすぐにわかるそうです。そんなときはその車に決して近づかないこと!!
まりもで有名な摩周湖に到着。360度一面銀世界!風も吹いていて冷たい空気がキーンと肌を突きます。−5度を体感したことのない私はなんだか子どもに帰ったようにワクワクしてしてしまいます。
カルデラ湖の中島がはっきり見えました。ちいさな可愛い島です。カルデラ湖ですから火山の噴火で穴が空いた中に水がたまってでき周りの囲んでいる山のようなところは875mあり5千年かけてこの湖ができたそうです。湖の一番高い箇所がこの中島です。
阿寒国立公園は、摩周湖、屈斜路湖、阿寒湖を擁する国立公園です。
ヒグマ、エゾシカ、キタキツネ、ヒメマス、ワカサギ、オオハクチョウは有名で、クマゲラ、オオワシ、オジロワシ、シマフクロウ等の希少な鳥類の生息も確認されているそうです。
笹、白樺、柏があると必ず「すずらん」が咲いています。このすずらんは、花が咲いてから葉が開きます。
非常に毒性の強い植物で、地元の人は家畜を飼う場所では注意をしています。
バスからエゾシカが木の根っこを掘っているのを何度か見ましたし、羽を広げると2m近くにもなるオオワシか空をゆっくり飛んでいるのも目にしました。
屈斜路湖ではオオハクチョウにエサ(パンの耳)をあげました。売店で売られており、パンを差し出すと「あっ!」という間に手から取って食べます。ずいぶんと空腹のようです。白いのが親鳥、体長はそれほど親鳥と違わないのですが黒っぽいのが子どもです。
屈斜路湖では、また「日本で一番おいしい」というソフトクリームを寒い寒いと言いストーブに当たりながら食べました。
22日(一泊目)の宿泊地は、ウトロです。知床半島の中ほどで半島の北側に位置しています。
着いてすぐ温泉に直行です。シーズンではないので広ーい温泉は人が2〜3人しかいません。露天風呂もあり、雪の中夜空を眺めながらウーン最高!旅には欠かせない地ビールをきゅっといって、たくさん並べられたお料理をお腹いっぱい堪能!しばらく休んでまた温泉・・・温泉・・・部屋の温度は暑いのです。
浴衣1枚でいても汗が出てきます。寒いと思って「ホッカイロ」をたくさん持参したのですが今のところ出番はまだありません。暑いので時々窓を開けてマイナス何度かの空気と入れ替えました。
夜は遠くまでは見えませんでしたが、明けてから見てみるとホテルの窓から海が一面に見え、そこは銀世界。半島が一望とまでは行きませんが、真っ白の海岸線はすばらしく、冬の海もいいものだと実感。高田三郎先生の作曲なさった「冬・風蓮湖」の流氷の海から吹きつける烈風に凍てつく根釧(こんせん)原野、その中の風蓮湖、そこに舞うオオハクチョウ、そして嘴太鴉(はしぶとがらす)・・まさにこれだわ!と。
早朝のすがすがしさを味わいながら朝食前にもまた温泉! お肌すべすべです。ウフ!
さあ、2日目 Let’s Go! 知床自然センターへ。センターの「ダイナヴィジョン」は知床の四季を、迫力の大画面(高さ12m、幅20m)オジロワシ、羅臼岳山頂から知床岬までの空撮映像などを観賞しました。
昨年9月に知床が世界自然遺産に登録されて、財団法人「知床財団」が設立。そこが運営管理を行っています。
シーズン中は人があふれ返っていてどこもかしこもひと・ヒト・人だったそうです。2月は流氷で賑わうそうです。
2400kmの山脈から4kmの川巾のアムール河で出来る氷が割れてオホーツクへと流れてくるのだそうです。温暖化で極寒の北海道でも流氷の大きさが以前より小さくなってきています。観光で見ている分にはスゴイ!とか、言っていられますが、そこに住んでいたら、昼夜を問わず、ギィーギィーとうるさくて大変らしいです。
オシンコシンの滝これは知床八景・日本の滝百選に入っています。凍っています。吹雪です。すべってけがをしないように気をつけて歩かないと・・・。
次は騰沸湖です。白鳥・カモ・かもめがワンサカ、ワンサカいます。ちっとも怖がりません。こっちが怖いぐらいです。ここでも手からパンを奪い合うように食べます。
網走の市場に行きました。
市場の裏は、真っ白なオホーツク海が目の前でした。
網走市の天都山は、展望台があり網走湖、能取湖、そして右方面は知床半島が一望できます。
学生時代にも訪れたことのある層雲峡の滝、部分的に流れているところもありますがほとんど凍っています。
エゾシカが木の幹のあたりにうずくまっているのが見えました。木の色と同色なので見つけにくいですが、一旦見つかると、あちこちに、親子らしきシカも見つけることができました。
層雲峡温泉大雪山ホテルに宿泊です。7F、2F、2Fの三ヶ所に露天風呂つきの温泉がありました。
Oh!Wonderfull・・・・
着いてすぐ7階の見晴らしの良い露天風呂へ、遠くに山並み、下を覗くと道路が走り、ポツンポツンと店が建ち、信号の明かりが真っ白な景色の中に光っています。体はポカポカで頭の上は冷たい気持ちの良い風が吹き抜けていきます。物思いにふけったり、心の中で歌ったりしながらいつまででも入っていられます。
食後3階の天華の湯に・・・露天は中庭を眺めながら・・・ダイヤモンドダストがキラキラ舞って美しい!温度計が−8度を示しています。部屋で少し休んで、2階のお風呂へ・・・ここは露天はないのですが、ぬるいめ、ふつう、熱いめと3つお風呂があり、だあれもいないのでぬるめからじゅんばんに入り、熱いめでは暗譜の練習をしながらウォーキングをしたり、肩回し、屈伸などやりたい放題でした。私って十分に変な人ですね?
湯疲れをすることも湯中りすることもなく、肌つるつるでポッカポカ!極楽極楽。明日へのエネルギーが芯から湧き出てきます。
ホテルロビーでは演歌歌手のショーをやっていました。そこを「ちょっと失礼!」と通り抜け部屋に戻りました。
こまどり姉妹の親戚にあたりますと自己紹介していました。各地の温泉場を回っているのでしょうね。
後日、夫に温泉が恋しくて「毎日あんな温泉に入れたら幸せなのに・・・あそこで働けばいいのね」と冗談交じりに言うと、「ずっと行っていていいよ。なんなら歌ってくれば!」 ひどいでしょ(笑)
アイスパピリヨンで−41℃の体験コーナーがありました。水で湿らせたタオルが棒のようにピンと立ちます(当たり前ですが・・・)。
外ではお盆のようなのに一人一人乗って各々の足を持ち、5人ぐらいで坂を下ります。スリル満点!私はもう一回一人でもすべってみました。一人だと軽いので回転したりで少々怖かったです。
写真を見てこんなにはしゃいでいる自分がいてびっくりです。
雪はサラサラしているので叩けば良くて濡れません。ですから手袋をしたままだと雪だるまを作ることは出来ないのです。
この日メインは雪の中の旭山動物園です。Nさんが「あそこのペンギンの行進が可愛いんです。」とか色々お話を聞かせて頂いていたのでとても楽しみにしていました。
北極熊、あざらし、サル山、オランウータンの赤ちゃん、サイ、そしてゾウがいました。ゾウは寒いからなのかステップを踏んでいました。
14時半からペンギンの行進です。余り人がいなかったように思えたのに、続々と人が集まってきます。巾2mの道で距離は約200m程行進するようです。みんながカメラをスタンバイさせて、これから大スターのお通り!といった風です。10匹ほどがすまし顔や「私が主役よ!」なんていう、そらぞれ表情があり可愛かったです。
終わると一斉に人が散らばりひっそりとした動物園に戻るのです。久しぶりの動物園で十二分に楽しませてもらいました。
観光するのには最高の気分を味わうことが出来たけれど、雪国の冬の厳しさ・生活の厳しさを初めて自分の目で見てぬるま湯に浸かったような生活をしている自分達!贅沢な暮らしに慣れっこにならないように気を引き締めていこう!と思いました。いい経験ができました。